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March 07, 26
スライド概要
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-fukuoka-2026/proposal/49598/system-fixer-qa
※実際に発表したものからアニメーション等を抜いたものです
組纖へシフトレフトするQAの或り方 や ま ず ん Scrum Fest Fukuoka 2026.3.7 11:25-11:45 天神トラック@ex-放生会 Short Session(20min)
QA採⽤とか、その他相談受けるときによくある話 CTO・EM・QAマネージャー テスターは いらないわ テスト実⾏など “シフトレフト“ ⼤嫌いなの していたいわ バグを出さないQAを 求めているの 2
どうして開発現場でシフトレフトが求められたのか l よくある理由:アジャイルテスティング、品質コストとか l “シフトレフト”でよくある例(アジャイルの⽤例) ※出典:JSTQB Foundation Level シラバスp.28 l 「テストをする観点から仕様書をレビューする」 l 「CIやCDを⽤いる」 l 「コンポーネントテストレベルで⾮機能テストの実施を始める」 要件定義 設計 プログラミ ング テスト 本番 もう⼗分だった はずでしょう? 3
ほんまか? 4
こういう感じの”層”なのでは? 現実・プロダクト 要件定義 設計 プログラミ ング テスト 本番 組織・ルール・システム 5
ってことはもうすでに品質富⼠⼭で⾔及済み ログラス社 コタツさんの ログラスQAのミッション・ビジョン・バリューを策定しました, https://note.com/k_kotatsu1992/n/nd639aa4b5692 6
ってことはもうすでに品質富⼠⼭で⾔及済み ここに働きかけたかった QAエンジニアの話 ログラスQAのミッション・ビジョン・バリューを策定しました, https://note.com/k_kotatsu1992/n/nd639aa4b5692 7
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組纖へシフトレフトするQAの或り方 や ま ず ん Scrum Fest Fukuoka 2026.3.7 11:25-11:45 天神トラック@ex-放生会 Short Session(20min)
やまずんとは l バキバキQA/Dirty Tester l 昨年から個⼈事業主:やまずんを開業した l ⼤阪のテスター→駆け出しSystem Fixer l 椎名林檎が好き(aikoよりも) l 所属(コミュニティ) l testingOsaka l スクラム祭り 実⾏委員 l JaSST nano お世話係軍団 l バキバキQAチャンネル 10
この発表の注意 l やまずんが所属する組織・団体とは関係ありません l さまざまな組織を⾒てきた内容を複合した体験を話します l やまずんはやまずんのことしか代表しません l (資料を後で⾒る⼈向け)スライドに記載された内容が全てで はなく、⼝頭で補⾜した内容もあります 11
この発表のゴール(こうなっていてほしいという願い) l 「あいつが悪い」「⼈間性」でモヤ ついて終わるのではなく、「システ ムや構造に着⽬してみる」という視 点を持っている l それらに介⼊するための具体的な⾏ 動のアイデアを持っている l 既存のロールにとらわれず、⾃分の 強みを活かした⽣き⽅を再定義する 勇気を持っている 12
QAとしてのやまずん 13
やまずんのQAエンジニアとしての特性 ※”QAエンジニア”にもいろいろあるのであくまで私の例です! l テストを専⾨性に持つQAエンジニア l やまずんのテストの捉え⽅:「現実で起こった問題」を⾔葉にすること l やがてテスト以外の現実で起こる“問題“を敏感に感じ取ってしま うようになる やまずんは⼝だ け達者な⽂句ば かり⾔うやつっ て意⾒もあるね l 本番でクレームに繋がってしまったけど、実は要件を策定している段階 で、作り⼿の違和感を感じていたが、取り込むことができなかったなあ l ふりかえりで合意したアクションや学びが、次の週には忘れ去られてし まい、同じことを何度も“学習”してる l 「私の職務の責任の範囲はここです」の間からすり抜ける、誰かの困り ごとや声にならない声 14
