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August 26, 19
スライド概要
このスライドはCEDEC2019のセッション
The graphic of “プロ野球スピリッツ2019” for PS4
では紹介しきれなかった、以下の拘り表現についての補足資料となります。
・ボリューム雲と曇り
・残像とチラつきを抑えたTAA
株式会社ヘキサドライブの資料共有用アカウントです。 公式ブログ:https://hexadrive.jp/hexablog/ note :https://note.com/hexadrive
曇りとTAAへのアプローチ 株式会社ヘキサドライブ 開発部 山口裕也
はじめに このスライドはCEDEC2019のセッション The graphic of “プロ野球スピリッツ2019” for PS4 ~PS4で最大16灯影付きライティング+フルHD(or 4K)+60FPS+HDR を実現するまで~ では紹介しきれなかった拘り表現についての補足資料となります
アウトライン ボリューム雲と曇り 残像とチラつきを抑えたTAA
ボリューム雲と曇り 季節感を感じさせる様々なパターンの雲に加えて リアルタイムに変化するライティングに追従する表現を模索した結果 ボリューム雲の手法を採用 春 夏 秋
ボリューム雲と曇り この手法を採用した事で”雲の影”を容易に実現できるようになった 仕組みは簡単で影を作りたい範囲から太陽方向に レイトレースをして雲の密度だけを記録する
ボリューム雲と曇り 約200㎡を64x64ピクセルに格納 計算精度は低くても良く滑らかな変化を実現する為、 毎フレーム10%でブレンド
ボリューム雲と曇り このテクスチャに係数を掛けた上で ディレクショナルライトをマスクする事で雲の影を表現 曇りの日のライトの強度は全て雲影だけで表現 さらにマスクの強度に応じてディレクショナルライトの影を ジッタリングする事で少しだけ影が分散する表現を追加
ボリューム雲と曇り メリット 処理負荷が非常に低い 課題 もっと広い地形には対策が必要
残像とチラつきを抑えたTAA TAAで時々問題となる現象 チラつき 残像 境界線が眠くなる
残像とチラつきを抑えたTAA チラつきは 例えば模様の入った階段を 遠くからほぼ水平に近い角度で 見た場合に TAAのジッタリングが数フレームに 1フレームだけ模様部分が描画され 近接カラーのクランプによって 輪郭ががたついて見える
残像とチラつきを抑えたTAA 残像は がたつきを抑える為に、 フレームのブレンド強度を弱めたり、 周辺カラーでのクランプを弱めることで、 リプロジェクションしたエラーピクセルによって発生する
残像とチラつきを抑えたTAA 境界線の眠気も同様に 新規フレームのブレンド強度を弱める事で ピクセルがサブフレームを保持しすぎることで発生
残像とチラつきを抑えたTAA つまり、チラつきが極力発生しない様に出来れば 残像やシャープさも改善されるハズ
残像とチラつきを抑えたTAA アプローチ 数フレームに一度、大きく輝度が異なるピクセルが現れるのが原因ならば そのピクセルが現れる頻度を上げれば良い
残像とチラつきを抑えたTAA アプローチ サブピクセルのジッタリングをEQAAを使って 2x2ピクセル内で異なる方向にずらせば 高確率で近接ピクセルに高輝度差のピクセルが存在するようになる
残像とチラつきを抑えたTAA アプローチ そのままTAAで合成しただけではノイズ感が目立ってしまう為 合成前にFXAAを周辺9ピクセルを使用して弱く掛ける うっすらとノイズ感が残るものの狙い通りの結果
残像とチラつきを抑えたTAA チラつきが改善出来たことで、 エラーピクセルのクランプおよび 新規フレームのブレンド強度を強化 結果、残像およびチラつきの改善に成功
残像とチラつきを抑えたTAA 問題点 最終的にディザアニメーションによる半透明表現部分だけ チラつきを抑えることが出来なかった これはディザアニメーションが参照元のα値に合わせて、 カバーするピクセルパターンが大きく変わる事が原因で、 ディザパターンを2パターンだけにする事で緩和は出来るが、 半透明感が薄れてしまう
総括 既存の技術でも表現したい手法に合わせて 少しカスタマイズする事で新しい表現になる
謝辞 本スライドの公開に辺り 株式会社コナミデジタルエンタテインメント様 他各種関係者様には多大なご協力を頂きました、 この場を借りて御礼申し上げます。