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November 17, 18
スライド概要
平成30年度東京都人権プラザ図書資料室事業(第2回)の講演スライドです。
1977年茨城県生まれ|皇學館大学文学部国文学科准教授・図書館司書課程|つくば→スロベニア→伊勢|図書館情報学(文学館・文学散歩・文学アーカイブ・ウィキペディアタウン・学生協働・読書会)|ビブリオバトル普及委員会代表理事(二代目)済|知的資源イニシアティブLibrary of the Year選考委員長|伊勢河崎一箱古本市
平成30年度 東京都⼈権プラザ図書資料室事業 ⼈権の専⾨図書室の楽しみ⽅ ―⼈権ライブラリーは私たちに何を伝えているのか― 平成30年11⽉17⽇(⼟) 東京都⼈権プラザ1階 セミナールーム 皇學館⼤学⽂学部国⽂学科 准教授 岡野 裕⾏
1. ⾃⼰紹介 ●1977年 ●2000年 ●2003年 ●2006年 ●2011年 ●2013年 ●2015年 茨城県⽣まれ 図書館情報⼤学図書館情報学部図書館情報学科 卒業 図書館情報⼤学⼤学院情報メディア研究科 情報メディア専攻博⼠前期課程 修了 筑波⼤学⼤学院図書館情報メディア研究科 図書館情報メディア専攻博⼠後期課程 修了 博⼠(学術) スロヴェニア共和国リュブリャナ⼤学⽂学部 アジア・アフリカ研究科⽇本研究講座 専任講師(〜2007年) 皇學館⼤学⽂学部国⽂学科 助教(図書館司書課程担当) ビブリオバトル普及委員会 普及委員 ビブリオバトル普及委員会 理事 兼 東海地区代表 皇學館⼤学⽂学部国⽂学科 准教授 ビブリオバトル普及委員会 代表理事
2. 図書館の種類 図書館の仲間たち(館種) ①国会図書館 ●⽇本においては「国⽴国会図書館」が該当する。 ②公共図書館 ●地⽅公共団体が設置・運営する公⽴図書館と、⺠間団体や個⼈が 設⽴・運営する私⽴図書館がある。 ③⼤学図書館 ④学校図書館 ⑤専⾨図書館 ●収集する資料の主題や形態、図書館の設⽴⽬的や利⽤者の⾯で、 専⾨分野が限定されている図書館のこと。 ●⺠間企業、各種団体、官庁、地⽅議会、⼤学、調査研究機関等が 設置する図書館が該当する。
2. 図書館の種類 専⾨図書館の特徴 ①専⾨図書館は情報サービスを主たる⽬的としている。 ●⽇本では⼀般に⼩規模な資料室が多く、たくさんの資料を抱える ことはできないが、情報要求の密度は⾼い傾向にある。 ②利⽤者はある程度限定されてしまうが、特定の主題に 関しての情報を深く知ることができる。 ●資料利⽤や情報収集のために、他館との相互協⼒が⽋かせない。
2. 図書館の種類 専⾨図書館協議会 https://jsla.or.jp/
2. 図書館の種類 専⾨図書館協議会の会員名簿 https://jsla.or.jp/about_jsla/supporting-member/
2. 図書館の種類 公益財団法⼈味の素⾷の⽂化センター 「⾷の⽂化ライブラリー」 https://www.syokubunka.or.jp/library/
2. 図書館の種類 公益財団法⼈⽇本交通公社「旅の図書館」 https://www.jtb.or.jp/library/
2. 図書館の種類 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センター 「東京都⼈権プラザ」 https://www.tokyo-hrp.jp/
3. 東京都⼈権啓発センターについて 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センターの沿⾰ ①発⾜の経緯 ●1971(昭和46)年4⽉:同和対策事業特別措置法の制定 ●1971(昭和46)年4⽉:財団法⼈東京都同和事業促進協会の設⽴ ●1972(昭和47)年7⽉:東京都が東京都産業労働会館を設置 ●1998(平成10)年7⽉:財団法⼈東京都⼈権啓発センターの発⾜ ●2002(平成14)年1⽉:東京都が東京都⼈権プラザを設置 ●2011(平成23)年4⽉:公益財団法⼈へ移⾏ ②設⽴の⽬的 ●同和問題をはじめとする⼈権問題の解決に資するため、 ⼈権に関する教育・啓発及び⼈権の擁護等の事業を実施し、 都⺠の⼈権意識の⾼揚を図る。
3. 東京都⼈権啓発センターについて 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センターの沿⾰ ③東京都同和事業促進協会の主な事業内容(1971年〜) ●産業振興資⾦の貸付 ●⽣業資⾦の貸付 ●不良住宅改修資⾦の助成 ●労働衛⽣環境改善に対する助成 ●レクリエーション事業 ④東京都⼈権啓発センターの主な事業内容(1998年〜) ●普及啓発に関する事業 ●講演・講座・研修等及び相談に関する事業 ●情報収集・提供、調査研究に関する事業 ●出版物等の発⾏に関する事業 ●東京都及び区市町村等の⾏う⼈権に関する教育・啓発に関する事業の受託 ●⼈権啓発関係施設の管理運営の受託 ●その他法⼈の⽬的を達成するために必要な事業
