【XPまつり2026】生成AI全盛の時代に、 ぼくらはなにをつくるべきか

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September 05, 26

スライド概要

XPまつり2026の登壇資料です。

https://fortee.jp/xpfest-2026/proposal/884296ea-d148-43c3-b90a-40cf0f9bae6c

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エンジニア。スクラムマスター。 Zennでサーバーレス本書いてます。 http://zenn.dev/mistletoe/books/93f5810c20eb9a http://github.com/theMistletoe http://zenn.dev/mistletoe http://qiita.com/mistletoe http://note.com/themistletoe

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各ページのテキスト
1.

XP祭り2026 ・ 2026.09.05 生成AI全盛の時代に、 ぼくらはなにをつくるべきか 〜生成AIと785kトークン議論して、事業アイデアがボツになるまで〜 もっくま @mot0aki

2.

「次に、なにをつくるべきか?」 これを生成AIと本気で考えて、そして失敗したお話です。

3.

CONCLUSION 今日の結論

4.

「なにをつくるべきか」を、 ぼくらは ひらめかなければならない

5.

「ひらめき」に、 なにが必要か?

6.

それは

8.

以上

9.

自己紹介 もっくま Motoaki Tanaka ・ @mot0aki ▸ 株式会社レッドジャーニー ソフトウェアエンジニア アジャイル開発推進 新規プロダクト開発・プロダクトマネジメント 生成AI開発・導入支援 AIカタリスト X: @mot0aki

10.

「次に、なにをつくるべきか?」 これを生成AIと本気で考えて、そして失敗したお話です。

11.

背景 ── Pivot を迫られた PoC 中のプロダクト ユーザー検証が終わる これまでの方向性 Pivot 次のアクション、事業のその先まで練り直す PoC中のプロダクトのユーザー検証が終わって、それまでから一転、現状のプロダクトの方向性を大きく変える Pivot を迫られる状況になった

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落胆と、途方もない壁。 それでも、光明を見出していた

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光明 ── それもまた、 生成AIだったのです

14.

光明 ── 2つのキーワード KEYWORD 01 アイデアのつくり方 アイデアは、既存のアイデアの 秀逸な組み合わせでできている × KEYWORD 02 コンテキストエンジニアリング プロダクトにあふれる “コンテキスト” を 生成AIに渡せる形にする

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KEYWORD 01 アイデアのつくり方

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KEYWORD 01 “アイデアというのは これまでにあるアイデアの 秀逸な組み合わせでできている。 — ジェームス・W・ヤング『アイデアのつくり方』今井茂雄 訳、CCCメディアハウス 1988年

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KEYWORD 01 ・ アイデアのつくり方 たとえば、iPhone

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KEYWORD 01 ・ アイデアのつくり方 たとえば、Nintendo Switch

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KEYWORD 01 ・ アイデアのつくり方 組み合わせなら、生成AIの得意分野では? 数多の概念 業務の課題 既存の技術 市場の動き データ 他業界の事例 顧客の声 アイデア 規制の変化 チームの強み 組織のアセット 組み合わせは AIの得意分野 トレンド 秀逸な組み合わせ 生成AI 生成AIの能力を使って、数多の概念と結合させることで実現できるのでは?

20.

KEYWORD 02 コンテキストエンジニアリング

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KEYWORD 02 ・ コンテキストエンジニアリング プロダクトは “コンテキスト” にあふれている 会社情報 企業のアセット メンバーのスキル ビジネス環境 市場の動き プロダクト チームの状況 最高の アイデア エンジニアリング 仮説検証の結果 これまでの学び 生成AI 事業に新たな 息吹を吹き込む この “コンテキスト” をエンジニアリングすれば、最高のアイデアを発想できるのでは?

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実践① コンテキストの構造化 いまの状況(散らばっていた) キ ッ デ ン ョ シ プ インセ 仮説キャンバス 今後の事業展開ジャーニー 企業が持つアセット メンバーのスキル ト イ サ ン イ た 得 で 証 検 の で ま れ こ 構造化 context/ └会社/ 組織MVV.md ・ 事業環境.md └プロダクト/ └インセプションデッキ.md └仮説キャンバス.md └事業展開ジャーニー.md └チーム/ メンバーのスキル.md └アセット/ 企業が持つアセット.md └検証/ インサイト.md ・ 議事録/ 偶然にも Claude Fable 5 がリリースされたタイミング。その時点で利用可能な最高水準のAIモデルと協働できた 生成AI

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WHAT I ACTUALLY HANDED OVER コンテキスト構造のイメージ

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実践② AIとの壁打ち のべ 私 785k トークン オズボーンのチェックリスト 複数のサブエージェント 議論のためのAIワークフローを構築し、いくつものエージェントと協働。多角的な 視点や世情動向も加えたコンテキストと事業アイデアは、のべ785kトークンにのぼった 議論のためのAIワークフロー 生成AI

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実践した具体手法 試していたプロンプトの抜粋 PROMPT 01 / 発散の依頼 「オズボーンのチェックリストに基づいて、勝ち筋が ありそうな事業アイデアを大量に発散してほしい」 「複数のサブエージェントで、多様な価値観から 広げていって、最後に筋の良い案を提示してほしい」 PROMPT 02 / 追い込みの依頼 「このコードベースの文書を全部 読み込み、次の事業の方向性として 『これならいける』と思える案を出してほしい」 「トークンも時間も惜しまない。夜通し考え続ける 再帰的な発想サイクルを実行して、 期待を超えるアイデアを出してほしい」

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(だんだん苦しくなっていく…笑)

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結果

28.

