【Unity道場 幕張スペシャル3】立命館大学映像学部におけるゲーム制作教学事例

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September 19, 19

スライド概要

2019/9/14に開催されたUnity道場 幕張スペシャル3 -Education編-の講演スライドです。
講師:奥出成希(立命館大学映像学部)

Unityのイベント資料はこちらから:https://www.slideshare.net/UnityTechnologiesJapan/clipboards

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リアルタイム3Dコンテンツを制作・運用するための世界的にリードするプラットフォームである「Unity」の日本国内における販売、サポート、コミュニティ活動、研究開発、教育支援を行っています。ゲーム開発者からアーティスト、建築家、自動車デザイナー、映画製作者など、さまざまなクリエイターがUnityを使い想像力を発揮しています。

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各ページのテキスト
1.

立命館大学映像学部における ゲーム制作教学事例 立命館大学 映像学部 特別契約教授 奥出成希

2.

奥出 成希 (OKUDE Seiki) • 立命館大学映像学部 特別契約教授 ゲーム制作ゼミ担当 • 京都コンピュータ学院(KCG) 講師 • もともとはプログラマとして、ゲームボーイやスー パーファミコンの時代からゲームを作っていました。 • ビデオゲームで遊んで40年。 • ブレイクアウト、サーカス、スペースインベーダーから。

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立命館大学におけるゲーム • 立命館大学ゲーム研究センター(RCGS) • ゲーム分野における日本で唯一の学術的機関 • ゲームアーカイブプロジェクト、RCGS Collection試作版 • 立命館ゲームウィーク 2019.8.5 – 2019.8.11 • • • • IEEE SeGAH 2019 DIGRA 2019 Replaying Japan 2019 3つの国際学会が、RCGSの主催、共催で開催された。

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映像学部におけるゲーム • 文学部、法学部、産業社会学部、国際関係学部と同じ、 衣笠キャンパス(京都) • 映画やCGなどのリニア映像制作の部門とインタラク ティブ映像制作の部門 • ゲームはインタラクティブ映像制作に属する。 • 理系ではないが1回生からプログラミングを学習する。 • 一方で、実写映像撮影のためのカメラも扱う。 • 「映像」というジャンルで多岐にわたる学習を行う。

6.

ゲームゼミ(asobi-lab) • 「ゲームゼミ」と呼ばれているが、asobi-labと称 してゲームだけではなく「遊び」をメインとした制 作を行うゼミである。 • 既存のゲームにとらわれないエンターテインメン トを創出することを掲げている。 • 複数教員による集団指導体制。

7.

教員の構成 • • • • • ゲームデザイン・難易度 ゲームシナリオ・ナラティブ アート・表現 データ分析・ネットワーク プログラミング • ゲーム制作の技術は多岐にわたるため、 複数の専門分野の教員による指導体制を採る。 • サウンドの専門家も加わる予定。

8.

ゼミの方針 • 学生には常に複数のスキルについて、知識を広げ るように指導。 • ゼミでの制作はチームで行うもよし、個人で制作 するもよし。 • 制作物もデジタルゲームとは限らない。 • ゼミプロジェクトとしていくつかの既存プロジェク トがあり、学生はそこにジョインすることもできる。 • 我々の目指す方向は「新しい遊び」の追求。

9.

ゼミ卒業後 • 大学院へ進学。 • 就職はゲーム業界だけとは限らない。 • もちろんゲーム業界にも多数就職している。 • 業種は何にせよ、ゲーム制作を通して経験した、 ゲームプレイヤーをもてなす精神をスキルとして、 その後の人生に活かしてほしい。

10.

「回遊」 Unity + Arduino 大学院生の研究プロジェクト 京都デジタルアミューズメントアワード受賞作品 多数のプレイヤーの入力をリアルタイムに統合して1つの ゲームを遊ぶ。 • 専用のゲームではなく、市販のゲームソフトに対応可能。 • 30人でギャラガをプレイするといったことが可能なミドル ウェア。 • 内部的には数フレームずつ、入力受付できるコントロー ラーを切り替えている。 • • • •

11.

大学院生の研究制プロジェクト 京都アミューズメントアワード受賞作品

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多数のコントローラーの入力を1つに統合して、 1つのゲームを全員で楽しむためのミドルウェア

13.

立命館ゲームウィークでは、30人でギャラガを遊ぶという 展示を行った。

14.

立命館ゲームウィークでは、30人でギャラガを遊ぶという 展示を行った。

15.

「難易度シンセサイザー」 • Unity + Arduino • 教員主導の学生混成プロジェクト • ゲームの難易度を調整する装置とシューティング ゲーム。 • 自動で動くプレイヤーをもてなす。 • ゲーム制作におけるバランス調整を体験できる 装置。 • ゲームバランス調整の難しさを改めて知る。

16.

スライダーを操作してゲームの難易度を調節する。 ゲームの腕前の違う2人を同時に満足させる調整をめざす。

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スライダーを操作してゲームの難易度を調節する。 ゲームの腕前の違う2人を同時に満足させる調整をめざす。

18.

BitSummitでの展示風景

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「ぶんまわしヒーロー」 • Unityで制作 • 学部生卒業制作 • Steamで無料配信中 • Nintendo Switchでも動作(未公開) • 質的にも量的にも商用レベルにどれだけ迫れる のかにチャレンジした。

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卒業制作作品として制作された。 見下ろし型アクションゲーム。

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卒業制作展での展示の様子

22.