3. 東京都⼈権啓発センターについて 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センターの活動
3. 東京都⼈権啓発センターについて 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センターの活動
3. 東京都⼈権啓発センターについて 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センターの活動
3. 東京都⼈権啓発センターについて 公益財団法⼈東京都⼈権啓発センターの活動
4. 分類法・件名法とは何か 分類法と件名法の特徴 ①分類法とは、主題ごとに本を分けるための⼿法のことで、 数字や記号を⽤いて主題が表現される。 ●あらゆる知識を、哲学・宗教(1類)、歴史・地理(2類)、 社会科学(3類)、⾃然科学(4類)、技術(5類)、 産業(6類)、芸術(7類)、⾔語(8類)、⽂学(9類)、 および総記(0類)の10種類に⼤別して考えていく。 ●⽇本では、⽇本独⾃の⽂化や事情を考慮した『⽇本⼗進分類法』が 標準的な分類法として活⽤されている。 ②件名法とは、⾔葉を⽤いて本の主題を表現する⼿法のこと。 ●主題となるキーワードから本を探す際に⽤いる。
4. 分類法・件名法とは何か ⽇本⼗進分類法の主題⼀覧の例 0 総記 1 2 3 4 5 6 7 8 9 哲学.宗教 歴史.地理 社会科学 ⾃然科学 技術、⼯学 産業 芸術.美術 ⾔語 ⽂学 30 社会科学 31 政治 32 法律 33 経済 34 財政 35 統計 36 社会 37 教育 38 ⾵俗習慣、⺠俗学 ⺠族学 39 国防、軍事 360 社会 361 社会学 362 社会史、社会体制 363 364 社会保障 365 ⽣活・消費者問題 366 労働経済、労働問題 367 家族問題、男性・⼥性問題 ⽼⼈問題 368 社会病理 369 社会福祉
4. 分類法・件名法とは何か 分類法・件名法の改訂 図書館が主題をどのように認識していたのかの変化を知る。 ①分類法 ●『⽇本⼗進分類法(第6版)』(1950年) ●『⽇本⼗進分類法(第7版)』(1961年) ●『⽇本⼗進分類法(第8版)』(1978年) ●『⽇本⼗進分類法(第9版)』(1995年) ●『⽇本⼗進分類法(第10版)』(2014年) ②件名法 ●『基本件名標⽬表(第1版)』(1956年) ●『基本件名標⽬表(改訂版)』(1971年) ●『基本件名標⽬表(第3版)』(1983年) ●『基本件名標⽬表(第4版)』(1999年)
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 『⽇本⼗進分類法(第6版)』(1950年) ●国家と個⼈、⼈権、⼈権宣⾔、出版、⾔論の⾃由、 ⼈権擁護運動
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 『⽇本⼗進分類法(第7版)』(1961年) ●国家と個⼈、⼈権、⾃由と平等
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 『⽇本⼗進分類法(第8版)』(1978年) ●国家と個⼈、基本的⼈権、⾃由と平等、思想・信教の⾃由、 ⾔論・出版の⾃由、集会・結社の⾃由
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 『⽇本⼗進分類法(第9版)』(1995年) ●国家と個⼈、基本的⼈権、⾃由と平等、知る権利、プライバシー、 思想・信教の⾃由、⾔論・出版の⾃由、集会・結社の⾃由
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 『⽇本⼗進分類法(第10版)』(2014年) ●国家と個⼈、基本的⼈権、⾃由と平等、知る権利、プライバシー、 思想・信教の⾃由、⾔論・出版の⾃由、集会・結社の⾃由
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 分類法に記された「⼈権」に関係する⾔葉 版 出版年 項⽬名 第6版 1950年 国家と個⼈、⼈権、⼈権宣⾔、出版、⾔論の⾃由、⼈権擁護運動 第7版 1961年 国家と個⼈、⼈権、⾃由と平等 第8版 1978年 第9版 1995年 第10版 2014年 国家と個⼈、基本的⼈権、⾃由と平等、思想・信教の⾃由、 ⾔論・出版の⾃由、集会・結社の⾃由 国家と個⼈、基本的⼈権、⾃由と平等、知る権利、プライバシー、 思想・信教の⾃由、⾔論・出版の⾃由、集会・結社の⾃由 国家と個⼈、基本的⼈権、⾃由と平等、知る権利、プライバシー、 思想・信教の⾃由、⾔論・出版の⾃由、集会・結社の⾃由
