2.4K Views
May 31, 25
スライド概要
Open Source Conference 2025 Nagoya 第4会議室(4F)13:00~13:45 「技術同人誌を書こう」の内容です
技術書同人誌博覧会(技書博)は、技術に関する同人誌の即売会です。ITの他に、理工/数学/デザイン/マネジメントなど幅広い技術を取り扱っています。エンジニアのアウトプットを応援したい&増やしたいという思いからこのイベントが生まれました。初心者にもベテランにも優しく、ゆったりと交流しながら知識を深め、仲間を作ったり成長できるような場所を目指しています。
執筆 技術同人誌を書こう OSC2025 Nagoya @gishohaku
About me ふれーむ(山田 雄一) @ditflame 技術書同人誌博覧会 / 広報・(たまに)ガイドブック 情報処理安全確保支援士(第000594号) データベーススペシャリスト、エンベデッドシステムスペシャリスト 電気通信主任技術者(伝送交換) 2
おねがい 感想をツイートする際には #osc25nagoya #技書博 をつけて いただけるとうれしいです! お寄せいただいた声は技書博のプロモーションに 使用する場合がありますのでご承知ください。 ぜひ最後まできいて、技書博に申し込んでね! 3
技術書同人誌博覧会とは 技術書(技術同人誌)オンリーの同人誌即売会イベント 4
技術書同人誌博覧会とは(2) ● 略称は「技書博(ぎしょはく)」※前回で第11回(約半年に1回) ● 2019年から開催している技術同人誌オンリーイベント ● 技術ならなんでもOK(IT/理工/数学/デザイン/マネジメント/etc..) ● 初心者にもベテランにも優しく、ゆったり交流しながら知識を深める ● エンジニアのアウトプットを応援したい&増やしたい より詳しい記事はこちら https://blog.gishohaku.dev/entry/2023/09/04/131252 5
直近の技書博について 技書博#11が横浜産易ホール マリネリアにて2025年1月25日に開催されました。 参加者属性レポート: https://blog.gishohaku.dev/entry/2025/01/29/002119 6
直近じゃない技書博について OSC2023 Nagoya&技書博8で共催もさせて頂きました (丁度2年前) 7
そもそも技書博って関東だけじゃないのよ 実はコロナ前には「技書博キャラバン」というのをしてました(名古屋でも) 8
私も執筆のルーツは技書博キャラバンから。 ● 2019年:技書博キャラバンを契機に技書博2ガイドブックに寄稿 ● 2020年:親方Projectの合同誌執筆チームに参画 なぜかどのネタが来ても 書けて校正までできてしまったので、来た合同誌プロジェクトに片っ端から 執筆兼校正として参画 すると…… 9
私、技術同人誌からプロのライターになれました ● 商業執筆実績が現在8冊になりました。 また、月刊I/O誌(工学社)でMaker系イベントレポートを中心としたイベント レポートの記事を書いています(冊子媒体なら、恐らく今、日本で一番Maker 系イベントレポートを書いている)。 ※併せて、本業もSaaS製品のテクニカルライティングが仕事になりました。 10
大事なポイント “技術同人誌” はエンジニア等が自分の推したい技術 や知識を “本” という形で共有するもの 技書博は“アウトプットを応援する” ために作られた イベントで “本を書き始める or 書き続ける人” を応 援するために作られているということ 今日お伝えしたい事は、技書博を通じて「技術書を書いて欲しい」って事! 11
技書博は執筆がはじめての方を応援しています! “技術同人誌ってどんなもの?”って気になった方は、是非ブ ースに来てみて下さい。たくさん展示をしています。 “技術書を書いてみたくなった”方は、是非ブースに来てみて 下さい。説明はいくらでもします。 技書博は技術書を書く方がたくさんいて、コミュニティに迎 えてくれます。“みんなで書こう!” 12
私達エンジニアは アウトプットで成り立っている 13
アウトプットで成り立つ世界 ● 私たちエンジニアは 先人のアウトプット で成り立っている ○ 先人のアウトプットを元に私たちは 学んでいる ⇒書籍、ブログ、発表、動画番組、など ○ エンジニアが日常的に 利用するもの はすべて先人のアウトプット ⇒OS、ミドルウェア、言語、フレームワーク、など ● つまり、アウトプット(=先人の知恵)がなければ世界は成り立たない ○ アウトプットで誰かが 少しだけ豊かになる 行為を積み重ねていく 14
アウトプットが増えた/減った世界線 ● コンテンツに対してより安価・簡単にアクセスできる/アクセスが困難に ● 学ぶうえで発生する困難を乗り越えやすく/乗り越えにくい、解決できない ● 他者のアウトプットを享受することで生産性が向上する/生産に手がかかる ● アウトプットが増えたら相対的に社会が豊かに/門戸が狭まりエンジニアも減 る?(近しい問題でいうと、たとえば邦訳が出ないだとか……) なお、アウトプットが増えた場合は、情報量の増加に伴うデメリットもある ○ 情報整理、取捨選択、検索の困難、など 15