卒業制作展での展示の様子

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TOKYO GAME SHOW 2018での展示の様子 制作メンバーの2人

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「Man Power Elevator」 • Unity + Arduino • デパートのエレベーターを操作して、お客さんを 目的のフロアへ輸送するゲーム • アナログゲームとデジタルゲーム それぞれの利点と弱点を相互に補完する • 直感的コントローラー

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エレベーターの箱を紐で引き上げる。 目的のフロアで停止して乗客の乗り降り。

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直感的コントローラーで、 多くの説明をしなくても楽しめるゲーム

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立命館ゲームウィークでの展示 (3回生プロジェクト) • 学会に来られた研究者の方々をもてなす展示 • 「ゲームがもたらす新たな団欒」がテーマ。 • オリジナルの入力デバイスと、そのデバイスを活 用したゲーム体験を創る。 • Unityとマイコン+センサーで制作 • Arduino / M5Stackなどのマイコンで加速センサ、 引っ張りセンサ、マイク、圧力センサなどを制御。 • Unityとシリアル通信で連携する。

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ひっぱりセンサーで画面上の風船の上昇速度を コントロールするゲーム

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加速センサーのついたベルトを装着して、 2人で踊ることで協力して進行するゲーム

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作品ではないが、卒業作品展の会場レイアウトをUnityで 立体的に作成し展示作品の位置決め、来場者の動線などの 確認に使用した。

31.

授業での取り組み:学部 • Unityの基本操作 • 3Dモデル取り込み、コンポーネント、プレハブ • PostProcess、パーティクルシステムなどの演出 • プログラミング基礎 • 1回生からプログラミングをやっているとはいえ苦手意識を 持つ学生は多い。 • なるべく簡易なプログラムを参考に、時にはコピペのみで 進める。 • ステージデザイン • ProBuilderなどをつかってスタートからゴールまでのゲー ムステージを作る。

32.

授業での取り組み:学部 • チーム制作実習授業では、学生個人の得意とする スキルを活かしてチームに貢献する。 • いくつかの雛形プロジェクトを参考に、企画から 実装、完成までの一通りを実習する。 • チーム運営、チームのメンバーとして各自の役割 をこなす。

33.

授業での取り組み:大学院 • Androidタブレットのセンサーを使った制作の講座 • GPS、ジャイロ、カメラ、コンパスなどの情報を使い、 アプリケーションを作成する。 • Unityでゲームとして仕上げる。

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立命館ゲームゼミ教員が考える 「未来のゲーム像」 • 「あそび」への原点回帰 • 現実の観察からゲームや遊びのアイデアを見 出す。 • 「あそびのデザイン講座」の前段階レベル、 なにをゲームにするのか? • 現実の遊びをそのままゲームにするのではなく、 遊びの面白さの本質部分を見る。

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立命館ゲームゼミ教員が考える 「未来のゲーム像」 • ゲームからゲームの再生産をみなおしたい • 技術的制限をアイデアと抽象化によってこなしてきた。 そこで生み出された「お約束」が、その理由を失って受 け継がれてしまい、ゲームとはこういうものだと常識化 されてしまう。その常識を一度疑ってみる。 • 十字キーとボタンは素晴らしい発明で、いろいろな「あ そび」を再現することができたが、逆にゲームの限界を 決めてしまう。 • 入力装置も含めたゲームの企画。

36.

立命館ゲームゼミ教員が考える 「未来のゲーム像」 • 記録と保存、そのアーカイブからの学び • 過去にどんなゲームがあったのかを学生は意外と知ら ないし、調べていない。 • 立命館大学ではゲームの保存活動も行っている。 • ゲームはその性質上、実行するプラットフォーム、入力 装置、出力装置込みで保存することが理想的。 • 過去のゲームを正しく参照して利用することが必要。

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**ここからは奥出個人の感想です**

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Unityみたいな いいツールあるんだから • 学生作品で陥りやすいのは既存作品の劣化 コピー • 技術のトレースはもちろん大事 • でもどう頑張ったってプロには勝てないよ • 学生のうちは商品として世に出そうにない尖っ た作品を作ろう

39.

Unityみたいな いいツールあるんだから • もっと自由にゲームを作ろう • 雑でもいいから作る体験をたくさん積もう • 不謹慎ゲームも作りようでジャーナリズム

40.

Unityみたいな いいツールあるんだから • 頭でっかちにならず • 制作の技術に縛られすぎないで、気楽に作ろう • チームの人間関係?企業で予算があって商品 作っているわけじゃないから、自由に抜けたり 入ったりでいいじゃない • 企画意図?世界観?シナリオ? それより先に「このゲームはこんなたのしい遊 びができるんだ」を言えるようになろう

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EIZO JUNCTION×キャリア フェア(ジャンキャリ) • 映像業界の方をお呼びして講演をしていただく 『仕事人研究企画』 • 映像学部生の作品や研究を発表して来場者に講評してもらう 『映像学部発信企画』 • 出展者・来場者の方々と立食形式で交流する 『懇親会』 • 2019年10月19日(土)10:15~17:40(予定) • 場所:立命館大学 衣笠キャンパス 充光館

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