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April 17, 16
スライド概要
DevLOVE関ヶ原で使用した背景資料。
仮説検証がデットエンドに陥らないための話、一部始終。
そのコマは回り続けるか それとも倒れるか 〜~ デットエンドに陥らない仮説検証 〜~ @papanda Ichitani Toshihiro Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
問い 新しい企画のスマホアプリ ユーザーに届きましたか
問い 気がついたら収⽀支が圧迫され 収⽀支計画に追われている
問い 気がついたら収⽀支が圧迫され 収⽀支計画に追われている もっとヒトを⼊入れて営業、開発!
問い 気がついたら収⽀支が圧迫され 収⽀支計画に追われている もっとヒトを⼊入れて営業、開発! 収⽀支計画!⼈人員追加!収⽀支計画!
問い 気がついたら収⽀支が圧迫され 収⽀支計画に追われている もっとヒトを⼊入れて営業、開発! D N E D A 収⽀支計画!⼈人員追加!収⽀支計画! DE
本⽇日のテーマ デットエンドに陥らない仮説検証
50 => 2
50=>2 2 ある事業創出の活動において、 50本あまりのアイデアから、MVP開発へ⾄至ったのは 2本だけであった。
MVP開発すら遠い 机上検証・擬似環境検証 価値探索索 (仮説検証) ターゲットユーザーに ニーズがない Photo credit: Ferran. via Visual Hunt / CC BY-NC-ND 事業環境での検証 MVP開発 検証 ターゲットユーザーが 使わない Photo credit: Ferran. via Visual Hunt / CC BY-NC-ND プロダクト を育てる 検証と開発を繰り返す
MVP開発すら遠い 机上検証・擬似環境検証 価値探索索 (仮説検証) ターゲットユーザーに ニーズがない Photo credit: Ferran. via Visual Hunt / CC BY-NC-ND 事業環境での検証 MVP開発 検証 ターゲットユーザーが 使わない Photo credit: Ferran. via Visual Hunt / CC BY-NC-ND プロダクト を育てる 検証と開発を繰り返す
仮説検証の三⼤大疾病 ユーザーに出会えない ⾃自分たちの課題解決が要らない Photo credit: antonychammond via Visual hunt / CC BY-NC-SA やたらと検証が⽌止まる
⽌止める価値 50 => 2 進むことだけが仮説検証の価値ではない。⽌止めることも価値。 …だが、リソース(ヒト、時間、カネ)が限られているのは常。 ⽌止めるためだけの検証に多⼤大なリソースはかけられない。 前に進むために必要なこととは?
三⼤大疾病対策 ユーザーに出会えない 出会う⼿手段があいまいな まま進めても後でデッドエンド ⾃自分たちの課題解決が要らない 課題解決感は感じるが イマの⾏行行動を変える気はない PSfitの前に PCfitの⾒見見⽴立立 ユーザーの声を聴く ことでしか課題を 捉えられていない が必要 やたらと検証が⽌止まる リソースが限りなく乏しい ⾏行行く⼿手を阻む何かが現れがち ⾃自分たちがやるべき 他ならぬ理理由を ⾒見見つけられていない …ひとつひとつ取り上げていきます。
私のキャンバス遍歴に沿って Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
ビジネスモデルキャンバス パートナー 主要活動 価値提案 顧客との関係 リソース チャネル コスト構造 http://businessmodelgeneration.com/ 収益の流流れ 顧客セグメント
ビジネスモデルキャンバス パートナー 主要活動 リソース 価値提案 顧客との関係 顧客セグメント チャネル ・特徴は「パートナー」 ・扱う課題や要望を直接的に表現できない コスト構造 収益の流れ ・私はすでに⽴立立ち上がっている事業のモデル化に 使ったりしています。 http://businessmodelgeneration.com/
リーンキャンバス 課題 ソリューション 独⾃自の価値提案 圧倒的な優位性 主要指標 チャネル コスト構造 収益の流流れ 顧客セグメント
リーンキャンバス 課題 ソリューション 主要指標 独⾃自の価値提案 圧倒的な優位性 顧客セグメント チャネル ・顧客 -‐‑‒ 課題 -‐‑‒ 価値提案 -‐‑‒ ソリューションの構造 コスト構造 収益の流れ 「課題解決のストーリー」を扱える ・第1次⻑⾧長期利利⽤用キャンバス
