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March 12, 18
スライド概要
2018年3月12日大阪でプライベート勉強会
⾝体化する組織 Journey is the track where we have lived. 市⾕聡啓
Ichitani Toshihiro 市⾕聡啓 ギルドワークス株式会社 代表 株式会社 エナジャイル 代表 ⼀般社団法⼈ 越境アジャイルアライアンス代表理事 DevLOVE コミュニティ ファウンダ ソフトウェア開発16年 SIer→サービス→受託→起業 仮説検証とアジャイル開発 da n a ap p @ 0→1 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
問いから、始めよう。
事業⽴ち上げ・事業づくりに 適した組織 (チーム) とは?
ダメなパターン① 「思考⾮停⽌」 企画担当者が 考えてる 企画担当者が 考えてる 企画担当者が 考えてる つくる 企画担当者が 考えてる… 机上の検討やプランニングが流すぎる。 学んでない時間の「負債」が⾼すぎ。この状態で 開発するのは「想定」「⾒込」によるリスクが⼤きい。 (“リーンスタートアップ”にかぶれて、初期の頃に起きやすい)
ダメなパターン② 「残念なプロダクトオーナー」 つくる つくる つくる あれ? つくる… プロダクトバックログの整理や深掘りが間に合ってない。 開発チームが「やれることをやって」しまう。 パーキンソンの法則でやることはいくらでもある状態。 (プロダクトオーナー⾃⾝の混乱により、あるいは従来のいわゆる ”要件定義”、”仕様策定” を⼀⼿に引き受けて、プロダクトの あるべき像を描く時間が無い)
ダメなパターン③ 「”ハウルの動く城”開発」 開発チームは スクラムでやるので スプリントを始めます “リーンスタートアップ” を 導⼊したいです (PO) それで、 いつリリースできるの? (経営) 思い思いに「良さそうなこと」を始める。 全体のコミュニケーションやプロセスが整っていない為 混乱が収束しない。ある⽇、経営の怒りが爆発する。 Photo credit: BLI_LEGO on VisualHunt / CC BY-NC
まとめると、 ⾃分たちの動き⽅に全体性が無い。 (全体でみるとバランスが悪い) …⾃分たちの動きを制御できない、 という状態でまともなアウトプットが ⽣み出せるだろうか?
…だけど、どこから何を 始めたらいいの?
…だけど、どこから何を 始めたらいいの? 理想的な組織(チーム)の あり⽅を想像してみるんだ
理想的な組織 = “1⼈の⼈間”になること (私が思う)
⼈間 五感(⾒る、聴く)で検知した情報に基づき 頭で「考える」と、⼿を「動かす」を 遅延なく連動させて、何かする。 チーム 五感(⾒る、聴く)で検知した情報に基づき 何をつくるべきか「考える」と、「つくる」を 遅延なく連動させて、プロダクトを⽣み出す。
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 考える = 何をつくるか整理する ⾒る = 観察する 聴く = インタビューする 話す = 質問する、⾔語化する ⼿をつかう = つくる 移動する = コミュニケーション
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 特にプロダクトオーナーが担う領域 仮説検証 ⾒る = 観察する 考える = 何をつくるか整理する 聴く = インタビューする 話す = 質問する、⾔語化する 特にスクラムチームが担う領域 ⼿をつかう = つくる アジャイル開発 移動する = コミュニケーション
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム “⼀⼈の⼈間” チームの運⽤イメージ ⾒る = 観察する 考える = 何をつくるか整理する 聴く = インタビューする 話す = 質問する、⾔語化する ⼿をつかう = つくる 移動する = コミュニケーション
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 何をつくるべきか?仮説の検証結果 考える = 何をつくるか整理する からプロダクトイメージを描く ⾒る = 観察する 話す = 質問する、⾔語化する イメージ 情報 (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) スケッチ 聴く = インタビューする 情報 情報 ⼿をつかう = つくる 移動する = コミュニケーション
… ここが仮説検証ね。 やり⽅について詳しく知りたいわ
… ここが仮説検証ね。 やり⽅について詳しく知りたいわ このあたりを参考にしてみてや。 (画像がリンクになってるよ)
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る = 観察する 話す = 質問する、⾔語化する (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) スケッチ ロジック + プロダクト バックログ 聴く = インタビューする イメージから(イメージと共に)、 プロダクトバックログを構想する ⼿をつかう = つくる 移動する = コミュニケーション
プロダクトバックログができた! 早速スプリントを開始しよう。
プロダクトバックログができた! 早速スプリントを開始しよう。 開発Readyになっているか 妥当性を確認しないとダメだぞ
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る = 観察する 話す = 質問する、⾔語化する スケッチ ロジック + プロダクト バックログ インセプション デッキ ⼿をつかう = つくる (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) 聴く = インタビューする 理解や不明点、意思を⾔語化する なぜ、誰向けに、何を、どんな 基準で、いつまでに届けるのか? 移動する = コミュニケーション
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る スケッチ = 観察する ロジック + プロダクト バックログ 話す = 質問する、⾔語化する インセプション デッキ スプリントでするべきあらゆること ⼿をつかう = つくる (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) 聴く = インタビューする 理解や不明点、意思を⾔語化する スプリント バックログ プロダクトバックログの実現に必要な スプリントバックログを導き出し、 スプリント開発を運営する 移動する = コミュニケーション