アウトプットとコミュニティ ● コミュニティは アウトプットの機会として最高のマイルストーン ○ 機会 がなければ行動しない人が圧倒的に多い ○ きっかけ がなければ生まれないものが圧倒的に多い ● コミュニティはアウトプットがないと継続できない ○ 登壇者がいない勉強会…… サークルがいない即売会…… ● コミュニティによって「新しいヒーロー」を生み出し続ける ○ 十年〜数十年単位で考えると、今のヒーローは引退していく ○ 次世代のヒーローを登場させ、よい新陳代謝を産み出していく これらの理由から技書博は「技術同人誌をアウトプット」する場を提供している 16
どちらも“相互に影響し合う” もの それが良い社会への “Groove(高揚感)” に繋がる コミュニティ アウトプット 知る機会・きっかけ 学ぶ機会・言語化 表現の場所 知見の共有 17
アウトプットしよう ● 自身を成長させる ○ 知識を”教える”ためには深い習熟が必要になる ○ 説明力・説得力・構成力などさまざまな技能が向上する ● 自身を表現する ○ 脳内に蓄積した知識を解釈&変換して、自分なりに表現する ○ 自分の知識や経験を外から観察してもらえる ● 社会を持続させる ○ 社会の豊かさの根源は学び、知の共有は必要不可欠である ○ 誰でも容易に知にアクセスできる状態を作ろう 18
アウトプットを始めるために ● たとえばこんなこと思っていませんか? ○ 自分の発信に需要はない / 発信できることがない / 発信するのは怖い ● テーマを絞ってみるといかがでしょう? ○ あなたがもっとも得意とする技術は? ○ 過去のあなたと同じ課題を抱えた人はいない? ○ 今のあなたがもっとも情熱をかけている技術は? ○ あなたは最近同僚に何を教えた/教えられた? ○ 自慢できる過去の体験はない? 19
あなたが “持っている引き出し” にヒントがある それが誰かにとっての “宝物” かもしれない 大きなカテゴリ 特定のテーマ 範囲を絞ってみる。 経験に目を向ける。 20
はじめは小さな1歩からのスタート ● あなたのアウトプットは、「必ず誰かの役に立つ」 と考えよう ○ 自分の不便や悩みを誰かの便利にする ○ 自分の後に続く人にバトンを渡す やりたくない → やりたい ○ 学びによる変換を伝える できない → できる うまくいかない → うまくいく ○ 学びの経緯や道のりを伝える ● 少ない量 のアウトプットを続けてみよう ○ インプットした内容を日報等を活用してまとめてみる ○ 日々の調べた事や知識を「自分の言葉」で言い換えてみる ○ 学ぶ事ができた知識を図解という形でまとめてみる 21
アウトプットによる学び ● アウトプットの過程でのインプットからの学び ○ 「知っている」と思っていても、完全に理解できていることは意外と少 ない。だからこそ、準備の中にはたくさんの学びがある。 ● アウトプットは 良質なインプットのチャンス ○ 再調査しよう、深掘りしよう、知識を補完しよう ○ 考察しよう、整理しよう、法則を見つけよう ● アウトプットによって、重要な要素をより明確に意識することができる ○ 情報が不足していないか? / 理解できている? / その情報は正確か? / その情報は自身に定着しているか? / その情報は説明できるか? 22
アウトプットからつながる行動 浅 知らなかった 学習で補いながら伝える 学ぶ 新しい視点 知っている 忘れていた 知っていた 覚えていた 理解していた 深 知っていることを伝える (理解度) 知らなかった事を調べる過程で 知っている 新しい視点を発見する 23
アウトプットがもたらす “幸せのサイクル” 事前準備 アウトプット ● スキルや思考の整理と再認識 ● 説明力の向上 ● 学ぶべき方向性を定義 ● 会話力の向上 ● 学びの動機付けと意識向上 ● 文章力の向上 ● 学ぶ機会の増加 ● 記憶の再整理 インプット フィードバック ● 学びの質が向上 ● 周囲からの認知と評価 ● 学びの量が向上 ● モチベーションの向上 ● 学びの進捗が明確化 ● 感想や指摘など ● ゴールが明確化 ● 次のインプットを目指す
あなたのアウトプットが “あなたの周りの幸せに繋がる” エンジニアの活動は常に誰かの アウトプットによって成立している 25
アウトプットをしよう! 技術書を書いてみませんか? 26
あなたがもし ”まだ” エンジニアではなく “はじめて” プログラムを学習するとしたら どのような手段で学びますか? 27
“本で学ぶ” という方、 たくさんいらっしゃいますよね? 28
本とは ● 特定分野の知識を 体系的に学ぶ のに最適なメディア ○ “学ぶべき内容” や “学ぶ順番” をばらばらに探さなくていい ○ “情報の品質” が最初から最後まで一定に保たれている ○ 誰かが苦労して学んだ知識を “苦労せずに” 手に入れられる ● 非同期(好きなとき)に学べる ● 他の学習法と比べて学習の 時間効率 を最大化できる ● さっと渡せて最も情報量を詰め込めて 名刺代わり になる 29