現象① やたらと検証がとまる ユーザーに出会えない 出会う⼿手段があいまいな まま進めても後でデッドエンド ⾃自分たちの課題解決が要らない 課題解決感は感じるが イマの⾏行行動を変える気はない PSfitの前に PCfitの⾒見見⽴立立 ユーザーの声を聴く ことでしか課題を 捉えられていない が必要 やたらと検証が⽌止まる リソースが限りなく乏しい ⾏行行く⼿手を阻む何かが現れがち ⾃自分たちがやるべき 他ならぬ理理由を ⾒見見つけられていない
現象① やたらと検証がとまる Photo credit: antonychammond via Visual hunt / CC BY-NC-SA ⼈人がいない、⼈人が出せない、やんわりとリジェクト、反対勢⼒力力、、 組織内の「やれない理理由」の⾼高まりは、 裏裏返すと「⾃自分たちがやるべき理理由」が相対的に弱いということ。 “⾃自分たちだけの⽂文脈”をモデルの中で常に⾒見見出しておきたい。 ①組織が動くには使命感が要る ②何を実現したいのか⾒見見失わないように
仮説キャンバス ver1 ⽬目的 ビジョン 課題 ソリューション 主要指標 コスト構造/リスク 価値提案 圧倒的な優位性 チャネル 収益の流流れ/嬉しさ 顧客
仮説キャンバス ver1 ⽬目的 ビジョン 課題 ソリューション 価値提案 圧倒的な優位性 ・課題解決のストーリーを扱える ・⾃自分たちがやるべき理理由=⽬目的、 主要指標 チャネル 顧客にどうなってもらいたいか=ビジョン を常に思考の範囲に⼊入れる ・第2次⻑⾧長期利利⽤用キャンバス コスト構造/リスク 収益の流流れ/嬉しさ 顧客
仮説キャンバス ver2
仮説キャンバス ver2 ・提案価値と課題を対応付けたい ・代替⼿手段を明確に ・…エリアが多すぎて複雑、思い出せない
現象② ⾃自分たちの課題解決が要らない ユーザーに出会えない 出会う⼿手段があいまいな まま進めても後でデッドエンド ⾃自分たちの課題解決が要らない 課題解決感は感じるが イマの⾏行行動を変える気はない PSfitの前に PCfitの⾒見見⽴立立 ユーザーの声を聴く ことでしか課題を 捉えられていない が必要 やたらと検証が⽌止まる リソースが限りなく乏しい ⾏行行く⼿手を阻む何かが現れがち ⾃自分たちがやるべき 他ならぬ理理由を ⾒見見つけられていない
現象② ⾃自分たちの課題解決が要らない インタビューで、ユーザーの声を聞いて、確からしい課題を捉える。 確からしい課題に則りサービスデザインする。 …ところが、絶望的に利利⽤用されない。なぜ?
その意⾒見見は⾃自分事か、他⼈人事か インタビュー結果では、 あれば使うだろうという意⾒見見 実際には、サイトに訪れても、 カートを使わない(CVしない)
その意⾒見見は⾃自分事か、他⼈人事か インタビュー結果では、 あれば使うだろうという意⾒見見 実際には、サイトに訪れても、 カートを使わない(CVしない) なぜ?? ユーザーテストを実施して、 ユーザーを⽬目の前にして、 分かったこと
その意⾒見見は⾃自分事か、他⼈人事か インタビュー結果では、 あれば使うだろうという意⾒見見 実際には、サイトに訪れても、 カートを使わない(CVしない) なぜ?? ユーザーテストを実施して、 ユーザーを⽬目の前にして、 分かったこと 「あれば使う」 ≠ 「⾃自分も使う」 ⾃自分は使わない なぜなら、◯◯(個々⼈人のささやかな理理由)だから スイッチングコスト > プロダクトから得られる価値
ユーザーの世界へ⾃自分も⼊入る ユーザーが新たな⼿手段を利利⽤用開始するためには、 切切り替えするだけの理理由がなければならない。 その理理由を探るためには、ユーザーのいる世界の状況を、 ユーザーと同じように、⾒見見る、聴く、感じる必要がある。 ユーザーの要求に ただ応えようするのではなく ユーザーの⽂文脈における 傾向(しようとすること)を捉える
ユーザーが⾒見見ている世界、しようとすること どのようにすれば受け⼊入れられるか? → 普段ユーザーが⽬目にしている世界から逸脱しない。 “⾃自分たち(ユーザー)のモノである” と思える⾵風景をつくる。
仮説キャンバス ver3 ⽬目的 ビジョン ソリューション 優位性 評価指標 収益モデル 提案価値 顕在課題 代替⼿手段 状況 潜在課題 チャネル 傾向
仮説キャンバス ver3 ⽬目的 ビジョン ソリューション 優位性 評価指標 提案価値 顕在課題 代替⼿手段 状況 潜在課題 チャネル 傾向 ・顧客ではなく、状況とそして傾向 ・課題は、顕在課題(状況から)と潜在課題(傾向から) 収益モデル ・第3次⻑⾧長期利利⽤用キャンバス
