(研修会スライド)「オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について」

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May 12, 25

スライド概要

2025年5月12日(月)白百合女子大学全学FD・SD研修会「2025年度即時オープンアクセスの義務化に向けて」で使用した講演スライドです。

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白百合女子大学基礎教育センター教員。司書・司書教諭課程担当。舞台大好き(小劇場)。

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各ページのテキスト
1.

はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について オープンアクセスと 即時オープンアクセス義務化について 今井福司 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター 2025 年 5 月 12 日 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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1 はじめに 2 オープンアクセスとは 研究者の研究成果とは 3 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 概要 研究者が行うべきこと 大学が行うべきこと 4 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 大学図書館が行うべきこと ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 1 はじめに 2 オープンアクセスとは 研究者の研究成果とは 3 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 概要 研究者が行うべきこと 大学が行うべきこと 4 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 大学図書館が行うべきこと ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 概略 本日の要点 1. 学術研究成果を無料でオンライン利用できるようにする 「オープンアクセス」の動きが、全世界で広まりつつある (研究費の適切利用、研究成果の公開促進)。 2. 内閣府の方針で “公的資金を得た研究成果について、論文等 の研究成果を出版と同時にインターネット上で OA とし、 誰からも無償でアクセス、再利用可能とする”こととなった。 3. 図書館に限らない大学組織全体としての対応が必要であり、 機関リポジトリへの情報の搭載をはじめとして、全学で取 り組むべき事項が複数見られる。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研修を受けるメリット オープンアクセスの認識を行う必要性 教員: 科研費による研究では必ず関わる(研究分担者であっ ても対応の必要がある)。また指導院生へ伝える必要 が生じる内容でもある。 職員: 今後配置された部署で、科研費を取り扱う場合には把 握が必要である。また今後の動きによっては、類似す る取り組みに全学として関わる必要がある(補助金付 与の要件となるなど)。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研修を受けるメリット オープンアクセスの認識を全員が行う必要性 これまで: 1)関心のある方が、2) 自分の関心に応じて、 3) 自分でできる範囲で担当する。 これから: 1) 公的な研究費に関わる全員が、2) 必須事項として、 3) 大学全体で対応する。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 1 はじめに 2 オープンアクセスとは 研究者の研究成果とは 3 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 概要 研究者が行うべきこと 大学が行うべきこと 4 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 大学図書館が行うべきこと ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 研究領域ごとの成果発表や業績とは?(1) 研究者の専門性を担保するのは研究分野での成果や業績で ある。 もちろん、教育業績やその他、社会での現職経験なども考慮され ることは増えているが… ただ勉強しているだけでは、研究していることの証明には ならない。 そのため、何らかの成果発表や業績が求められる。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 研究領域ごとの成果発表や業績とは?(2) 科学技術・医学・生命科学、情報科学領域: priority(優先 権、先取権)の確保が何よりも重要とされる。世界で最初 に発見したことが重要視される。 国際会議での発表(査読付き)や、査読付きの論文での研究業績 が重要視され、昇進の際の検討材料とされる。 人文社会科学領域: 他の研究者よりも先に発見することは重 要ではある一方で、蓄積された研究成果を、解釈し直して 発表されたものが重要な研究となることは数多くある。 査読付き論文が重要視されるが、書籍特に単著を発行できること が重要視される分野もある。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 研究領域ごとの成果発表や業績とは?(3) 講演者の所属する図書館情報学はフィールドの学問である ため、様々な学問領域を背景に持っている研究者がいる。 そのため、同じ学会の懇談会で雑談をすると、ある研究者は国際 会議の準備を進めている一方で、ある研究者は単著の校正を熱心 に進めているという答えが返ってきたりする。 理系だと特定の引用データベースにリストされている雑誌に 掲載されなければ業績カウントしないということが起こる。 文系は、もちろん学術誌の序列はあれども、比較的柔軟で あることが多いと思われる。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 研究者の研究成果と査読付き論文 査読付きの論文が一般的には重要な研究業績とされやすい。 査読とは “学術誌に投稿された論文を、専門家である査読者 が客観的な立場から検証し、掲載の可否を判断する” こと。 査読付きの学術誌の方が、査読なしよりも評価が高くする 場合が多い。また分野によっては同じ査読付き雑誌でも、 日本語の査読誌よりも英語の査読誌、または Impact Factor (IF)が上位の学術誌への掲載が重要とされる。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

12.

はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは Impact Factor とは? 引用頻度を用いて、文献群の重要度や影響力を測定する ための尺度の一つ.引用影響度、影響力係数ともいう。 文献群としては、1 雑誌の掲載論文、1 著者の執筆論文 などが用いられる。 参考:中西印刷株式会社の解説記事 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 学術誌のコスト負担と商業出版社 学術誌の発行には運営コストがかかる。 小規模であれば、ボランタリーで間に合う場合もあるが、 大規模学会の場合は商業出版社が学術誌の権利を保持する 代わりにその運営を肩代わりするケースが多い。 商業出版社は、学会誌の購読料金や論文の投稿者から投稿 料を集めるなどして、運営に関わるコストを支出しながら、 営利企業として必要な利益を得ている。 (学会の会費の一部を発行費に充て、学会誌の売り上げを 学会運営費に充てるケースも少なくない) ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 学術誌の高額化とペイウォール 研究者のキャリア形成のため、IF 上位の雑誌へ論文が掲載 されることは重要であり、それに伴って IF 上位の雑誌には 多数の論文が投稿される状況が生まれている。 学術誌の購読料金は年々上がっており、たった 1 誌の購読で も 400 万円オーバーの学術誌もある。 当然ながら、購読している機関に所属していない人は論文 の中身にアクセスすることができない(ペイウォール)。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 現在生じている問題 特に理系分野は一流の研究を続けるためには、定評のある 学術誌に査読論文が掲載され続ける必要がある。 論文誌によっては投稿料金を設定しているところもあり、予算が ないと成果発表もできない。 公的資金を投入した補助金で研究しているのにも関わらず、 市民が誰でも研究成果にアクセスできない。 コロナ禍の時には、必要とされるライフサイエンス分野の文献へ のアクセスが限られていることが問題となった。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者の研究成果とは 詳細な話題について オープンサイエンス分野の話題としては、他にも多数の話 題がある。 欧州中心の研究助成機関のコンソーシアムによるプラン S の取り 組み オープンアクセスのパターン(グリーン、ゴールド) arXiv をはじめとするオープンアクセスの自主的な取り組み ビッグディール(学術誌のサブスクリプション契約)の問題 これらは、次回以降に取り上げたい。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 1 はじめに 2 オープンアクセスとは 研究者の研究成果とは 3 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 概要 研究者が行うべきこと 大学が行うべきこと 4 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 大学図書館が行うべきこと ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 概要 内閣府の研究 DX の取り組み アメリカの科学技術政策局が即時オープンアクセス方針を 発表したことを受けての動きだと思われる。 研究DX(デジタル・トランスフォーメーション)−オープ ンサイエンス:学術論文等のオープンアクセス化の推進、公 的資金による研究データの管理・利活用など− https://www8.cao.go.jp/cstp/kenkyudx.html 特に説明会資料などは概要を理解する上では有用である。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 概要 内閣府が定めた基本方針 2024 年 8 月 27 日、28 日に「学術論文等の即時オープンア クセスの実現に向けた基本方針」の実施にあたっての具体 的方策に係る説明会が開かれた。 以下の資料は都度参照してほしい。(ファイル名をクリック すると PDF が開く) 1. 学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針 2. 学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針の実 施にあたっての具体的方策 改正案 3. 学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針、具 体的方策に関する FAQ ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 概要 目的 1. 公的資金によって生み出された研究成果を広く国民に還元 するとともに、その共有・公開を通じて自由な利活用を図 り、科学技術、イノベーションの創出及び地球規模課題の解 決に貢献すること。 2. 大学及び大学共同利用機関における利用可能な雑誌数や論 文発表数を減らすことなく、かつ、研究活動に負の影響を 与えることなく、我が国全体での購読料及びオープンアク セス掲載公開料を含む経済的負担を適正化すること。 3. 我が国の研究力を踏まえた世界に対する研究成果の発信力 の向上を図ること。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 研究者が行うべきこと 公的研究費を得た研究者が行うべきこと 学術論文は “即時に機関リポジトリ等の情報基盤への掲載” を義務づけられる。 学術誌の発行体がオープンアクセスへの対応ができている場合は、 その識別子を記載できれば問題ない。ただし、ファイルがウェブ公 開されているだけでは不十分である(NII RDC 上で学術論文及び 根拠データを検索可能としなければならない)ので注意されたい。 