やまずんにとっての「品質保証」 l 「顧客満⾜を作る仕組みを作ること」 l ※媒体によって表現を変えることがよくある l やまずんの専⾨性である「テスト」は品質保証にとって⼤事だと思ってる l でも、あくまで「⼿段」という位置付け l 「テストをすること」は品質保証の⽬的ではない いちいち⼀⾔ 多いテスターだ なあ l ※⼀⽅で、「⼿段は⽬的じゃないから重要ではないという論調は嫌い」という ことも付⾔しておきたい 「⽇本での品質保証の意味は, 顧客との間で明⽰的に約束しようがしまいが, 徹底的に満⾜させてやろうとすること」 飯塚悦功、p.54 書影:マネジメントシステムに魂を⼊れる 15
氷⼭モデル lできごと lパターン l構造 D E E P lメンタルモデル 出典 Northwest Earth Institute / Donella Meadows システム思考モデルに基づく 16
そんなやまずんに対して⾔われがちなこと l 「QAエンジニアはテストだけしておいてほしい」 l 「あなたはどの⽴場で物⾔ってるの?」 l 「あなたはQAではない(褒めてるつもり)」 葛藤 ちゃんとやるこ とやってから やりたいことや れって話じゃな いの? キャリアの迷⾛ 17
「QAエンジニア」の専⾨性を新たに作る l なぜ私は「キラキラQA」ではなく「Dirty Tester」 なのか l 「⼿を汚すこと」「泥臭い現場」にいることの「誇り」 ごまはゴシゴシ 妖精だね! l テスターとして、QAの専⾨性を活かして、「できご とや現実と地続きである」からこそできること ⾃分なりの「QAエンジニア像」を⾔葉にしてみる 18
造語:System Fixerの誕⽣ l System l 組織の仕組みや関係性といった「システム」を扱う l Fixer 痛いおじさんだ ねえ l 「直す(Fix)」 l だた単に元に戻したり、全く新しい枠組みを作るとも違う l ましてやどこかのベストプラクティスを押し付けるものではない l 「⾦継ぎ」のように割れた現実さえも価値に変えること l 時に裏から⼿回しする「フィクサー」のような汚れ仕事も厭 わない 19
System Fixerケーススタディ ※複数の実例を元にしたフィクション 20
【Case 1:クレーム対応におけるFIX】 できごと l クレーム発⽣時に、「聞き取りのチェックリスト」や多様な 項⽬のレポート作成、複数の報告先があった l お客様「いちいち⾯倒なこと聞くし遅いなあ」 ごまもランプ会 社にクレーム出 すことあるよ l クレームを聞き取りする部⾨「困ってるのはわかるし早く対 応したい」 パターン l 「ルール」に則って、堅実な・合意を取れている対応をする こと 21
Case1:裏側 この裏で起こりがちなこと l 作成されたルールは数年前のもの 実はわかっていないがちなこと l そのルールのオーナーが誰か(何か)わからない l ルールに違和感があるが、更新⽅法・変更⽅法もわからない l そもそも組織が⼤きい場合、誰に何を⾔えばいいかわからない 22
Case 1:⾃ら地雷を踏みにいく System Fixerとしての介⼊ l (緊急性の⾼いクレームに対して)「正規の報告」を⼀旦遮断して、 クレームの解決に全集中の呼吸を⾏う l これにはもちろん、説明責任と時にはお叱りが伴う l これを有効活⽤する 願いってなんで 3つだけ なのかな? l 「⼤変申し訳ありませんでした」 l 「後学のために聞きたいんですが、このルールってなんであるんで すかね?」 l いろんな部署の⼈に聞いてみると、、 l 😅「なんでああなってるか不思議なんですよね」 l 🙁「え、これって僕ら(の部署)が必要って⾔ってたんですか?」 23
Case 1:現⾏踏襲の上に追加する l 現状のルールを明⽂化し、「緊急対応」(修羅場)などの条項を追加 l あくまで現⾏踏襲するための明⽂化のスタンスでいる l 緊急対応をツールに落としこみ、ルールへの認知負荷を最低限にして⾏ 動できるようにする l ルールのオーナーは「個⼈」ではなく「役割」や「組織」 僕の前の姿の話 題には誰も触れ てはいけない ポイント:「緊急で対応する部分」と「現⾏踏襲のまま、組織の改善活動 で改善できる部分」を切り分ける 「誰も触れてはいけない」という暗黙の了解にあえて⾔及する 周りからの「あいつは何を⾔い出したんだ」の⽬線を恐れても⾔葉にする 実際に、そんなことを⾔う⼈はいないことが多い😃 24