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る スケッチ = 観察する = インタビューする プロダクト バックログ = 質問する、⾔語化する インセプション デッキ スプリントでするべきあらゆること = つくる 聴く ロジック + 話す ⼿をつかう (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) 理解や不明点、意思を⾔語化する スプリント バックログ プロダクトを形にしていくために 必要なやりとりや、可視化 計画ミーティング、スプリントレビュー レトロスペクティブ、デイリースクラム スクラム イベント 移動する = コミュニケーション
つくっていると分かることがある できたものから分かることがある 使ってみると分かることがある
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) スケッチ = 観察する ロジック + 話す = 質問する、⾔語化する プロダクト バックログ インセプション デッキ スプリントでするべきあらゆること 聴く = インタビューする 理解や不明点、意思を⾔語化する スプリント ⼿をつかう バックログ つくっていての⼿触り感、違和感 (指先からの学び) = つくる できたものから受ける感じ、使い勝⼿ 使ってもらって得られるフィードバック 計画ミーティング、スプリントレビュー レトロスペクティブ、デイリースクラム スクラム イベント 移動する = コミュニケーション
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る スケッチ = 観察する ロジック + プロダクト バックログ 話す = 質問する、⾔語化する インセプション デッキ スプリントでするべきあらゆること ⼿をつかう = つくる (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) 聴く = インタビューする 理解や不明点、意思を⾔語化する スプリント バックログ ⼿触り感、違和感、感じ、使い勝⼿、フィードバック 計画ミーティング、スプリントレビュー レトロスペクティブ、デイリースクラム スクラム イベント 移動する = コミュニケーション
モブプログラミングは”⾝体化する組織”に馴染みやすい プロダクトオーナー(仮説検証者)を 交えることで「考える」と「つくる」 が完全同期化する 「どうつくるか」を全員で考えられる (=“⼿で考える”)。設計の考え⽅や ⽅向性を揃えやすい。 指向性や感情⾯で⼀体感を得やすい (=“⼀⼈の⼈間”)
…まだ、何かが⾜りないと思わないか?
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る スケッチ = 観察する = インタビューする プロダクト バックログ = 質問する、⾔語化する インセプション デッキ スプリントでするべきあらゆること = つくる 聴く ロジック + 話す ⼿をつかう (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) 感じる スプリント バックログ 計画ミーティング、スプリントレビュー レトロスペクティブ、デイリースクラム 理解や不明点、意思を⾔語化する = 感情と向き合う スクラム イベント 移動する = コミュニケーション
え?!どういうこと?
え?!どういうこと? つくっているプロダクトに ユーザーとしての嬉しさがあるか? つくっているチームが 意欲的に取り組める感じに なっているか?常に問いかけるんだ。
つくっている側が「これって何..?」とか 「こんなん使えへんわ」と感じながら 果たして作り込みができるやろうか? つくっていて楽しい、できていくものに ⾃信を持てるからこそ、プロダクトは 作り込まれ、使う⼈の嬉しさを誘う
“⼀⼈の⼈間” としてのプロダクトチーム 五感的機能から得られた情報を総合し 考える = 何をつくるか整理する イメージ ⾒る スケッチ = 観察する 聴く ロジック + = インタビューする プロダクト バックログ 話す = 質問する、⾔語化する インセプション デッキ スプリントでするべきあらゆること ⼿をつかう = つくる (ストーリーボードとか、プロトタイプとかとか) 理解や不明点、意思を⾔語化する 感じる スプリント バックログ = 感情と向き合う エモーション やってきたことを振り返ったり これから先を向き直ったり ⼿触り感、違和感、感じ、使い勝⼿、フィードバック 計画ミーティング、スプリントレビュー レトロスペクティブ、デイリースクラム スクラム イベント 移動する = コミュニケーション
⾃分たちを⼀⼈の⼈間として⾒ることで やっていることの全体性を問える (考えるも、つくるも、⼀体となるように全体を設計する) ボトルネックの特定と解決が全体に効く (全体に効くようなボトルネックから解決する) 追う指標が明確「⾏き来を早く滑らかに」 (仮説を⽴ててからプロダクトになるまでのリードタイム)
“⾝体化する組織” を考える上で触発された概念 ① OODA(ウーダ)ループ プロダクト開発にも瞬発性が欲しい Object Orient Decision Act ② クリティカル・メイキング ③ イノベーションマネジメント イノベーションプロセスの 「概念・解決策創造」には ・洞察的解釈者 ・構成則戦略者 ・デザイナー が1チームで必要
⾝体化する組織の課題は「頭と体の分離」 役割が別れやすいため、どうしても 分断しやすいところ。 (特にリモートワークだと尚更) 放置すると「頭でっかち」が進み、 出来ていくものと乖離し始める。 「指先からの学び」がフィードバック されない。プロダクトとしての 「ちぐはぐさ」と共に、感情が疎通し にくくなるため、チームが分解してい く。
“頭と体の分離” 対策は「結合」「同期化」 モブプログラミングで、直接的に 結合し同期化する (リモートワークを取り⼊れていても モブをイベント化して定期開催する) 「仮説検証」と「アジャイル開発」の 両⽅を担う役割を置く (例えば、仮説検証の主担当者であり、開発 のマネジメントも担う) 注1 となると負荷を減らすべく、仮説からプロダクト バックログまで⼀気通貫に⾒れるようになりたくなる わけです。ツールの採⽤重要。 注2 確実に「かすがい」となるため他の⼈が出来ること は巻き取るなどの現実的な⽀援は必須
…で、どうやって向かえばいいの?