キャンバスとの付き合い⽅方 ここまで⾒見見てきたとおり、キャンバスは必要に応じて変えていく。 だったらチェックリストではダメなのか?と問われることがある。 私は「⼀一枚絵」にすることに意味を⾒見見出している。 ①全体像がファーストビューで⾒見見渡せる。 つまり、観点(エリア)間のつながりが⾒見見やすい。 ②全部が書けない。 つまり、本当に⼤大事なところに集中しやすい。 ⼀一枚のキャンバスで表現できない観点として「時間軸」がある。 サービスの進展とともに”⼤大事なところ”は移っていく。 それはキャンバス内の他のエリアかもしれないし、 キャンバスの外にあるかもしれない。
最初にあった問い 新しい企画のスマホアプリ ユーザーに届きましたか
現象③ ユーザーに出会えない ユーザーに出会えない 出会う⼿手段があいまいな まま進めても後でデッドエンド ⾃自分たちの課題解決が要らない 課題解決感は感じるが イマの⾏行行動を変える気はない PSfitの前に PCfitの⾒見見⽴立立 ユーザーの声を聴く ことでしか課題を 捉えられていない が必要 やたらと検証が⽌止まる リソースが限りなく乏しい ⾏行行く⼿手を阻む何かが現れがち ⾃自分たちがやるべき 他ならぬ理理由を ⾒見見つけられていない
Product Channel fit 1 2 3 PCfit PSfit PMfit Product Channel Fit Problem Solution Fit Product Market Fit プロダクトを届けられる ユーザーの課題を解決する 多くのユーザーに届ける ステージ ⽬目的 仮説です チャネルを⾒見見⽴立立てる 開拓拓する ブースター メインユーザー 提案価値 ブースター=サービスを最初 に⽀支えるユーザー。アーリー アダプターとは異異なるJob to be doneがあり、VPも異異なる 表現となる。それでいてイノ ベーター(⾰革新者)でもない。 アーリーアダプターより届け やすい。(逆にいうとアーリー に⼀一度度に届けられるならば不不 要な概念念) ブースター 向けのVP アーリーアダプター 提供者の意思として届けたい ユーザーの課題解決が可能と なるよう、プロダクトの調整 を⾏行行う。 マジョリティに向けた利利⽤用実 績の確保。 アーリーアダプター 向けのVP コンフリクト(VPが異異なる) マジョリティ 多くのユーザーの課題解決に 進む。マジョリティ向けにVP を補完するべくプロダクトを 調整する。 また、届けることに多くのリ ソースを注⼒力力する。 マジョリティ 向けに補完されたVP キャズム(チャネルも異異なる)
Product Channel fit 1 2 3 PCfit PSfit PMfit Product Channel Fit Problem Solution Fit Product Market Fit プロダクトを届けられる ユーザーの課題を解決する 多くのユーザーに届ける ステージ ⽬目的 仮説です チャネルを⾒見見⽴立立てる 開拓拓する ブースター メインユーザー 提案価値 ブースター=サービスを最初 に⽀支えるユーザー。アーリー アダプターとは異異なるJob to be doneがあり、VPも異異なる 表現となる。それでいてイノ ベーター(⾰革新者)でもない。 アーリーアダプターより届け やすい。(逆にいうとアーリー に⼀一度度に届けられるならば不不 要な概念念) 圧倒的な ブースター 向けのVP 欲望 アーリーアダプター 提供者の意思として届けたい ユーザーの課題解決が可能と なるよう、プロダクトの調整 を⾏行行う。 マジョリティに向けた利利⽤用実 績の確保。 敏感な 欲求 コンフリクト(VPが異異なる) マジョリティ 多くのユーザーの課題解決に 進む。マジョリティ向けにVP を補完するべくプロダクトを 調整する。 また、届けることに多くのリ ソースを注⼒力力する。 わかり やすさ キャズム(チャネルも異異なる)
例例えば、ポイントサービス ステージ ⽬目的 仮説です 1 2 3 PCf期 PSf期 PMf期 Product Channel Fit Problem Solution Fit Product Market Fit プロダクトを届けられる ユーザーの課題を解決する 多くのユーザーに届ける ??? ??? チャネルを⾒見見⽴立立てる 開拓拓する メインユーザー ポイントゲッター お得に敏感な お買い物客 提案価値 とにかく稼げる お得に買える
問い 気がついたら収⽀支が圧迫され 収⽀支計画に追われている もっとヒトを⼊入れて営業、開発! 収⽀支計画!⼈人員追加!収⽀支計画!
