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May 24, 22
スライド概要
研究の質を評価する重要性 奥村泰之 一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 研究部 研究員 ⽇本認知・⾏動療法学会第40回大会 失敗しない研究計画入門: エビデンスの「質」を評価するための国際基準の理解 2014/11/2 (⽇) 16:00~18:00 富山国際会議場2階多目的会議室4
構成 バイアスへのリスク (3 min) 3つの研究評価 (2 min) ⼼理療法の研究評価 (3 min) 2
RCTの質,バイアス (真実からの乖離) の リスクで決まる バイアスの種類 判断基準 選択バイアス 乱数生成 割り付けの隠蔽化 実⾏バイアス 患者と治療者の盲検化 検出バイアス 評価者の盲検化 欠測バイアス アウトカム測定の完全性 報告バイアス 事前設定したアウトカム報告 Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventions (http://www.cochrane.org/handbook) 3
選択バイアスによる過大評価,乱数生成 の不備11%,割り付けの隠蔽化の不備7% 乱乱乱乱 : 不不不 /不不 (832試試 ) vs. 不不 (112試試 ) 0.89 (0.82,0.96) 隠隠隠 : 不不不 /不不 (916試試 ) vs. 不不 (376試試 ) 0.93 (0.87,0.99) 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 Ratio of Odds Ratio Savović J et al: Ann Intern Med. 2012 Sep 18;157(6):429-38. 4
検出バイアスによる過大評価, 評価者盲検の不備36% 評評評評評 : 不不不 vs. 不不 (21試試 ) 0.64 (0.43,0.96) 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 Ratio of Odds Ratio Hróbjartsson A et al: BMJ. 2012 Feb 27;344:e1119. 5
事前 vs 事後の主要評価項目の齟齬,14~49% [1] 循循循/リリリリ/消隠循 (147試試) 31.3 [2] がが (134試試) 14.2 [3] 手手 (152試試) 49.3 [4] 手手 (108試試) 29.6 0 10 20 30 40 50 改ざが率 (%) [1] Mathieu S et al: JAMA. 2009 Sep 2;302(9):977-84 [2] You B et al: J Clin Oncol. 2012 Jan 10;30(2):210-6 [3] Hannink G et al: Ann Surg. 2013 May;257(5):818-23 [4] Killeen S et al: Ann Surg. 2014 Jan;259(1):193-6 6
評価項目の選択は有意性の追求,83~92% [1] 循循循/リリリリ/消隠循 (23試試) 82.6 [4] 手手 (24試試) 91.7 0 20 40 60 80 100 有有な評評評評を選選選選選 (%) [1] Mathieu S et al: JAMA. 2009 Sep 2;302(9):977-84 [4] Killeen S et al: Ann Surg. 2014 Jan;259(1):193-6 7
構成 バイアスへのリスク (3 min) 3つの研究評価 (2 min) ⼼理療法の研究評価 (3 min) 8
3つの研究評価 バイアスへのリスク risk of bias 研究法の質 methodological quality 研究報告の質 reporting quality 9
3つの研究評価の違い バイアスへのリスク, 研究計画と論⽂吟味の必須事項 特徴 定義 評価法 計画 吟味 執筆 △ バイアスへの 効果の過大/過小評価 コクラン共同計 リスク に影響しうる要因 画/GRADE/ RoBANS/RoBiNT など △ 研究法の質 可能である最善な方 ⼼理療法の質尺 法の実施程度 度など ◎ ◎ ◎ ◎ 研究報告の質 報告すべき最小限の CONSORT声明 /STROBE声明な 情報の記載程度 ど △ △ ◎ 10
構成 バイアスへのリスク (3 min) 3つの研究評価 (2 min) ⼼理療法の研究評価 (3 min) 11
うつ病への認知⾏動療法,120のRCT, 研究法の質,徐々に改善 Thoma NC et al: Am J Psychiatry. 2012 Jan;169(1):22-30. 12
うつ病への⼼理療法,135のRCT, 高いバイアスへのリスク 基準 乱数生成 割り付けの隠蔽化 評価者の盲検化 BT CBT 3rd HU IN × △ △ × △ PD × × △ △ × × × △ △ ○ × △ × × × × × × × 事前設定したアウトカム報告 遵守率: × < 20%; △ 20~50%; ○ 50~100% BT = ⾏動療法; CBT = 認知⾏動療法; 3rd = マインドフルネス; HU = 人間性主義; IN =統合的⼼理療; PD =⼒動的⼼理療法 Chen P et al: J Affect Disord. 2014 Aug;165:190-5. 13
Take Home Messages 3つの研究評価,研究計画から報告まで, 研究の価値を高める バイアスへのリスクの評価, 研究成果の臨床への活用 失敗しない研究計画 の前提条件 14