失敗…

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できたこと アイデアは出せた 協業先の発掘 事業展開の設計 足元の プロダクトアイデア 発展させるべき 方向性 そこそこ筋の良さそうなアイデアは、実際にいくつも出てきた 生成AIのアイデア発散と収束そのものは機能していた。出力がひどかったという話ではない。

30.

できなかったこと 問題は天井だった しびれるような、Betできるアイデア 天井 = ビジネスオーナーや私が想定しうる領域 AIが広げた探索範囲 すでに自力で思いつく、あるいはビジネスオーナーが持っていた視点ばかりだった どれだけ発散させても、天井をぶち破ることはできなかった

31.

LEARNINGS ここで学んだ仮説

32.

学んだ仮説は2つ 1 組み合わせだけでは、血が通わない 自分の知識・経験・関心と重なって はじめて、「イケそう感」は生まれる 2 価値は、人と人との間に生まれる 机の前に座っているだけではなく、仮説を 持って誰かに会いに行くことではじめて前に進める

33.

学んだ仮説 ① 組み合わせだけでは、血が通わない

34.

学んだ仮説 ① ただ組み合わせただけでは、血の通わないアイデアになる 概念A × 概念B × 概念C つながらない 自分の知識・経験・関心 「アイデア=組み合わせ」という構造に落として発散させる、アプローチ自体の限界と感じた 組み合わせの発散だけでは、新規性も「イケる」も生まれなかった 血の通っていないアイデア

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学んだ仮説 ① 血の通うアイデアの構造 AIが得意な領域 アイデアの 組み合わせ 自分の中にある領域 血が通う =「イケそう」感 セレンディピティ 知識・経験 暗黙知 好きなもの・関心 好きなもの・関心のあることと重なり合ってこそ、セレンディピティは生まれる プロダクト開発をしているだけではダメだ。「智」を、「血」を広げよう。

36.

学んだ仮説 ② 価値は、人と人との間に生まれる

37.

学んだ仮説 ② 結局、価値は 人と人との間に生まれる いかなる課題も、いかなる機能も、課題を 解決して誰かに価値を与えることに意味がある。 机上で仮説を立てることはできても、それ以上は進めない。 これは断言できる。

38.

学んだ仮説 ② 仮説を持って、人に会いに行く 机上だけ 人に会いに行く 仮説を立てる 仮説を持つ とにかく機能をたくさんつくる 人に会う 利用者 / 類似のユーザー像 / 有識者 そこから先に進めない 価値は人と人の間に生まれる ✕ ↻ 検証・学びが次の仮説へ だれかの課題を解決したければ、その人に会う。話はそれからだ。 (結局、冒頭のプロジェクトもそちらに舵を切った)

39.

AFTERWARD あれから… 後日譚

40.

会いに行けないなら、 自分たちが当事者になる toB向けのプロダクトなので、ユーザーに容易に会えないケースもあった。

41.

プロダクトの性質を捉え直して、自分たちで確かめる 1 プロダクトの性質を捉え直す 「AIからフィードバックをもらい、より良く業務を行えるようにする」プロダクト。 ならばメタ的に「AIからフィードバックをもらって、行動変容を促せるか?」と捉え直せる 自分たちで確かめる 2 自分たちのふるまいや仕事の仕方にフィードバックをもらい、受け止められるか、行動変容までつなげられるかを確かめる プロダクトにフィードバックする 3 そこで得た体験や感じたことを、プロダクトに返していく 「人に会いに行く」が難しい現場はある。次に強いのは、自分たちを当事者にしてしまうこと

42.

その後 ・ 捉え直しという手 ドッグフーディングしにくいなら、捉え直せばいい プロダクトの機能 自分たちの日常 例:業務についてAIからフィードバックをもらう 開発・スクラム・チーム ① 体験の芯まで 抽象化する ② 同じ形の体験を 日常から探す 体験の芯 AIからフィードバックをもらい、受け止め、 実際の行動変容までつなげられるか

43.

その後 ・ 3つのTry 自分たちの日常で、3つのTryを回している AIコードレビュー ツールを作って、自分たちで使ってみる ▸ AIの指摘を、受け止められるか? スクラムイベントの見守り AIが見守るツールを 作り、イベントで使う ▸ 問いかけで、ふるまいを カイゼンできるか? スプリントレビューに参加 AIにステークホルダーと して参加してもらう ▸ より良い問いや観点をもたらせるか? どれもプロダクトのドメインには直接紐づかない。それでも、体験の芯は同じ。

44.

その後 ・ 見えてきた肌感 得意領域に引き寄せるほど、体験は深く咀嚼できる 体験の芯(AIの側) AIからフィードバックを もらい、 行動変容につなげる 自分たちの得意領域 深く 咀嚼できる 開発・スクラム チーム 学んだ仮説①と同じ構造。自分の知識・経験・関心と重なってはじめて、体験にもアイデアにも血が通う 得意領域との重ね合わせから、これまで思いつかなかったインサイトが出てきそうな肌感

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SUMMARY まとめ

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新規事業開発に限らず、 いまプロダクトをつくっているあなたも。

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もちろん生成AIは便利だし、開発を、営みを加速させることはできる。 機能は、どんどん形になっていく

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しかし、それだけでは 価値創出はできない。

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FINAL MESSAGE ぼくらが持つべきもの 血 自分の好きなことや愛が、 アイデアに「血」を通わせる 智 知 プロダクトに価値をもたらす 価値は人と人の間に生まれる。 好きを増やすために「智」を広げる 人と会って話して、その人を「知」る 生成AIは「何がつくれるか」を広げてくれる。 でも「何をつくるべきか」は、ぼくらの血・智・知から生まれる。

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ご清聴ありがとうございました もっくま / X: @mot0aki