問い 気がついたら収⽀支が圧迫され 収⽀支計画に追われている もっとヒトを⼊入れて営業、開発! ? た い して 始 開 収⽀支計画!⼈人員追加!収⽀支計画! 事業
事業化判断はいつどのようにおこなったのか? ビジネスモデルの検証と ビジネスの遂⾏行行を混同しない
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 ビジネスモデル の世界 ビジネス の世界
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 ビジネスモデル の世界 MVP ビジネス の世界 MVPがモデルの世界と現実世界をつなぐ
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 ビジネスモデル の世界 MVP ビジネス の世界 フィードバック
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 ビジネスモデル の世界 Product もっとフィードバック! ビジネス の世界 MVP ⇔ 現実世界に集中し始めると何かがいっぱいできる = ⽬目の前最適化 (ex. ビジネスを回すために○○が必要)
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 ビジネスモデル の世界 Product ビジネス の世界 もっとフィードバック! ? ? 開始 業 事 = ス MVP ⇔ 現実世界に集中し始めると何かがいっぱいできる ー リ リ P V = M ⽬目の前最適化 (ex. ビジネスを回すために○○が必要)
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 ビジネスモデル もっと機能! もっとユーザービリティ! の世界 MVP ビジネス の世界 とはいえ現実世界に出ていかないのはもっとダメ
モデル世界 ⇔ MVP ⇔ 現実世界 フィードバックをモデルに⽴立立ち返らせる イマ何が分かっていて、何が分かっていないのか問う。 ビジネスモデル の世界 MVP ビジネス の世界 どのように事業化判断を⾏行行なうかを決めておく。 勢いや政治ではなく、事実に基づく判断が⾏行行えるように。
[補⾜足] 問う機会のデザイン 問おうで終わると精神論論になってしまうので、具体的な作戦として ⾃自分たちの仮説検証の過去と、イマと、理理想を可視化することが あげられる。 ① validation board https://www.leanstartupmachine.com/validationboard/ ② javelin board このあたりのフレームを真⾯面⽬目に使うことが⽬目的ではないので 参考までに。ロードマップはダメな例例で槍⽟玉にあがったりするが ⽬目的が果たせるのであればなんだっていい。 時間軸が可視化されると、事業化判断のタイミングと内容を議論論 しやすい。
さて
いま、あなたは モデルの世界と現実の世界 どちらで、何をしようと していますか
本当にモデルの検証になっているか?
Photo credit: Shing Yan via Visual hunt / CC BY-NC-SA
Photo credit: pagarneau via Visualhunt / CC BY-NC
そのコマは回り続けるか それとも倒れるか 〜~ デットエンドに陥らない仮説検証 〜~ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.
市⾕谷聡啓 ギルドワークス代表 http://guildworks.jp/ DevLOVE Founder https://devlove.doorkeeper.jp/ 越境をenergizeし続ける https://www.facebook.com/papanda0806 https://twitter.com/papanda http://papanda.hatenablog.com/ Toshihiro Ichitani All Rights Reserved.