4.2K Views
October 25, 22
スライド概要
マルチプラットフォームでリリースした「遊戯王 マスターデュエル」の制作事例をご紹介致します。
いまやゲームにおける「マルチプラットフォーム」と言えば、PS, Xbox, Switchといったコンシューマー機だけでなく、PC, モバイルも含まれ、多様化が進んでいます。 グラフィック周りと入力系の処理は各プラットフォーム固有であり、それらに個別で対応してしまうと膨大な時間がかかってしまうため、様々な工夫をしながらそういった問題を解決しながら制作を進めました。 考慮しなければならないスペックやアーキテクチャが飛躍的に増えている中で、Unityをどのように活用して制作していったのかをご紹介します。
こんな人におすすめ:
・マルチプラットフォーム開発を進めているプロジェクトのリーダー
・マルチプラットフォーム開発における効率化手法を模索しているエンジニア、デザイナー
受講者が得られる知見:
・マルチプラットフォーム開発においていかに開発効率を上げていくか
・できる限り開発者一人一人の手元で作業を完結させていく工夫
出演:
吉川 貴彦 (株式会社コナミデジタルエンタテインメント)
松本 一也 (株式会社コナミデジタルエンタテインメント)
--
初出: SYNC 2022 #UnitySYNC
https://events.unity3d.jp/sync/
リアルタイム3Dコンテンツを制作・運用するための世界的にリードするプラットフォームである「Unity」の日本国内における販売、サポート、コミュニティ活動、研究開発、教育支援を行っています。ゲーム開発者からアーティスト、建築家、自動車デザイナー、映画製作者など、さまざまなクリエイターがUnityを使い想像力を発揮しています。
遊戯王 マスターデュエル あらゆるプラットフォームで 気持ちよく遊べるデジタルカードゲームの実現にむけて 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
アジェンダ • 「遊戯王オフィシャルカードゲーム」と「遊戯王 マスターデュエル」 • Unity採用のきっかけと、URP/ShaderGraphの活用 • 多言語×10,000種以上のカードを実装するための工夫 • 異なるプラットフォームで制作を進めるための工夫 • まとめ
アジェンダ • 「遊戯王オフィシャルカードゲーム」と「遊戯王 マスターデュエル」 • Unity採用のきっかけと、URP/ShaderGraphの活用 • 多言語×10,000種以上のカードを実装するための工夫 • 異なるプラットフォームで制作を進めるための工夫 • まとめ
遊戯王オフィシャルカードゲーム 遊戯王オフィシャルカードゲームは、 1999年に発売しました カードの種類は10,000種以上にのぼり 日本・北米・欧州を中心に 全世界のお客さまに楽しまれています ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
遊戯王 マスターデュエル 「遊戯王」を本格デジタルカードゲームへ! すべてのデバイス間での対戦が可能! マルチプラットフォームでデータ連携 いつでもどこでもデュエル! 4K解像度の迫力のある映像 対戦者も観客も楽しめるデュエル! ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
アジェンダ • 「遊戯王オフィシャルカードゲーム」と「遊戯王 マスターデュエル」 • Unity採用のきっかけと、URP/ShaderGraphの活用 • 多言語×10,000種以上のカードを実装するための工夫 • 異なるプラットフォームで制作を進めるための工夫 • まとめ
Unity 採用のきっかけ 遊戯王 デュエルリンクスをUnity で開発していてノウハウもあるし、 Unityで開発しよう 次世代機も含めた マルチプラットフォームで 開発できるのか・・・? URPでモバイル端末と次世代機も 対応できるみたいだから やってみよう!
URP/ShaderGraphの活用 ShaderGraphを活用し、 挙動やレイアウトをデザイナーが直接調整 デザイナーで完結できる業務を増やす体制 開発スピードが劇的に改善 ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
ShaderGraphの活用 すべてのプラットフォームにおいて、URPにて開発 テクスチャ解像度や圧縮フォーマットの調整以外は 全プラットフォームでほぼ同じものを使用できている プログラマ、デザイナーの作業量が大きく軽減 ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
アジェンダ • 「遊戯王オフィシャルカードゲーム」と「遊戯王 マスターデュエル」 • Unity採用のきっかけと、URP/ShaderGraphの活用 • 多言語×10,000種以上のカードを実装するための工夫 • 異なるプラットフォームで制作を進めるための工夫 • まとめ
多言語×10,000種以上のカードの実装 カードテキストを全ての言語で 読みやすくするよう 禁則処理を入れよう カードのレンダリング処理が 重すぎる・・・ これではゲームにならない TextMesh Pro を使おう!
多言語×10,000種のカードの実装 フォントサイズを計算し、 どこで改行するのかを自動で判断してくれる 迅速な処理が可能に ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
アジェンダ • 「遊戯王オフィシャルカードゲーム」と「遊戯王 マスターデュエル」 • Unity採用のきっかけと、URP/ShaderGraphの活用 • 多言語×10,000種以上のカードを実装するための工夫 • 異なるプラットフォームで制作を進めるための工夫 • まとめ
異なるプラットフォームの解像度対応 大型スクリーンなどでのプレイや観戦を想定し、4K画質に対応 一方で、同時にモバイル端末の解像度にも対応が必要 Unityの機能をフル活用してどんな環境でも 快適にデュエルができる工夫をしている ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
プロジェクト独自のアセット管理 ■Element System プログラマの作業と デザイナの作業を完全に分離 いくつかの事前の取り決めを 周知することで、プログラマと デザイナがそれぞれ自由に作 業が可能に
プロジェクト独自のアセット管理 ■Selector System ルートオブジェクトにつける Selector コンポーネントと、 ボタン類につける Selection Item を継承したコンポーネントで構成 「パッド操作とマウス操作をフレキシブルにコントロール」 「ボタンのレイヤー構造のシステム化」 「制作側からの要望に答えられるよう自由に拡張できるように」
プロジェクト独自のアセット管理 ■Property Overrider ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
プロジェクト独自のアセット管理 ■Platform Debug アプリをビルドすることなく 様々なプラットフォームの挙動や 見た目を確認するためのもの Property Overrider で設定した 見た目のUIが画面上に表示される
アジェンダ • 「遊戯王オフィシャルカードゲーム」と「遊戯王 マスターデュエル」 • Unity採用のきっかけと、URP/ShaderGraphの活用 • 多言語×10,000種以上のカードを実装するための工夫 • 異なるプラットフォームで制作を進めるための工夫 • まとめ
さまざな工夫を重ねて実現できたこと ルールを分かりやすくアシストしてあげる機能やUI表現は特に力を入れて制作 デザイナー主体でかなり細かく演出やUIを調整 全てのプラットフォームでの制作において、 デザイナーがUnityを直接触って調整できる体制と環境を構築したことが 効率の良い制作に繋がった ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment
遊戯王 マスターデュエルの今後 「遊戯王 マスターデュエル」を通じて、 より多くの方に「遊戯王」の素晴らしさを伝えていきたい 世界大会なども視野に入れ、遊戯王OCGの裾野をさらに広げていくことで、 デジタルカードゲーム全体の盛り上げにも貢献していきたい
発表は以上です ありがとうございました ©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI ©Konami Digital Entertainment