根拠データの掲載も機関リポジトリ等への掲載が必要と なる。 なお、“掲載電子ジャーナルの執筆要領、出版規程等において、透 明性や再現性確保の観点から必要とされ、公表が求められる研究 データ” が対象。新規に公開指定されるデータはないとされている。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 大学が行うべきこと 大学が行うべきこと 機関リポジトリへの搭載体制の整備(学内のシステムと して) 研究データについては、2025 年度中にデータポリシーの整 備が必要 1 。 1 ただし、2021 年「公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方」 では、e-rad で 2025 年度中にデータポリシーの整備を求めるのは、国立大学法人、大学共同 利用機関法人及び国立研究開発法人が該当するともされている。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 1 はじめに 2 オープンアクセスとは 研究者の研究成果とは 3 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 概要 研究者が行うべきこと 大学が行うべきこと 4 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 大学図書館が行うべきこと ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 教員が行うべきこと (公的助成金を使う場合)成果発表の前に投稿する査読付 き雑誌の規程を再確認しておく。 所属する領域の学術誌がオープンアクセスへの対応ができていな い場合、早めの対応を行う。 OA 不可の場合は、各年度の実績報告の際に、当該学術論文 及び根拠データの即時 OA の実施が困難な理由を報告する必 要がある。 ただし、理由を報告したからといって永久に OA にしなくて良い とはならないのでは?→博士論文の本文公開と同じ扱いになる? 大学院生に対する教育、指導 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 個々の教職員が行うべきこと 職員が知っておくべきこと 文系大学には必要ないと思われる対応が全分野に求められ ているようになってきていることを認識する。 研究者へのフォローを含めて、学内申請時のスケジューリ ングにおいては、十分注意したい。 情報のアップデートは欠かさず行いたい 2 。 大学の制度が整っているかが、今後補助金の要件として含まれて くるかもしれない点には十分に注意したい。 2 ex. 国立国会図書館カレントアウェアネスポータル 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について 大学図書館が行うべきこと 図書館との関係 即時 OA への対応のため、機関リポジトリを運営する図書館 が重要となってくる。 現時点での対応について、このあと説明があるので、そち らも合わせて確認していただきたい。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について おわりに 主要参考文献(1) 1. 船守美穂. 動向レビュー:即時オープンアクセスを巡る動向:グリーン OA を通じた即時 OA と権利保持戦略を中心に. カレントアウェアネス. 2023, (358), CA2055, p. 15-23. 2. 林和弘. オープンアクセスをめぐる動向と SPARC Japan の具体的な取 組について. https://www.nii.ac.jp/event/upload/libfair2019_forum2_2.pdf (最終アクセス日: 2025-04-29) 3. 佐藤翔. E1360 – ブダペストオープンアクセス運動が次の 10 年に向け た提言. カレントアウェアネス-E, No.226 2012.11.15 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について おわりに 主要参考文献(2) 1. 佐藤翔. オープンアクセスの広がりと現在の争点, 情報管理, 2013, Vol. 56, No. 7, p. 414-424. 2. JPCOAR 広報・普及作業部会. 「学術論文等の即時オープンアクセスの 実現に向けた基本方針」って何?〜はじめてのリポジトリ担当者の疑問 〜. https://magazine.jpcoar.org/news/ 5f45c6b7-b4f8-450e-b433-a17246a04cce(最終アクセス日: 2025-04-29) ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について おわりに リンク集について 今回のテーマに関連するウェブページ等のリンク集を作り ました。適宜ご活用下さい。 https://scrapbox.io/SU2025OALecture/ ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌

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はじめに オープンアクセスとは 内閣府の即時オープンアクセス義務化について 今後の対応について おわりに 本スライドのライセンスについて このスライドは CC BY 4.0 でライセンスします。条件を 守っていただく範囲では、ご自由にお使いください。詳細 は https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ をご覧下 さい。 ‌ 今井福司 オープンアクセスと即時オープンアクセス義務化について ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ ‌ 白百合女子大学ライフ・リテラシー教育センター ‌