EEG研究に向けて_Day1知識編_公開用

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March 25, 25

スライド概要

ラボで使用した脳波勉強会の資料です。
3部作で、Day1 知識編、Day2 実験編、Day3解析編です。
資料のダウンロードや質問は、reikuma.brain[at]gmail.comまで。
tag: 脳波, EEG

作成者は、本内容に一切の責任を負いません。また無断転載を禁止します。

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所属:早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程 専門:認知神経科学 手法:fMRI, fNIRS, EEG, MEG, 視線, Psychopy

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関連スライド

各ページのテキスト
1.

2024-07-01 脳波研究に向けて ー知識編ー

2.

はじめに 構成 Day 1 1. 脳を計測する 2. 脳波を計測する 3. 脳波を解析する 4. 脳波の解析結果を見る 5. 脳波を測る実験をする Day2 • 脳波の実験課題を作る • 脳波の実験をする Day3 • 脳波を解析する(前処理・個人解析・集団解析) 2 / 52

3.

はじめに 注意事項 • 文献を参照せずに引用している箇所があるので、二次利用はしないでください。 この講義で取り扱わないこと • MNE-Python, BrainStormでの解析 • 信号減推定によるsourceレベルでの解析 • 難しいこと 3 / 52

4.

脳を計測する

5.

脳を計測する 5 / 52 脳活動 脳を測る(宮内, 2013)

6.

脳を計測する 6 / 52 分解能 脳を測る(宮内, 2013)

7.

脳を計測する 7 / 52 非侵襲脳計測 脳を傷つけない 測定装置・小 (簡便に測定できる) fNIRS(機能的近赤外分光法) 血流変化 を測定 血液中の酸素化Hb, 脱酸素化Hbを近赤 外光で測定 EEG(脳波計) 神経活動 を測定 測定装置・大 (精密に測定できる) fMRI(機能的核磁気共鳴画像法) 血液中の水分子を 強い磁場で傾けて 測定(MRI) MEG(脳磁図) 神経細胞集団の電気 活動の総和を観察 神経細胞の電気活動 に伴って生じる磁場 を観察

8.

脳波を計測する

9.

脳波を計測する 9 / 52 脳波とは 脳を測る(宮内, 2013)

10.

脳波を計測する 10 / 52 計測メカニズム(モデル) 計測電極・リファレンス電極 • 脳波は2箇所の電位差で計測 (単位はV, μV) 𝐸𝐸𝐺 = 𝑉+ − 𝑉− ー • リファレンス電極は基準点となる グランド電極 + • ノイズを抑えるために使用 ノイズ低減 計測電極 Ref リファレンス電極 参照電極 GND グランド電極 設地電極 インピーダンス • 電位Vの測定は、オームの法則 𝑉(𝑉) = 𝐼(𝐴) × 𝑅(Ω)による • 全てのインピーダンス(R)を下げないといけない • 全体的にインピーダンスが下がりにくい時は、 Ref/GNDを疑う。

11.

脳波を計測する 11 / 52 脳波計の種類(1/4) 導電性ジェル パッシブ電極 電解液 脳波計 剣山型電極 アクティブ電極 平面電極 https://www.macnica.co.jp/business/ai/manufacturers/innereye/136972/

12.

脳波を計測する 12 / 52 脳波計の種類(2/4) • • 微弱な脳波信号を脳波計本体で、信号を増 幅する。 リード線が外来ノイズを拾う可能性があり、 シールドルーム内が望ましい。 ウェットタイプ(濡れる) 導電性ジェル パッシブ電極 電解液 脳波計 剣山型電極 アクティブ電極 平面電極 • • センサーにアンプを内蔵することで、センサー 本体で信号を増幅する。 インピーダンスはパッシブと比べて非常に高い 研究目的によって決める • • • センサーと頭皮の間にジェルを入れる 抵抗を10kΩまで下げれる(精度が高い) 洗髪が必要 • • スポンジに電解液を含ませて用いる 髪は濡れるが拭き取るだけで良い • • 頭髪を避け、頭皮と電極を接触させる ための剣山 頭部のいかなる場所でも設置可能 • 主に頭髪のないおでこ部分を測定する ドライタイプ(濡れない) https://www.macnica.co.jp/business/ai/manufacturers/innereye/136972/

13.