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 分類法の変遷からわかること ①図書館の分類法の世界では、「⼈権」という主題は 「社会科学」のなかの「政治」に分類されている。 ②図書館においては、⼀貫して「政治」や「国家と個⼈」の 問題として認識されている。
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか ①『基本件名標⽬表(第1版)』(1956年) ●⼈権、基本的⼈権、参政権、⾃由、憲法
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか ②『基本件名標⽬表(改訂版)』(1971年) ●⼈権、基本的⼈権、国家と個⼈、⾃由、憲法
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか ③『基本件名標⽬表(第3版)』(1983年) ●⼈権、基本的⼈権、国家と個⼈、⾃由、憲法
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか ④『基本件名標⽬表(第4版)』(1999年) ●⼈権、基本的⼈権、憲法、公⺠権、国際⼈権規約(1966)、差別、 児童虐待、⾃由、肖像権、⼈権擁護、⽣存権、平等、国家と個⼈
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 件名法に記された「⼈権」に関係する⾔葉 版 出版年 項⽬名 第1版 1956年 ⼈権、基本的⼈権、参政権、⾃由、憲法 改訂版 1971年 ⼈権、基本的⼈権、国家と個⼈、⾃由、憲法 第3版 1983年 ⼈権、基本的⼈権、国家と個⼈、⾃由、憲法 ⼈権、基本的⼈権、憲法、公⺠権、 第4版 1999年 国際⼈権規約(1966)、差別、児童虐待、⾃由、 肖像権、⼈権擁護、⽣存権、平等、国家と個⼈
5. 図書館は「⼈権」をどう認識してきたのか 「⼈権」という主題を件名表から考える ①基本的には「基本的⼈権」の意味で⽤いられていた。 ●当初は「参政権」などのように、国家と個⼈との関係のなかで、 政治に参加する権利という⾔葉にも関連づけられていた。 ②改訂作業が進むなかで、「児童虐待」「肖像権」「⽣存権」 などのキーワードが加わるようになった。 ●個⼈の⼈格的利益を保護したり、健康で⽂化的な最低限度の ⽣活を営む権利などにも関係する⽤語として位置づけられる ようになった。
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ①『⽇本⼗進分類法(第6版)』(1950年) ●該当項⽬なし
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ②『⽇本⼗進分類法(第7版)』(1961年) ●部落問題、部落解放(⽔平社運動)、同和問題、 ⺠間地域団体(部落会・町内会)、同和教育・純潔教育(性教育)
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ③『⽇本⼗進分類法(第8版)』(1978年) ●住⺠運動、⺠間⾃治組織(部落会、町内会)、 同和問題(部落解放)、同和教育
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ④『⽇本⼗進分類法(第9版)』(1995年) ●住⺠運動、⺠間⾃治組織(地区会、町内会)、 同和問題(部落解放)、同和教育
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ⑤『⽇本⼗進分類法(第10版)』(2014年) ●住⺠運動、 ⺠間⾃治組織(地区会、町内会)、 同和問題(部落解放)、同和教育
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか 分類法に記された「部落」「同和」に関係する⾔葉 版 出版年 第6版 1950年 第7版 1961年 第8版 1978年 第9版 1995年 第10版 2014年 項⽬名 該当項⽬なし ※後の改訂につながる「市町村⾏政(隣組・町内会)」は掲載されている。 部落問題、部落解放(⽔平社運動)、同和問題、 ⺠間地域団体(部落会・町内会)、同和教育・純潔教育(性教育) 住⺠運動、⺠間⾃治組織(部落会・町内会)、 同和問題(部落解放)、同和教育 住⺠運動、⺠間⾃治組織(地区会・町内会)、 同和問題(部落解放)、同和教育 住⺠運動、⺠間⾃治組織(地区会・町内会)、 同和問題(部落解放)、同和教育
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ①『基本件名標⽬表(第1版)』(1956年) ●該当項⽬なし
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ②『基本件名標⽬表(改訂版)』(1971年) ●部落問題、同和問題、同和教育、社会問題
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ③『基本件名標⽬表(第3版)』(1983年) ●部落問題、同和問題、同和教育、社会問題
