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June 10, 25
スライド概要
ssmonline #48 ヤマサキ初夏のサメまつり登壇資料
ただの趣味の話
フルマラソン 2:29:56 で走る日本最速ITエンジニア JBCC株式会社 カスタマー・イノベーション・ラボ Technical Expert AWS Samurai 2024 / AWS Community Builder / JAWS-UG横浜支部 / ChatGPT Meetup / Cloudflare meetup slideshare: https://www.slideshare.net/akifuminiida
#ssmjp サメの話 ssmonline #48 ヤマサキ初夏のサメまつり 2025.06.10 新居田晃史
自己紹介 #ssmjp • 新居田 晃史(にいだ あきふみ) • 所属 • JBCC株式会社 カスタマー・イノベーションラボ - Technical Expert • 日本最速ITエンジニア(※週刊BCN編集部調べ) • フルマラソン 2:29:56 Twitter @nid777 Facebook Akifumi Niida • コミュニティ活動 • AWS Samurai 2024 • JAWS DAYS 2025 実行委員長 • JAWS-UG 横浜支部 • AWS Community Builder – Container • Cloudflare Meetup • ChatGPT Meetup Tokyo 2
#ssmjp サメの特徴 1. 止まると死ぬ 一部のサメは、泳ぎ続けることでエラに水を通し酸素を得ています。 止まると呼吸ができなくなり、命に関わることも。 2. 自分のペースを守る 狩りでも移動でも、自分のペースで静かに無駄なく動くことが効率的。 3. 集中力と本能 獲物を探すときは鋭い感覚と集中力で行動。 4. 孤独 基本的に単独で行動し、孤独の中で生きる。 5. 習慣がすべて 生存戦略として毎日泳ぎ続けるのは本能。 3
#ssmjp ランナーの特徴 1. 止まると死ぬ 一部のランナーは、走り続けることで達成感や自己肯定感を得ています。 止まるとメンタルに不調をきたし、命に関わることも。 2. 自分のペースを守る 練習でもレースでも、自分のペースで静かに無駄なく動くことが効率的。 3. 集中力と本能 速く走るときは集中力と適度なリラックス状態を維持し、本能に任せる。 4. 孤独 走り始めると、誰の助けも借りられない。一人でやりきるしかない。 5. 習慣がすべて 良い習慣が良い結果を生む。 4
#ssmjp サメの話 サメとランニング理論 Deep Dive Level 400 ssmonline #48 ヤマサキ初夏のサメまつり 2025.06.10 新居田晃史
1.止まると死ぬ - 周期的なトレーニングの元祖 #ssmjp 提唱者:アーサー・リディアード氏 基本原則(Lydiard Pyramid) 1.有酸素能力の最大化(Aerobic Base) - 12週間以上 → 長距離のジョグで「心肺の土台」を作る 2.無酸素トレーニング(Anaerobic Training) - 4~6週間 → インターバルやヒルトレーニングでスピード刺激 3.ペース特化(Sharpening) - 4~5週間 → レースペース走、テンポ走で仕上げる 4.ピーキング & テーパー - 2~4週間 → 疲労を抜いて最も速くなるタイミングを合わせる レースまでに約半年の準備期間をかける 6
マラソンのオンシーズンを見据えたトレーニング計画 #ssmjp 多くのマラソン大会が開催される2月にピークを持っていく場合 時期 フェーズ名 内容(主目的) 期間 6月〜8月 有酸素基礎期(Aerobic Base) スタミナの土台作り/ロングジョグ中心 約10〜12週間 9月 筋力強化期(Hill Resistance) 坂道走・スプリントドリルで持久的筋力 アップ 約4週間 10月 無酸素刺激期(Anaerobic Development) スピード持久力を刺激するインターバル など 約4〜5週間 11〜12月 スピード仕上げ期(Sharpening) レースペース・レースシミュレーションの 反復 約6〜8週間 1月 調整期(Taper & Maintain) 疲労を抜きつつ走力維持。量を減らして 質を保つ 約4週間 2月 ピーキング(Peaking) レースに向けた完全調整。ジョグ+刺激 +レース 1〜2週間 ←イマココ 7
2.自分のペースを守る - VDOTの理論と実践 #ssmjp 提唱者:ジャック・ダニエルズ氏 VO₂max(最大酸素摂取量)とは 体が1分間に取り込んで利用できる酸素の最大量 高ければ高いほど、有酸素運動の能力が高いことを意味する しかし、ランニングの能力は「ランニングエコノミー」も大きく影響する VDOTとは 実際のレース結果から推定される“機能的最大酸素摂取量” VDOT = 酸素摂取量( V˙O₂) ÷ 最大酸素利用率(%VO₂max) V˙O₂=−4.60+0.182258×v+0.000104×v2 ※ v = 平均速度(単位:m/min) %VO₂max=0.8+0.1894393×e−0.012778×t+0.2989558×e−0.1932605×t ※ t = レース時間(単位:分) 8