脳波を計測する 13 / 52 脳波計の種類(3/4) ウェットタイプ 導電性ジェル パッシブ電極 Smarting Pro (mbt) ActiveTwo (Biosemi) Smarting Pro (mbt) Quick-30 (Cognionics) 電解液 脳波計 剣山型電極 アクティブ電極 ドライタイプ MindWave Mobile (NeuroSky) Muse (InteraXon) 平面電極 Sponge-based system Polymate Mini (ミユキ) OpenBCI

14.

脳波を計測する 14 / 52 データの綺麗さ 脳波計の種類(4/4) ActiveTwo (Biosemi) 64チャンネル 実験用データ 取得不可の壁 Polymate Mini OpenBCI (ミユキ) Quick-30 (Cognionics) 30チャンネル Muse MindWave Mobile (InteraXon) (NeuroSky) 装着のしにくさ Smarting Pro (mbt) Sponge-based system 32チャンネル Smarting Pro (mbt) 32チャンネル シャワーの壁

15.

脳波を計測する 15 / 52 国際10/20法 • 頭を20%ずつに分けたもの • 端から、10-20-20-20-20-10と均等割り • 装着の基準は、下の中心がCzになるように。 • 縦は、鼻根と後頭結節 • 横は、左右の両耳介前点 • 命名規則 • pre-frontal (Fp), frontal (F), temporal (T), parietal (P), occipital (O), and central (C) • Z(zero)は正中線上(Fpz, Czなど) • 偶数番号は右に、奇数番号は左に https://en.wikipedia.org/wiki/10%E2%80%9320_system_(EEG)

16.

脳波を計測する 16 / 52 国際10/10法 • 10/20法から20%→10%したもの。 • こちらを元にした脳波計が多い。 • 10/20法とは同じ場所であっても、 名前が違う箇所があるので注意 • 10/10→10/20 • T3→T7 • T4→T8 • T5→P7 • T6→P8 https://en.wikipedia.org/wiki/10%E2%80%9320_system_(EEG)

17.

脳波を計測する 17 / 52 どこから脳波は来ているか チャンネルレベル • 測定したチャンネルで議論をする ソースレベル • 複数の脳領域からの成分が合わさって脳波セ ンサーで観測される • そのため、どこの脳領域から発生した脳波か は不明。(逆問題) • 頭部モデルを仮定することでなんとか解ける (信号源推定) • ダイポール型推定と電流限分布型推定がある The Oxford handbook of event-related potential components [electronic resource] / edited by Steven J. Luck and Emily S. Kappenman.

18.

脳波を計測する 18 / 52 得られた脳波データ • 生データ(raw data)の状態でわかることは少ない • 生データから観察できるもの • 自発脳波 • 特に、α波 (10Hz=1秒間に10回のリズム) • てんかん発作 (棘波、鋭波) • しかし、ノイズ(後述)が多い。 • 個人/集団解析の前に前処理をする必要がある https://en.wikipedia.org/wiki/Electroencephalography

19.

脳波を解析する

20.

脳波を解析する 20 / 52 脳波解析ソフト MNE-Python ・Pythonベースでコーディング必要 ・発展的な解析が可能 ・ECoG, MEG, NIRSも可能 https://mne.tools/stable/index.html# EEGLAB ・MATLABベースでGUI操作可能 ・基礎的な解析・簡単な図示しやすい ・参考書がある https://sccn.ucsd.edu/eeglab/index.php BrainStorm ・MATLABベース https://neuroimage.usc.edu/brainsto rm/Introduction

21.

脳波を解析する 21 / 52 前処理の必要性 EOG(眼電)ノイズが乗った状態 ICAでのアーチファクト除去後 実験とは関連がないアーチファクトが混入している 非侵襲生体信号の処理と解析—I—脳波の計測と信号処理(田中, 2018)

22.

脳波を解析する 22 / 52 除去すべきノイズ 1. 生体現象が電位変化を起こすことで発生する生体ノイズ • 眼球運動ノイズ(EOG)、筋電、体動ノイズ、汗腺ノイズ、心拍ノイズ • 実験者に無理に統制するのではなく、適切なアルゴリズムで除去する • ICA+ICALabelで除去可能 2. 実験環境に起因して発生する環境ノイズ • 商用電源ノイズ、画面のリフレッシュレートノイズ • シールドルームなどで軽減可能 • シールドルームを使わなくても、フィルタリングで除去可能 3. その他 • 脳波計の装着失敗(インピーダンスが高い):不良チャンネル除去 • 突発的な体動(一瞬・一回の動き):不良区間としてASRで除去、エポックリジェクト • 被験者が実験の指示通り取り組んでいない(理解不足、寝落ち):被験者を解析から除去 脳波解析入門(開, 2016)

23.