…で、どうやって向かえばいいの? ⼈間はどうやって成⻑していく? 成⻑のジャーニーを描け。
成⻑のジャーニー設計 どんな成⻑をしていくか⻘写真を描く。⼀気にすべて構想する必要もない。 あくまで指針。⼈間同様に成⻑の過程で分かったことを元に⽅針を変えていく。 ※イメージ例 考える つくる 組織としての正式プロジェクトではなく、有志での勉強案件 ⾚⼦ まずはそれぞれの部位を鍛える 少年 下⼿くそでも良いから動きを早く として、あるいはプラクティス単位の素振り(練習)として始め る。個々の技をまずは磨くことに専念する。 考える:インセプションデッキをワークショップとして作る 成果を計測する、評価する 強みを尖らせる・バランスを取る 基本的には、従来型のマネジ メント⼿法やツールを継続す る。ただし、プロジェクトファ ありかた まずは「⼈として」お互いの 存在を認め合う、感じ合う シリテーションなど⼈間的に なれるファシリを導⼊する 社内のパイロットプロジェクト(予算がついている)で、社内の スプリントレトロスペクティ ツールやシステムなどを対象に試⾏してみる。失敗しても良 ブを軸に円滑に回っていくよ いので学びを最⼤化するべく様々なトライを意図的に⾏なう うにカイゼンを進める リズムをあわせる 考える:ユーザーインタビューの練習を社内メンバーで つくる:スクラムに則り、スプリントを回す 社内の企画者を巻き込む。いきなりPOはできないので、PO 代⾏の役割を置く。具体的な成果をあげるターン。 モブプログラミングなど結合、 同期化の作戦を取り⼊れる ⾃分たちならではの強みを つくる 考える:検証結果からバックログをつくり出す つくる:バックログを作り込み、指先からの学びをFBする 個々の部位の強化、アップデートを意図的に⾏なう。いまま 壮年 (コミュニケーション) つくる:スクラムイベントを擬似的に実施する 実案件、実プロジェクトとして実施する。クライアントや ⻘年 あわせる では境界をおいて考えて来なかった領域に踏み込む。あるい は、全体の流れをもっと良くする。 考える:不確実性をあえて呼び込む つくる:アーキテクチャスタックのアップデート バリューストリームマップを 描き⾃分たちのやり⽅を棚卸 しする。カンバンへ移⾏する。 ⾃分たち⾃⾝をアップデート する
あり⽅の模索 = ⽴ち返りの問いに答える 「われわれは何者なのか?」 チームで答えるなら「むきなおり」 組織で答えるなら「ハンガーフライト」 むきなおりのやり⽅は、書籍P122 ハンガーフライトのやり⽅は、書籍P255 をあたってね。
どんなチームだって、たいてい最初はヨチヨチ歩き 頭ごなしにしたって、感情を無視したって、 いくらタフなことだけ⾔っても、⼈は伸びない。 ⼈間にそれぞれの成⻑スピードがあるように チームにもある。「気付いたときがその⼈の最速」
さいごに。
組織の⾝体化に向かうにあたって 「会社として」「組織として」 という⾔葉を使っていないか気にしよう
「会社(組織)として」という判断の下で 嬉しさや価値を得られる⼈の顔を 具体的に思い浮かべられるか?
誰も思い浮かばなかったり、 浮かんだとしても違和感を感じたら。 その⾔葉は理由にはならないんだ。
“⾃分たちとして” が ”⼀⼈の⼈間” に向かう最初の⼀歩
楽しいジャーニーを。 Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.