【Case 2:部署関係におけるFIX】 できごと l ある部⾨で何か問題が起こったと感じたとき l 別の部⾨のある⼈に「これって(問題に⾒えるけど)どう思いますか?」という コミュニケーションが発⽣している l たまにある→👦「これは問題ではないです」 空気を読むこと に⻑けた組織だ ね l 結果、ちょっと嫌な気持ちになる l 積み重なると「表出しない、なんとなく対⽴的な雰囲気」が⽣まれる パターン l 何か問題が起こったとき、伝え先が部⾨を超える場合、条件付けがある l ある⼈が“それ“判定しないと“問題”にならない l 結果「問題の共有」に⼼理的な障壁ができてしまう 25
Case 2:裏側 この裏で起こりがちなこと l 「顧客リスク(例)に該当するものを報告する」というルールがある l 「顧客リスクが具体的に何か」などの記述はない l 多くの場合、⼀⾒ある⼈が握っているように⾒える さらにその先で⾒えてくるもの(例) l 実はそのある⼈もルールに従っているだけでハラハラしながら「顧客リスク」認定をして いる l ⾟いのはお互い様だった l 「顧客リスク」などの判定基準は当該部⾨ではなく、ガバナンスを管掌する当事者じゃな い部⾨が管理している場合も多い l それを当該部⾨も覚えておらず、誰の悪意でもなく「空⽩地帯」となっている l (正しく押し付け合うリスクは誰も何も咎められない) 26
Case 2:⼆枚⾆を使ってレバレッジをかける System Fixerとしての介⼊ l 当事者に対して(アホになる) l 「顧客リスクってなんですか?」 l 「よく⾒たらどこにも書いてないですね。私はわからなかったのでちょっと担当部署に聞 いてみますね」 l 担当部署に対して(賢くなる) l 社内政治の技術 ばっかり鍛えよ うとしてない? 「これ記載されていないから、現場では属⼈化した状態で回していますね。今はいいです が企業統制として、問題を⾒過ごしてしまうリスクがあるように思えました」 l 「⼀旦叩きで考えてみました。現⾏を踏襲しつつ明確にできる修正案はこれですが、どう ですか?私はなんでもやります」 ポイント:「重要なポイントを⾒極める」「⼆枚⾆」 l 全ての⾔葉を定義しようとしない。⼀部のレバレッジが効く部分を⾒極める l 部⾨を跨ぐ場合は、その部⾨の⾔葉や問題意識に合わせた表現をする 27
関与する時のポイント l パターンに則って⾏動する、時に暴⾛させる。 l 問題を表出化させる l それに対する反発をきちんと受け⽌める l 「なんか変なので私がやってみます」 お前みたいな奴 を”空気読めな い”って⾔うんだ よ l (紐解いてシステムに疑う) l 批判的な視点 l 本来システムとしてどうあるべきか l ⾃分は何かを変える危険⼈物である(⾃⼰批判) l その上で「変える」ということに対するハードルを下げる 28
System Fixerの危うさ l System Fixerという⾔葉に対してよく⾔われること l 🤔「正解を押し付けられる感じがする」 l 😕「直すという⾔葉選びに傲慢さを感じる」 l SystemをFixすることは、たとえ相⼿の中に正解があったとし 傷ついちゃうな らやめちゃえば いいのに ても“合理性”を理由に抑圧してしまう危険性がある l それが仮に2%であっても否定することには変わりない l “⼿段を選ばない” l これが苛烈すぎると⼈を傷つける l ⾃分⾃⾝も傷つく。(押し通して絶えていく) 29
だから倫理観をすごく⼤事にしている(つもり) l ⾃分の「道徳⼼」を問い続ける l その道徳⼼は⼈それぞれだけど、⾃分を守るために格率 をきちんと持っておく 何⾔ってんだ l 「⼈を⾃⼰実現の対象として扱わない」 l ⼈を⼿段として扱った瞬間、道徳的に価値がなくなる 30
System Fixerから みなさまへの問いかけ 31
お前たちはこんなことを感じたことはないか? l なんだかモヤモヤした気持ちで仕事している l 納得できないまま仕事をしている l 悲しんでいたり、怒りを感じている⼈がいる l 同調圧⼒や⽂脈によって抑圧されている⼈がいる l こうだから我慢しないといけない 32