脳波を解析する 23 / 52 解析の流れ 解析準備 前処理 データ読み込み Annotation情報 書き直し ダウン サンプリング 不要チャンネル 除去 電極位置情報 登録 High-pass filter Low-pass filter 不良チャンネル 除去・補完 Re-reference エポッキング ICA High-pass filter +LineNoise除去 不良区間除去 ASR Re-reference エポック リジェクト ICA不要コン ポーネント除去 時間周波数解析 同期分析 +α チャンネルレベル / ソースレベル 集団解析 事象関連電位 周波数解析

24.

脳波を解析する 24 / 52 今回説明する解析の流れ 解析準備 前処理 データ読み込み Annotation情報 書き直し ダウン サンプリング 不要チャンネル 除去 電極位置情報 登録 High-pass filter Low-pass filter 不良チャンネル 除去・補完 Re-reference エポッキング ICA High-pass filter +LineNoise除去 不良区間除去 ASR Re-reference エポック リジェクト ICA不要コン ポーネント除去 時間周波数解析 同期分析 +α チャンネルレベル / ソースレベル 集団解析 事象関連電位 周波数解析

25.

脳波の解析結果を見る

26.

脳波の解析結果を読む 26 / 52 脳波の種類 種類 • 自発脳波 • • • 誘発電位 誘発脳波 • • • 事象関連電位 • • 特徴 強度 なにもしていない時でも脳から常に観測される連続的、周期的な電気 的な活動 安静状態でも律動的に変動する自発脳活動が生じる理由は不明 代表的なもの:α波、β波 数十μV 音、光などの外部刺激に同期し、刺激強度に依存して強度が変化する 短潜時(数~200ms)の電気的活動 「見えた」「聞こえた」に相当する低次の感覚反応 代表的なもの:視覚誘発電位(VEP)、聴覚誘発電位(AEP) 音、光などの外部刺激に同期し、刺激に対する内的応答(注意、情動) に依存して強度が変化する電気的活動 見えた画像が「気になる」、聞こえた音が「予想と違う」など感覚に 対する認知処理を反映する活動 代表的なもの:ミスマッチ陰性電位、N170 0.1~数μV MATLABで学ぶ整体信号処理(小野)

27.

脳波の解析結果を読む 27 / 52 自発脳波(1/4) • 自発脳波は、注意や覚醒状態、感覚刺激の有無、意思な どによって強度や位相が変化する フーリエ変換 ウェーブレット変換 ➢特定の行動に関する脳活動の特徴を抽出する研究へ • 自発脳波は目視で見つけることはできなくはない • ただ、フーリエ変換を用いた周波数解析・ウェーブレッ ト変換を用いた時間周波数解析をするのが主流 • フーリエ変換:複雑な信号を簡単な波形の和として 分解する手法 • ウェーブレット変換:信号を異なるスケールのウェ ーブレット(小さい波)に分解する手法 • フーリエ変換/ウェーブレット変換のメカニズムはこちら https://brains.link/braintech_guidebook

28.

脳波の解析結果を読む 28 / 52 自発脳波の種類(2/4) 名称 周波数帯域 特徴 δ(デルタ)波 0.5-4Hz 深いノンレム睡眠時に出現する。 徐波(slow wave)と呼ばれる θ(シータ)波 4~8Hz 浅いノンレム睡眠時に出現する。知的活動との関わ りも示唆。 徐波(slow wave)と呼ばれる α(アルファ)波 8~13Hz 覚醒・安静・閉眼時に優位になる。開眼・知的活 動・運動などにより減衰する。 α1(8~9.7Hz; リラックス), α2(9.7~11.3Hz; 意識集中), α3(11.3~13Hz; 緊張集中)に分けられることも。 7-12Hzはμ(ミュー)波/SMR と呼ばれ、運動の早期や実 行、触刺激で変動する(運動 関連自発脳波)。 β(ベータ)波 13~30Hz 知的活動の遂行、運動の停止などに応じて出現する。 速波(fast wave)と呼ばれる β1(14~17Hz), β2(18~30Hz)に分けられることも。 γ(ガンマ)波 30~70Hz 高次推論能力や意識と関連するとされる。 同じ周波数帯域を持つ筋電図信号との判別が難しい。 ※ 周波数帯域は論文によって異なるので注意。 その他 MATLABで学ぶ整体信号処理(小野) https://en.wikipedia.org/wiki/10%E2%80%9320_system_(EEG) https://www.miyuki-net.co.jp/jp/web_seminar/EegAnalysisWithoutFormulas/

29.

