Dataverse for Teams環境?なにそれおいしいの?

4.4K Views

April 19, 25

スライド概要

2025/04/19
Power Platform Administrator 勉強会 #04でお話しした内容です。

イベント概要
https://jppac.connpass.com/event/350172/

profile-image

組み込みソフトウェアプログラマ → 情シス → ITコンサルタント → 技術営業 → ITコンサルタントを経て、現在はPower PlatformのアーキテクトとしてPower Platformのガバナンス策定、開発、技術支援、教育等の職務に従事。 書籍「Microsoft Power Apps入門 手を動かしてわかるローコード開発の考え方」共著者。 https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798173955

シェア

またはPlayer版

埋め込む »CMSなどでJSが使えない場合

(ダウンロード不可)

関連スライド

各ページのテキスト
1.

Dataverse for Teams環境? なにそれおいしいの? 2025/04/19 Power Platform Administrator 勉強会 #04 じゅんじゅん

2.

Dataverse for Teams環境

3.

Dataverse for Teams環境? 聞き慣れない 名前だなぁ…

8.

おー。Teams上でアプリが作れそうだ。

9.

…って、どゆこと?

10.

なにがおいしいの? おいしいだけなの?

11.

今日の目的 Dataverse for Teams環境の 「おいしさ」と「気を付けること」を 理解する

12.

スピーカー:自己紹介 じゅんじゅん と申します。 お仕事 Power Platform 運用管理方針策定支援 Power Platform システム開発(Apps、Automate、Pages、Dataverse) Power Platform 内製開発支援・トレーニング SNSなど X (Twitter):@KodamaJn LinkedIn:Junichi-kodama 著書:Microsoft Power Apps入門 手を動かしてわかるローコード開発の考え方 |翔泳社 YouTube:@kodamachallenge

13.

https://kodamachallenge.connpass.com/

14.

Dataverse for Teams環境 とは

15.

出典: Power Platformの環境について from たなさま(ドクセル)

16.

これ。 出典: Power Platformの環境について from たなさま(ドクセル)

17.

Teamsのチームに紐づく運用環境 Teams Teams環境 Power Platform

18.

1チーム1環境のみ Teams ●●チーム 1:1 Teams環境 Power Platform ▲▲チーム 1:1 Teams環境 ■■チーム 1:1 Teams環境

19.

メンバー管理はチーム(M365グループ)で。 M365グループ Teams 追加。 ●●チーム Teams環境 Power Platform 環境のユーザー 自動追加。

20.

Dataverseが使える! ※機能に制約あり(後述) Teams Teams環境 Power Platform しかもテナントの Dataverse容量を 消費しない! ※ 別途上限あり(後述)

21.

アプリ開発者向けのお話

22.

Teams環境で何が作れるの? ?

23.

作れるものと作れないものがある。 • Power Apps • • キャンバスアプリ モデル駆動型アプリ(作れない) • Power Automate • • クラウドフロー デスクトップフロー 「利用できる」と書いてあるLearnと 「利用できない」と書いてあるLearnがある →実際は使える • Power Pages (作れない) • Copilot Studio https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/desktop-flows/manage-machines https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-platform/admin/database-security#summary-of-resources-available-to-predefined-security-roles

24.

どこで作成できるの? ?

25.

基本的にはTeams上。 フローはちょっと特殊 (後述)

26.

Teams上で作成したオブジェクトは ソリューションに自動的に格納される。

27.

どこで実行できるの? ?

28.

基本的にはTeams上。 • Power Apps • • モバイル結構 いい感じ キャンバスアプリ ← チャネルのタブ、モバイルなどから モデル駆動型アプリ • Power Automate • • クラウドフロー ← Workflowsアプリ、make.powerautomate.comなどから デスクトップフロー ← WindowsのPower Automateアプリから • Power Pages • Copilot Studio ← チャットから 他にも導線あるかも

29.

セキュリティロールはどうなってるの? ?

30.

Teams環境専用のロールがある。 一部のチームメンバーから 開発権限をはく奪すること はできない Teamsチームの役割 環境でできること 環境上付与されるロール 所有者 環境削除含め、何でもできる。 システム管理者と同義。 システム管理者 メンバー 開発、アクセス許可変更など色々できる。 System Customizerに似ている。 Teams Member アプリの実行や自分のレコードを処理できる。 Basic Userに似ている。 Teams Guest (後述) - ゲスト アクセス許可を持つ同僚 (チーム外のユーザー) (Teams環境専用ロール) (Teams環境専用ロール) メンバーは他人が作成したアプリ やフローの編集はできない (System Customizerだと一部 できたりする) https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-apps/teams/dataverse-for-teams-table-permissions#understanding-team-roles

31.

テーブルへのアクセス権は少しいじれる。 簡単で良き https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-apps/teams/dataverse-for-teams-table-permissions#understanding-team-roles

32.

環境まわりのお話

33.

環境はどうやって作るの? ?

34.

チームを選択してアプリ等を作成すると、勝手にできる。 ※ 他、いくつか導線あり

35.

環境の数や保存容量に制限はあるの? ?

36.

ある。 Teams ●●チーム ▲▲チーム ■■チーム Teams環境 Teams環境 Teams環境 容量:2GBまで 容量:2GBまで 容量:2GBまで (100万レコード) (100万レコード) (100万レコード) Power Platform テナントで最大19.5TB まで 環境数:5 + M365ユーザー数/20 まで(最大10,000) https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-apps/teams/overview-data-platform https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-platform/admin/about-teams-environment

37.