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか ④『基本件名標⽬表(第4版)』(1999年) ●部落問題、同和問題、同和教育、社会問題
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか 件名法に記された「部落」「同和」に関係する⾔葉 版 出版年 項⽬名 第1版 1956年 該当項⽬なし 改訂版 1971年 部落問題、同和問題、同和教育、社会問題 第3版 1983年 部落問題、同和問題、同和教育、社会問題 第4版 1999年 部落問題、同和問題、同和教育、社会問題
6. 図書館は「部落」「同和」をどう認識してきたのか 件名法に記された「部落」「同和」に関係する⾔葉 ①1950年代は、「部落」「同和」という⾔葉についての ⾔及はなかった。 ②1960〜1970年代は、「同和教育・純潔教育(性教育)」と いう表現がされていたように、「性教育」と⼀緒にされる ことで、「教育」の問題として捉えられるようになった。 ●教育の問題としては認識されていたが、単独の項⽬とされる ほどには注⽬されていなかったと思われる。 ③「⽔平社運動」は1960〜1970年代に取り上げられたが、 その後は「同和問題(部落解放)」という⽤語に吸収された。 ④1950年代の「隣組」、1960〜1980年代の「部落会」という ⾔葉は、1990年代以降は「地区会」へと変わっていった。
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 東京都⼈権プラザ 図書資料室分類記号表
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 東京都⼈権プラザ図書資料室分類記号表 ①総記 ●⼈権以外のもの ●辞書辞典類 ●⼀般書籍 ②⼈権⼀般 ●⼈権に関わるもの ③男⼥平等 ●性別による差別 ④⼦ども ⑤⾼齢者 ⑩ハンセン病 ⑥障がい者 ⑪HIV/AIDS ⑦同和 ●性感染症予防 ●被差別部落 ⑫犯罪被害者やその家族 ⑧アイヌの⼈々 ⑬刑を終えて出所した⼈ ⑨外国⼈ ●在⽇ ●ニューカマー ●移住労働者 ●難⺠ ●犯罪者 ●未決囚 ●既決囚 ●服役囚 ●受刑者
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 東京都⼈権プラザ図書資料室分類記号表 ⑭性同⼀性障害 ⑰プライバシーの侵害や名誉毀損 ●性⾃認の違いによる差別 ●個⼈情報の保護 ●トランスジェンダー ●ネチケット ⑮性的指向 ●性的指向の違いによる差別 ●ゲイ ●ネット問題 ●メディアリテラシー ⑱親⼦関係、国籍 ●レズビアン ●国際結婚 ●バイセクシュアル ●国籍取得の問題 ●同性愛者 ●無国籍問題 ●両性愛者 ●代理⺟出産 ⑯路上⽣活者 ⑲拉致問題 ●脱北者
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 東京都⼈権プラザが⽰す主題と分類① 東京都⼈権プラザの掲げる主題 『⽇本⼗進分類法』の分類記号とその主題 1 総記(000) 000 総記 2 ⼈権全般(316.1) 316 国家と個⼈・宗教・⺠族 3 男⼥平等(367.1) 367 家族問題.男性・⼥性問題.⽼⼈問題 4 ⼦ども(367.6) 367 家族問題.男性・⼥性問題.⽼⼈問題 5 ⾼齢者(367.6) 367 家族問題.男性・⼥性問題.⽼⼈問題 6 障がい者(369.49) 369 社会福祉 7 同和(361.86) 361 社会学 8 アイヌの⼈々(382.11) 382 ⾵俗史.⺠俗誌.⺠族誌 9 外国⼈(366.89) 366 労働経済.労働問題
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 東京都⼈権プラザが⽰す主題と分類② 東京都⼈権プラザの掲げる主題 『⽇本⼗進分類法』の分類記号とその主題 10 ハンセン病(494.83) 494 外科学 11 HIV/AIDS(493.878) 493 内科学 12 犯罪被害者やその家族(326.3) 326 刑法.刑事法 13 刑を終えて出所した⼈(368.6) 368 社会病理 14 性同⼀性障害(367.98) 367 家族問題.男性・⼥性問題.⽼⼈問題 15 性的指向(367.97) 367 家族問題.男性・⼥性問題.⽼⼈問題 16 路上⽣活者(368.2) 368 社会病理 17 プライバシーの侵害や名誉毀損 326 刑法.刑事法 (326.25) 18 親⼦関係、国籍(329.91) 329 国際法 19 拉致問題(326.24) 326 刑法.刑事法