脳波の解析結果を読む 29 / 52 自発脳波の図・周波数解析(3/4) 注意! この図は、「8Hz帯域のパワーが他の帯域と比較し て強い」ことは言えない。条件Bと比較することで 「条件Aで8Hz帯域のパワーが出ている」と言える。 横軸:周波数(Hz)(0-40Hzで表示されることが多い) 縦軸:パワースペクトル密度(dB (V2/Hz)) 凡例:チャンネル名・条件名 https://mne.tools/stable/auto_tutorials/time-freq/20_sensors_time_frequency.html

30.

脳波の解析結果を読む 30 / 52 誘発脳波(1/4) • 誘発脳波は刺激のあと、数十~数百ms程度の 反応時間(潜時)で出現する。 • 誘発脳波は、自発脳波と比べてかなり小さい • 誘発脳波:0.1~数μV • 自発脳波:数十μV • (通常なら自発脳波に埋もれてしまう) ➢数十~数百回の刺激を与え、刺激した時刻の 前後の脳波を取る加算平均処理をする • 刺激と同期しない自発脳波は、毎回位相が異 なるため打ち消し合う MATLABで学ぶ整体信号処理(小野)

31.

脳波の解析結果を読む 31 / 52 誘発脳波の種類(2/4) 名称 特徴 視覚誘発電位 (VEP) P100など 点滅する光やパターンによる視 覚刺激に対する脳の反応 聴覚誘発電位 (AEP) N100, P200など 聴覚刺激(通常はクリック音や 音調)に対する脳の反応 聴性脳幹反応 (ABR) Ⅰ〜Ⅲ 体性感覚誘発電位 (SEP) N20など 名称 特徴 ミスマッチ陰性電位 予期しない音の変化に対する脳 (MMN) の自動的な反応 MMN, N2bなど N170 顔や物体の視覚的刺激に対する 反応 聴覚刺激に対する脳幹の電気的 応答を測定する手法 P300 意味のあるまたは注意を引く刺 激に対する脳の認知的応答を示 し、意思決定プロセスを反映 体の感覚刺激に対する神経系の 応答 随伴陰性変動 (CNV) 期される事象前の期待や集中を 示す脳波活動で、注意と認知プ ロセスに関連 誘発電位 事象関連電位 ※ あくまでも一例で他にもある。自身のテーマにあった誘発脳波で議論をする。 MATLABで学ぶ整体信号処理(小野)

32.

脳波の解析結果を読む 32 / 52 誘発脳波(誘発電位・事象関連電位)の図(3/4) • 電位差が正(+)に振れる方向を陰性、負(ー)に振 れる方向を陽性と呼ぶ。 • ただし、電位差を計算する電極の位置関係や参 照電極のとり方によって陽性反応であっても正 に振れる波形のこともある。 • 実験で得られたピーク波形の解釈は極性ではな く潜時を参考にする方が良い。 横軸:時間 (ms) 縦軸:ポテンシャル(μV) 凡例:チャンネル名・条件名 MATLABで学ぶ生体信号処理(小野) https://eeglab.org/tutorials/08_Plot_data/Data_Averaging.html

33.

脳波の解析結果を読む 33 / 52 誘発脳波(誘発電位・事象関連電位)の図(4/4) • 頭皮トポマップ(トポグラフィー・トポグラ フィーマップ)とも。 • 脳の表面上で特定の時間点における電位の 分布を視覚的に示す。 • 右図からわかること • 400 msの時点で、特に中心部で強い正 の電位(赤色)が見られる。 • N400では? • N400の役割/先行研究と比較し議論する カラーバー:ポテンシャル(μV) 凡例:時点、開始時間、終了時間 https://eeglab.org/tutorials/08_Plot_data/Data_Averaging.html

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脳波の解析結果を読む 34 / 52 自発脳波の図・時間周波数解析(4/4) • 自発脳波の周波数解析に時間成分を追加 • 時間経過に伴う周波数成分の変化を示す • 「課題中α波がどのタイミングで現れるか」など • 縦軸はERSP (Event-Related Spectral Perturbation (or Power)):脳波のパワー変動 • 左側:ベースラインの平均パワースペクトル • 右側:the ERSP envelope (エポック内の各時間に おける、ベースラインに対する低い平均dB値と高 い平均dB値) • ↑eeglabのみ 横軸:時間(ms) 縦軸:周波数(Hz) カラーバー:パワースペクトル密度(dB) 凡例:チャンネル名・条件名

35.