お前たちはこんなことを感じたことはないか? それが⼤⼈だから 仕⽅がないよね l なんだかモヤモヤした気持ちで仕事している l 納得できないまま仕事をしている l 悲しんでいたり、怒りを感じている⼈がいる みんなのためだから l 同調圧⼒や⽂脈によって抑圧されている⼈がいる マネージャーにな るため必要だから l こうだから我慢しないといけない キャリアアップのため に必要だから 仕⽅がない 33
では素晴らしい提案をしよう 34
‒ シ にス なテ らムお なフ前 いィも かク ?サ 35
お前もSystem Fixerにならないか? l 誰かの権威に頼ったり、⾃分に与えられた役割の中でど うふるまうかを考えるのしんどくない? l ⾃分の⼿でつくり、現場をFixする勇気 ボクはこの古び たランプを直し たいね l これがあなたの「⽣きやすさ」や「活躍の幅」を別のものに して、組織にとってよりよい変化につながるかもしれない l 劣等感、カテゴライズ そういうのは忘れてみましょう あなたの周りの 「直したいシステム」はなんですか? 36
お前もSystem Fixerにならないか? l 誰かの権威に頼ったり、⾃分に与えられた役割の中でど 本 能 うふるまうかを考えるのしんどくない? l ⾃分の⼿でつくり、現場をFixする勇気 ボクはこの古び たランプを直し たいね l これがあなたの「⽣きやすさ」や「活躍の幅」を別のものに して、組織にとってよりよい変化につながるかもしれない l 劣等感、カテゴライズ そういうのは忘れてみましょう あなたの周りの 「直したいシステム」はなんですか? 37
参考⽂献 いつもありがと ね〜 イラスト:タスマニアデビ男 引⽤⽂献 • テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス Version 2023V4.0.J02、⽇本ソフトウェアテスト 技術者資格認定組織(JSTQB)、2023年、JSTQB、https://jstqb.jp/dl/JSTQBSyllabusFoundation_VersionV40.J02.pdf (2026/3/4参照) • ログラスQAのミッション・ビジョン・バリューを策定しました、コタツ、2023年、note、 https://note.com/k_kotatsu1992/n/nd639aa4b5692 (2026/3/4参照) • マネジメントシステムに魂を⼊れる、飯塚悦功(著)・⽇本適合性認定協会(編)、2023年、⽇科技 連出版社 • 世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え⽅、ドネラ・H・メドウズ (著)・枝廣淳⼦(訳)、2015年、英治出版 参考⽂献 • 最難関のリーダーシップ ―― 変⾰をやり遂げる意志とスキル、ロナルド・A・ハイフェッツ/マー ティ・リンスキー/アレクサンダー・グラショウ(著)・⽔上雅⼈(訳)、2017年、英治出版 • 関係性を⽣きる RELATIONSHIP MATTERS ⼈間関係を⾶躍的に進化させる新しいパラダイム、フェ イス・フラー(著)・ CRR Global Japan、森川有理(訳)、2024年、CRR Global Japan • ⼈と組織の進化を加速させるシステム・インスパイアード・リーダーシップ Systems Inspired Leadership、フランク・ウイト・デ・ウエルド/マリタ・フリジョン(著)・CRR Global Japan、森 川有理(訳)、2023年、パブフル • Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン、メアリーリン・マ ンズ/リンダ・ライジング(著)・川⼝恭伸(監修)・⽊村卓央/⾼江洲睦/⾼橋⼀貴/中込⼤祐 (訳)、2014年、丸善出版 • 本能、椎名林檎、1999年、東芝EMI • 正しい街(アルバム『無罪モラトリアム』収録)、椎名林檎、1999年、東芝EMI • 修羅場、東京事変、2005年、東芝EMI • ⻤滅の刃 8、吾峠呼世晴、2017年、集英社 • 椎名林檎論 乱調の⾳楽、北村匡平、2022年、⽂藝春秋 38 • 林檎コンプレックス―椎名林檎的解体新書、丹⽣敦、2003年、太陽出版