知識の組み合わせ あなたが長い時間をかけて “学んだこと” を 次に学ぶ人に向けて “体系的に発信” しよう 学ぶためのノウハウ 30
他のアウトプットと比較 本 ブログ 勉強会 体系的な学習 ◎ ○ △ 情報量 ◎ ○ △ 時間あたり学習効率 ◎ ○ △ 情報の深さ/ニッチさ ○ ◎ ○ サンプルコードの実行 △ ◎ △ 情報の新鮮さ/更新の難易度 △ ◎ ◎ 視覚的理解(デモなど) △ ○ ◎ 感情の伝達 △ △ ◎ 31
技術同人誌を書こう 1/2 ● 自分が 企画したものをそのまま世に出す ことができる ○ 商業誌は ”広く一般に受ける” ことが条件になる ○ 同人誌は ”本当に自分が広めたい知識” を扱える ● 技術以外の すべてのことを試行錯誤して学べる ○ 技術を本としてまとめるための知識 ○ 製本に関する知識(印刷・紙質・入稿・専門用語、など) ○ 企画やプロモーションの知識 ○ 会計や税務処理、など 32
技術同人誌を書こう 2/2 ● 小さな執筆量 から始められる ○ 同人界隈の名言 ”書いたものを折れば本” ● より 濃いフィードバック を得られる ○ 即売会に参加すると ”買う人の顔や声” がわかる 技術同人誌 = 企画から製造まで自分で決められ 読者の顔や声を直接きける 33
地方で技術同人誌を創る上でのつらみ ● 印刷した技術同人誌はそんなに売れるの? ○ これは印刷あるあるなのですがそもそも部数を刷らないと1冊当たりの単 価が下がらず、損益分岐点が厳しく(が、赤字で持ち出しも厳しい) ○ いっぱい刷ると当然それを売るために何度かイベントに出る必要がある ○ 何度かイベントに出るに当たり、関東在住であれば手搬入でも結構なん とかなるケースも多いが、それ以外のエリアだと宅急便などの輸送手段 になるケースが多く、これが損益分岐点に結構効く…… じゃあどうすればいいので? 34
つらみを超えていけ(1) ● つらみを超える手 それは人数です ○ 一人で書くのではなく、近いスキルスタックや、興味のある技術分野の 人で集まって、合同誌を書くのがおすすめです! 本の厚さ is Power! なお10人で書けば 厚みは10倍を超える ※なぜ10倍を超えるかというと、他の人の原稿を見て新たなアイデアや 原稿が産まれてくるのです……(いやマジで) ○ 相互に原稿もチェックできるし、サークル運営もワンオペで回さなくて よくなるし、良いことしかない! スケールメリットを享受できます 35
つらみを超えていけ(2) ● 技書博はコミュニティを応援しています ○ 技書博には「コミュニティフレンドシッププログラム」があり、以下の 条件を満たしていれば無償で技書博にサークル参加できます! https://blog.gishohaku.dev/entry/2023/11/28/130841 36
アウトプットと私達 技書博が目指していく像 37
私たちのイベントは… ● 総参加者が数百人規模の小さなイベント(最近は500名位で推移) ● 主役はサークルで “本を出した体験” ができる場所 ● こんな人が多いはず ○ 売れても売れなくても数万円程度の損益で楽しもう ○ ブース同士で活発に交流しよう ○ 手に取った人からのフィードバックがほしい 38
技書博の理念 ● 改めて技書博の理念は アウトプットを増やすこと ○ アウトプットを始める人を増やす ○ アウトプットを続ける人を増やす ● アウトプットによって豊かな社会の実現を目指す ○ アウトプットの質と量を向上させる ○ エンジニアが増える ○ 良いプロダクトやサービスが増える 39
技書博が気をつけていること ● テクノロジーニュートラルであること ○ すべての技術を等しく認め支える(IT以外も含め) ● アウトプットの垣根を作らないこと ○ 同人誌と商業誌を分け隔てなくつなげる ○ 技術書と他のアウトプット手段をつなげる ● 著者に寄り添い続けること ○ 企画はすべて著者のモチベーション向上を目指す ○ 執筆するための障壁を、周辺環境から崩していく 40
技術同人誌の未来をみんなで作ろう ● 技書博という ”場” を技術書が生まれるきっかけにしよう ○ 技術書を ”書き始める” 人を歓迎しよう ○ 技術書を ”書き続ける” ために支え合おう ● コミュニティとエンジニアが相互に支え合おう ● これからもアウトプットしたくなるような環境を作ろう 41
あなたの “アウトプット” は 誰かにとっての “応援歌” になる 自分の活動に価値を感じる。 そんな人が絶対にいる。 42
イベントに申し込もう ● 第12回 技術書同人誌博覧会 ○ 2025年10月に開催(大宮ソニックシティ) ○ ぜひ技書博公式Xのフォローをお願いします ○ 今すぐサークル参加申込してくれても大歓迎! https://gishohaku.dev 43
ご清聴ありがとうございました! 44