脳波の解析結果を読む 35 / 52 発展(1/5) - 機能的結合 • 定量化された脳活動時系列間の統計的依存性 • 異なる二つの脳領野などの活動時系列同士が互いに強く同期している場合、 これらの間の機能的結合が強いと解釈される。 • 指標として、「相関係数」「コヒーレンス」「位相ロック値(PLV)」がある。 • 2者間で同時計測(ハイパースキャン)して個体間の脳同期を求めることもある。 ← 個人内の機能的結合 2者間の機能的結合 → https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E6%A9%9F%E8%83%BD%E7%9A%84%E7%B5%90%E5%90%88 https://www.mext.go.jp/content/20200710-mxt_sigakujo-000008026_5.pdf

36.

脳波の解析結果を読む 36 / 52 発展(2/5) - マイクロステート • 脳活動における時間的な微小状態 • 一つのマイクロステートは、80~120ms持続 する。 • 各マイクロステートは、それぞれ異なる認知 プロセスや心理的状態に関連する。 • それぞれのマイクロステートは次のパラメー タで議論される トポマップ化 • 平均継続時間(duration) • 占拠率(occurrence) • 影響割合(contribution) • 変わりやすさ(transition probability) 4~5分割 教示なし学習 による分類 (k-means) https://doi.org/10.1016/j.schres.2014.05.036 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscn/47/3/47_163/_pdf

37.

脳波の解析結果を読む 37 / 52 発展(3/5) - 事象関連脱同期・同期(ERDS) • 事象関連脱同期(Event-related desynchronization: ERD): • 刺激などの事象の前後で周波数成分の振幅が減少すること。 運動時、運動準備の際に起こる。 • 事象関連同期(Event-related synchronization: ERS): • 振幅が増加すること。運動後、あるいはリラックスしてい る際にも起こる。 • 計算方法は研究によって様々。 https://doi.org/10.3389/fnint.2012.00059 https://doi.org/10.1016/S1388-2457(99)00141-8

38.

脳波の解析結果を読む 38 / 52 参考:ERSPとERDS (右手/左手の掌握運動イメージ) ERSP ERDS 青色:脱同期、赤色:同期 https://qiita.com/ponpopon_pon/items/32e931058841acc7dee5

39.

脳波の解析結果を読む 39 / 52 発展(4/5) - BMI, BCI / ニューロフィードバック Machineを操作することが目的 文字入力・ロボットアーム操作など フィードバックすることが目的 フィードバック方法は音楽などもある https://brains.link/wp/wp-content/uploads/2023/06/braintech_USE_230623.pdf

40.

脳波の解析結果を読む 40 / 52 発展(5/5) - Brain-Computer Interface • Brain Computer Interface / Brain Machine Interface • リアルタイムで脳波を解析、特徴量をもとにコンピューターを制御する • 運動イメージ(運動ではない)を取得して、ロボットを制御する • リハビリ応用の分野へ • いざやると、脳波ではない首の筋電などで制御していることもあるので注意 • BCIアプリ:OpenViBE, BCI2000, P300 speller(文字入力) Sensorimotor Rhythm ・C3 / C4 9.5 - 12.5Hz ・運動イメージによって 事象関連脱同期(ERD) https://youtu.be/cO9zqplQ8Ng?si=1TwFDF6Z4f5tSjGy&t=205

41.

脳波を測る実験をする

42.

脳波を測る実験をする 42 / 52 実験デザイン(1/3) :複数回繰り返す • 1度の試行ではノイズが多く、複数回加算す ることでノイズをなくす。 • 1試行のデータ=試行間共通成分+ノイズ • 加算回数の目安 • 数十~数百回 • 先行研究にならう • 予備実験で取得したデータからノイズ レベルを推定して決める • 実験時間をもとに決める • 疲労や集中力の低下によって誘発反応の潜 時や振幅が変化するので注意 https://doi-org.waseda.idm.oclc.org/10.1016/S1364-6613(00)01545-X

43.

