図書館は 血と涙の結晶だったりする 『図書館の自由に関する宣言』 ゆるい勉強会 @ 来客開催 || えびてく #0 Yuhei Kobayashi @ynstg
ハロー Yuhei Kobayashi (@ynstg / @noko1024) - 釧路工業高等専門学校 創造工学科 電気工学分野 プロ 4年 レンタルサーバーで遊んだりルータで遊んだり プログラミング研究会のサーバー管理 道内の勉強会やイベントに出没 今日は図書館のお話をします
おしながき 1. 2. 3. 4. 5. 図書館とは 図書/図書館の簡単な歴史 図書館の自由に関する宣言とは ライブラリアンたちの苦悩 付録
図書館とは 『図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教 養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設』 1. 2. 3. 4. 5. 6. 国立図書館(national library) 公共図書館(public library) 大学図書館(academic library) 学校図書館(school library media center) 専門図書館(special library) その他の施設に設置される図書館 @図書館法 第2条
図書/図書館の歴史 紀元前7世紀 ギリシャで話し言葉を書き取る技術から始まる 本屋が出現し,出版目録なども作成される 紀元前3世紀 アレクサンドリアに巨大な図書館が誕生し学術研究の発展に貢献 紀元前2世紀 中国で紙製の図書が発明され、より大量の情報を安価に記録できるように 長期保存性,可搬性にも貢献 → 人類の文明の発展と寄り添いながら身近な存在として図書/図書館はあった
図書館の自由に関する宣言 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供すること をもっとも重要な任務とする。 すべての図書館が果たすべき使命を再確認するための宣言 1979年に改訂 (後述) https://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx
図書館の自由に関する宣言 (主文) 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供すること をもっとも重要な任務とする。 この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。 第1 図書館は資料収集の自由を有する 第2 図書館は資料提供の自由を有する 第3 図書館は利用者の秘密を守る 第4 図書館はすべての検閲に反対する 図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る
図書館の自由に関する宣言に至ったのはなぜか 図書館の責務が障害なく果たされ続けていた場合宣言する必要はない → 過去に責務を全うできない可能性/事態が発生した key word: “The Library Bill of Rights”
“The Library Bill of Rights” 日本語訳: 図書館の権利宣言 『ナチス・ドイツの焚書』が発生し、アメリカ国内でも特定の文学作品の内容の是非を巡って議論が 紛糾する 言論の自由, 出版,流通,販売の抑圧,図書館存立について危惧が広がる 図書館と利用者の知的自由を守るための基本方針としてアメリカ図書館協会評議会が採択
図書館の自由に関する宣言の成立 戦後GHQ占領下に置かれた日本では共産主義的グループの活発化に伴い 団体等規制令や占領目的阻害行為処罰令を公布し社会的安定を図った 独立回復後、吉田茂内閣が上記2法令をを引き継ぐ形で破壊活動防止法を強引に可決成立 秩父図書館で評論家が集まり座談会を開いていたが 会の中心的な人物が破壊活動防止法反対派の論陣を張っていたひとりだった →警察が同図書館に捜査に入った
図書館の自由に関する宣言の成立 →警察が同図書館に捜査に入った 図書館の国家権力の介入に対して議論が活発化 埼玉県公共図書館協議会から図書館協議会へ図書館憲章相当の宣言の必要性を申し入れ 『図書館は一切の政治や思想から中立たるべきである』@日本図書館協会事務局長(当時) 宣言の取りまとめについて議論され、1954年5月に宣言に至る
図書館の自由に関する宣言の改訂
宣言,改訂からみえるライブラリアンの苦悩 第1条から第3条までは基本的人権を拠り所にしている 第4条は日本国憲法でも同様に記載されている 第21条 2項 検閲は、これをしてはならない。(略) @日本国憲法 → なぜか?
宣言,改訂からみえるライブラリアンの苦悩 制定当時の社会的背景から考えてみる 当時のライブラリアンたちは戦前→戦時中→戦後を経験している 日本の独立回復に至るまで『検閲』は実施され続けていた 国家権力の強大さと知識の自由を自ら制限していた後悔 この宣言にはある種『抵抗』がある わが国においては、図書館が国民の知る自由を保障するのではなく、 国民に対する「思想善導」の機関として、国民の知る自由を妨げる役割さえ果たした歴史的事実があるこ とを忘れてはならない。 図書館は、この反省の上に、国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たすことが必要である。
専門を極めたあなたに専門図書館を 専門図書館探訪 ~ あなたの「知りたい」に応えるガイドブック~ ISBN: 9784585200703
参考資料等 1. 2. 3. 小説 『図書館戦争』と「図書館の自由に関する宣言」の成立 日本図書館協会