VDOT(ランニング係数)を元にしたトレーニング #ssmjp VDOTから算出されるペースで練習を設計 ペース 説明 目的 私の設定 E(Easy) ゆっくり楽に走る 回復、有酸素の底上げ 4:06 – 4:32 M(Marathon) フルマラソンのレースペース 経済性・持久性の強化 3:35 T(Threshold) LT(乳酸閾値)に近いややきついペース 乳酸処理能力の向上 3:24 I(Interval) VO₂maxの80〜100%で走る(例: 1000m×5) 最大酸素摂取能力の向 上 3:08 R(Repetition) 200m〜400mの全力に近い走り 神経系・フォーム・ス ピード向上 2:53 https://vdoto2.com/calculator/ 乳酸閾値について 乳酸閾値4mmol/Lとは、血中乳酸濃度が4mmol/Lに達する点を指し、乳酸が体内に 蓄積し始めるポイントです。一般的に、このレベルを超えると運動負荷に対して疲労が 急増し、運動継続が難しくなります。トレーニングの指標としても用いられ、この閾値を 超えた強度でトレーニングを行うと、より高いレベルの持久力やパフォーマンスの向上 を目指すことができます。 9
3.集中力と本能 - オリンピックメダリストを多く輩出 #ssmjp サラザール式 (オレゴン・プロジェクト) 提唱者:アルベルト・サラザール氏 賢くトレーニングし、高負荷のトレーニングをこなす 写真割愛 要素 特徴 VO₂max刺激 インターバルで最大酸素摂取を引き出す:短時間・高効率 回復管理 心拍・乳酸モニタで「やる日/やらない日」のメリハリ フォーム矯正 モーションキャプチャで経済性重視の走りに進化 心理的介入 メンタルトレーニング(ビジュアライゼーションなど)も併用 チーム体制 栄養士、ドクター、分析官と連携したパフォーマンス科学体制 高負荷なトレーニング • レースの直後にスピード練習を実施 • 300m x 300mのインターバル走 高負荷の翌日は必ず回復 ※サラザール式はあまり情報がなく、正確ではないかもしれません。。 ※大迫傑 元オレゴン・プロジェクトのメンバー 10
4.孤独 - マフェトン理論 #ssmjp 提唱者:フィリップ・マフェトン氏 有酸素代謝を上げることで「脂肪をエネルギー源にできる体」を目 指す MAF最大心拍数 = 180 - 年齢 トレーニング方法 • MAF心拍数以下を維持しながら走る • 距離や時間に制限はないが、週に数回以上、継続的に行う • 数週間〜数か月かけて「心拍数は同じ・ペースは速くなる」現象が起 こる 食事の注意点 • 炭水化物:蛋白質:脂肪を40:30:30に。 • 植物油などの不飽和脂肪を積極的にとり、加熱した油やマーガリンな どの摂取は極力避ける。 11
5.習慣が全て - ノルウェー式 科学的に正しいトレーニングのペースを見つけられる #ssmjp 提唱者:マリウス・バッケン氏、モーテン・ヨヴァーグ博士 乳酸値 2〜3 mmol/L 以下を保つことで、疲労回復しながら閾値トレーニ ングの回数を増やすことで、効率よく閾値走のペース向上が可能 写真割愛 1日2回の閾値(LT)セッションを中心にトレーニング(例) • 午前(長め):6分程度の閾値インターバル × 5本 • 午後(短め):400の閾値インターバル × 25本 • レストは極力短く、乳酸値 2〜3 mmol/L 以下に抑えます ノルウェー式を実践するうえで欠かせないバッケンさんのブログ https://www.mariusbakken.com/ 私がほしい乳酸測定機器は医療機器なので一般の人は買えない。。 ヤコブ・インゲブリクトセン 12
6分x5なら皇居でもできます(人の少ない時間帯限定!) しかし、1日2回の閾値走はフルタイムで働く人には難しい #ssmjp 13
おまけ - ケニア式 #ssmjp 提唱者:パトリック・サング氏 ケニア人トレーニングの特徴=「感覚主導+集団練習+高地環境」 サング氏は選手の自己洞察と自信構築を重要視 トレーニング例 ファルトレックセッション: 地形や高度に応じてマラソンのレースペース付近で実施 • 10分×4回 + 2分休憩、13×3分+1分休憩、25回×1分+1分休憩など トラックセッション • 12x 800 + 90秒イージー、10x 400 +90秒イージー • 20×400m +50秒休憩、15×1km +90秒休憩など テンポ • マラソンレースペースとほぼ同ペースのロングテンポラン。マラソン距離の80~95%に相当 https://trainsmooth.com/2021/01/12/coach-patrick-sang-key-run-sessions/ 感覚に任せた中強度の継続したトレーニング+自己統制力 14
まとめ #ssmjp サメから「無駄なく」「止まらず」「強く」なる方法を学べましたか? トレーニング理論を活用しながら効率よくパフォーマンスアップしましょう! かなり古いですが、私の基本的な考えはこちらに。 「最小のトレーニングで最大のパフォーマンスを出す」ことに注力してます。 ※今見返すと、年を重ねて考え方が変わった部分もあります。 https://fun-run.tokyo/training9.html sora.chatgpt.com Prompt: リアルなサメマラソンランナー 背景暗め 15