ある。 Teams ●●チーム ▲▲チーム ■■チーム 超えるとアプリ/フロー/ テーブルが作れない (レコードは増やせる) Teams環境 Teams環境 Teams環境 容量:2GBまで 容量:2GBまで 容量:2GBまで (100万レコード) (100万レコード) (100万レコード) Power Platform テナントで最大19.5TB まで 環境数:5 + M365ユーザー数/20 まで(最大10,000) 最大数を超えても 環境は作れる(※違反) https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-apps/teams/overview-data-platform https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-platform/admin/about-teams-environment

38.

環境はどうやって消すの? ?

39.

消し方は多分3種類。 チームを消す ●●チーム ▲▲チーム ■■チーム PP管理セン ターで消す Teams環境 Teams環境 使わずに 放置する Teams環境

40.

Teams環境の作成は抑止できるの? ?

41.

できる。 Teams管理センター で環境作成のトリガと なるアプリを遮断する https://jpdynamicscrm.github.io/blog/powerplatform/Manage-Dataverse-for-Teams/

42.

Teams環境の設定は色々いじれるの? ?

43.

ほぼいじれない。 実稼働環境 Teams環境 実質設定不可

44.

ほぼいじれない。 実稼働環境 Teams環境

45.

ほぼいじれない。 • セキュリティロールの作成・変更・削除不可 • アプリ/フローのソリューション自動格納不可 • 監査ログ利用不可

46.

Teams環境の容量がいっぱいになったら どうすればいいの? ?

47.

実稼働環境に昇格できる。 昇格前

48.

実稼働環境に昇格できる。 昇格後

49.

昇格した環境と普通の実稼働環境は 何か違うの? ?

50.

Teams関連。(とは 昇格した環境 普通の環境

51.

専用のセキュリティロール。 昇格した環境 普通の環境

52.

専用のグループチーム。 昇格した環境 普通の環境

53.

ユーザーの追加削除はチーム経由でグループと連動 所有者、メンバー、ゲストそれぞれ チーム経由でロールが自動付与される

54.

(個人的)注意ポイント3選

55.

①デスクトップフローが作れる(要ライセンス)

56.

なにが問題なの? ?

57.

Teams環境って無償利用目的が多いよね?(多分) デスクトップフロー アクション をDLPで制御したい場合は Teams環境は適さないかも マネージド環境機能をTeams環境に対してONにするシナリオはあまりない想定だが、 マネージド環境をONにしないとデスクトップフロー アクションをDLPで制限できない https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-automate/prevent-data-loss#govern-desktop-flows-outside-of-dlp

58.

②クラウドフローがTeams以外から作れる (チーム所有者のみ) make.powerautomate.com ではTeams環境にもアクセスが可能 所有者以外は保存できない (エラーになる) 作成したフローは自動では ソリューションには格納されない

59.

なにが問題なの? ?

60.

ソリューションに自動格納されず、チーム外に共有可 クラウドフローはソリューション格納有無によってフロー共有時の挙動が変わる 状況 チーム外のユーザーに 実行のみのユーザーとして共有 チーム外のユーザーに 共同所有者として共有 ソリューションに 格納された クラウドフロー 不可(エラーになる) 不可(エラーになる) ソリューションに 格納されていない クラウドフロー 可能 可能 ※ Teams環境に限らずセキュリティグループ or M365グループを紐づけた環境は同様の挙動 作成したオブジェクトの利活用を 環境内のユーザーに留めたい場合は Teams環境は適さないかも クラウドフローをソリューションに自動格納する設定はTeams環境にはないため、 実質チーム外のユーザーに対してクラウドフローを自由に共有できてしまう

61.

③アプリやテーブルをチーム外に共有できる (チーム所有者のみ)

62.

それ防げないの? ?

63.

おおよそ防ぐ方法はあるのだけど…抜け道あり 共有したアプリの利用を Teams管理センターの設定 で防ぐことはできる

64.

おおよそ防ぐ方法はあるのだけど…抜け道あり Team α環境 Team β環境 Aさん Aさん ②Team αの テーブルに接続 するアプリを 作成 Bさん BさんがTeam αの データにアクセス できる ③アプリを Bさんに共有 ①チーム外のユーザーBさんにテー ブルへのアクセス権を付与 作成したオブジェクトの利活用を 環境内のユーザーに留めたい場合は Teams環境は適さないかも Bさんに共有をかけたチームαのテーブルにアクセスするアプリをチームβで開発可能なため、 実質チーム外のユーザーに対してDataverseテーブルのデータを自由に共有できてしまう

65.

まとめ まずは気軽にDataverseを試したいニーズには合う • • • • 有償ライセンスが無くてもDataverseが利用できる(Search関数が使える!) メンバー管理が楽(Teamsチームメンバー管理) ロール管理が楽(基本、3種類のみ) データへのアクセス権管理が楽(5種類のみ) 一方でセキュリティ要件が厳しい企業には合わない • • アプリやフローをチーム外に共有できてしまう 監査ログが取れない

66.

結論 Dataverse for Teams環境は 用途によっては結構おいしい(自論) やっぱり おいしいじゃん

67.

様々な機能を楽しく学び、 楽しいPower Platform Lifeを!

68.

ご清聴ありがとうございました。