脳波を測る実験をする 43 / 52 実験デザイン(2/3) :トリガー(アノテーションとも) • 解析には、いつ試行が始まったかが重要 • レイテンシ(遅延)とジッタ(遅延のばらつき) が小さくなる工夫をする。 • 少なくとも把握だけはしておく • 実験では以下の時刻がある (1) 実験アプリで提示した時刻 (2) 脳波計測アプリにトリガーが届く時刻 (3) 刺激(画像/音/匂い)が提示される時刻 (4) 被験者に刺激が届いた時刻 (5) 誘発脳波が現れる時刻 • ERPは(5) - (4)が潜時となる • レイテンシは(3) – (2) • 画像/音の場合は(3) = (4) https://doi-org.waseda.idm.oclc.org/10.1016/S1364-6613(00)01545-X

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脳波を測る実験をする 44 / 52 実験デザイン(3/3) :対照群(Control)の設定 研究の ゴール 特徴量Xに対して、実験条件とControl条件の比較する 対立仮説:実験条件はControl条件と差がある 帰無仮説:実験条件はControl条件と差がない ➢統計検定(対応ありt検定、対応なしt検定、分散分析など)へ 例:右手の掌握運動時のERPを明らかにしたい(目的) ← C3における右手の掌握運動のERP しかしこの図だけでは、 • 左手の掌握運動時は? • 運動イメージによる波形では? • タイミングを示す画像の影響では? 「右手の掌握運動」特有のERPとは言えない。 研究の目的を踏まえ、対照群(Control)を設定する

45.

次回予告

46.

次回予告 46 / 52 実験と解析 解析 脳波計 課題作成 課題 MATLAB Handgrip task EEGLAB

47.

次回予告 47 / 52 Handgrip task • Righ :右手をゆっくり閉じて開く(20回) • Left :左手をゆっくり閉じて開く(20回) • Control :何もしない(20回) 課題1秒ー安静9秒 PsychoPy 課題起動 実験実行 Spacekey クリック トリガー 【+】表示 20sec トリガー 【L】表示 1sec 【+】表示 9sec 終了 実験画面 自動消滅 トリガー 【R】表示 1sec 【+】表示 9sec 20回繰り返し(計60回) 【C】表示 1sec 【+】表示 9sec 課題時間:10.5分

48.

次回予告 48 / 52 Psychopyトリガー 実験開始時 import serial port = serial.Serial('COM3', 57600) # ただし、’COM3'はCGXトリガーがどこのポートに繋がっているか(USBがどこに刺さっているか) 。 # デバイス名と通信速度(ボーレート)を設定した。 # 確認方法:https://www.aandd.co.jp/pdf_storage/tech_doc/balance/t_winct_comport.pdf トリガー送信 port.write([1]) # 「1」というトリガーを送る。 https://discourse.psychopy.org/t/adding-eeg-triggers-to-experiment/21024/4

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参考資料

50.

参考文献 50 / 52 書籍 MATLABで学ぶ生体信号処理 小野弓絵 コロナ社 脳波解析入門 開一夫・金山範明 東京大学出版会

51.

参考文献 51 / 52 Web記事 • 脳科学辞典 • https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E8%84%B3%E6%B3%A2 • Wikipedia • https://en.wikipedia.org/wiki/Electroencephalography • ミユキ技研 • https://www.miyuki-net.co.jp/jp/web_seminar/EegAnalysisWithoutFormulas/ • https://www.miyuki-net.co.jp/jp/web_seminar/eegProgress/ • https://www.miyuki-net.co.jp/jp/web_seminar/solveBrainfunc/ • アラヤ ブレイン・テックガイドブック/エビデンスブック • https://brains.link/braintech_guidebook • その他、Web資料 • https://bicr.atr.jp/~oyamashi/wp-content/uploads/2021/01/Lecture2021_class5_eegmeg.pdf

52.

参考文献 論文 • 脳を測る (宮内, 2013) • https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/56/3/56_414/_article/-char/ja • 非侵襲生体信号の処理と解析-1-脳波の計測と信号処理 (田中, 2018) • https://www.jstage.jst.go.jp/article/isciesci/62/2/62_76/_pdf/-char/ja • 脳波の基礎知識 (人見, 2014) • https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscn/42/6/42_365/_pdf • Event-related potential studies of attention (Luck, 2000) • https://doi-org.waseda.idm.oclc.org/10.1016/S1364-6613(00)01545-X • The Oxford Handbook of Event-Related Potential Components (Kappenman, 2011) • https://academic-oup-com.waseda.idm.oclc.org/edited-volume/34558 • Analyzing Neural Time Series Data: Theory and Practice • https://doi.org/10.7551/mitpress/9609.001.0001 52 / 52