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 ⼈権ライブラリーの主な対象領域 300 社会科学 310 政治 316 国家と個⼈・宗教・⺠族 320 法律 360 社会 326 刑法.刑事法 361 社会学 329 国際法 366 労働経済.労働問題 330 経済 367 家族問題.男性・⼥性問題.⽼⼈問題 340 財政 368 社会病理 350 統計 369 社会福祉 370 教育 371 教育学.教育思想 380 ⾵俗習慣、⺠俗学、⺠族学 382 ⾵俗史.⺠俗誌.⺠族誌 390 国防.軍事
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 ⼈権の専⾨図書館が取り組んでいること ①特定のテーマ(⼈権ライブラリーの場合は「⼈権」)に ついて関係する⾔葉を集め、利⽤者に⽰していく。 ●図書館の分類法や件名法だけでは⾒落としがちな⾔葉を、 「⼈権」に関連する⽤語として位置づけていく。 ●「⼈権問題」の当事者が納得できる⾔葉を、絶えず探している。 ●「⼈権問題」に関する⽤語を、利⽤者が理解できるような⾔葉や ⾃分事として考えられるような⾔葉へと置き換えていく。 ②活動を続けるなかで⾒出してきた主題や⽤語を、 専⾨図書館を運営するなかで恒常的に⽤いることで、 それらの⽤語そのものに社会的な⼒を備えていく。 ●⼀般化されやすい⾔葉を、より具体的な⾔葉へと置き換えていく。
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 図書館が捉えている世界 現実の世界 ⾔葉の世界 本の世界 図書館の世界 ●図書館が収集する本 ●図書館が管理する本 ●図書館が提供する本 ●利⽤者が⾒ている本棚 ●利⽤者が⼿に取れる本 所 蔵 さ れ て い な い も の 記 録 化 さ れ て い な い も の ⾔ 語 化 さ れ て い な い も の
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 図書館が捉えている世界 専⾨図書館の役割は、 特定の分野において、 ⼀般的な公共図書館が 有している主題群から はみ出てしまうような ⾔葉を獲得すること。 ⼈権ライブラリーが 関わっている世界 図書館における⼀般的な分類法 0類(総記) 5類(技術) 1類(哲学・宗教) 6類(産業) 2類(歴史・地理) 7類(芸術) 3類(社会科学) 8類(⾔語) 4類(⾃然科学) 9類(⽂学)
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 図書館が捉えている世界 現実の世界 ⾔葉の世界 本の世界 図書館の世界 専⾨図書館の役割は、 みんなが気づいていない 「⼩さな声」に⽿を傾 け、⼿を差し伸べるこ と。 所 蔵 さ れ て い な い も の 記 録 化 さ れ て い な い も の ⾔ 語 化 さ れ て い な い も の
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 ⼈権ライブラリーができること ①「⼈権とは何か」について教えてくれる。 ●⼈権問題に関するテーマにはどのようなものがあるのかについて、 具体的に⽰してくれている。 ②「⼈権」というフィルターを通して、「世界の捉え⽅」を 変えていこうとしている。 ●公共図書館的な分類法の枠組みを、新しいものへと更新していく。 ③関連する⾔葉を利⽤者に⽰している。 ●特定のテーマについて、より深めた捉え⽅を提⽰しようとしている。
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 「等」「ほか」「並列された概念」という問題 等 ほか 並列の記号 ※「公益財団法⼈ ⼈権教育啓発推進センター/⼈権ライブラリー」の公式ウェブサイトより
7. ⼈権の専⾨図書室が⾒ている世界 今後の課題 ①「等」「ほか」という認識を、どの程度まで明確にして いくことができるのか。 ●現実のできごとを⾔語化する作業を、どこまで進めていくことが できるのか。 ●現実に起こっている事象に、しっかりと寄り添っていくことが できているのか。 ②並列されている概念同⼠の関係を⾒直してみる。 ●同じような概念と異なる概念を、⾒極めることができているのか。 ●個々の概念について、それぞれを単独で考えられるようになって いるのか。
8. ⼈権の専⾨図書室を楽しむには ⼈権の専⾨図書室が気づかせてくれること ①「⼈権」の歴史を知ること、過去を知ること。 ②「⼈権」という概念の対象領域を知ること。 ●現在に⽣きる私たちは、⾝の回りの世界をどのように認識して いるのかを学ぶ。 ●「⼈権」の意味する範囲をいかにして広げていくかのヒントを得る。 ③⾃分があたり前と思っている⽣活を⾒直すこと。 ●⾃分の暮らし⽅を⾒直す。 ●⾃分の⾝の回りに暮らしている⼈たちへの関⼼を持つ。 ④私たちの未来を描きだすための場であること。 ●過去を乗り越えながら、みんなでより良い未来を想像する。 ●未来について語り合う場を、みんなでつくり上げる。