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title: あなたの物語を奪わないために: 共感と同感の境界線 〜よかれと思った「分かる」のあとに訪れる ちいさな窒息〜
tags:  #内的照合枠 #同感 #共感 #ソマティック・マーカー #優しい暴力 #工具的感情 #フェルトセンス #フェルトシフト #同一化の罠 #ネガティブ・ケイパビリティ  
author: [村田 敦](https://image.docswell.com/user/Library_at_Dawn)
site: [Docswell](https://www.docswell.com/)
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description: 傷つく誰かの前で、私たちが無意識に口にする「分かる」という同意。 その一見温かい善意の言葉は、相手の内的照合枠(その人固有の世界)を、聴き手側の「過去の記憶」で上書きしてしまう危険性をはらんでいます。  人間性心理学や感情焦点化心理療法 (EFT)の視点から、「同感」が相手の心に窒息をもたらし、対話の扉を完全に閉ざしてしまうメカニズムを解き明かし、二つの尊い存在を守り抜く「間合い」の智慧を提示するレポートです。  【このような方に】  ・傷つく誰かの前で、「何か... 気の利いた言葉を言って、この気まずい沈黙を埋めなきゃ...」「目の前で、こんなに苦しんでいるのだから、私がなんとかして楽にしてあげなきゃ...」と胃のあたりが硬く縮こまる、善意という名の焦りを感じている方  ・お仕着せの正論や、解決のHOW(やり方)を急いで提示してしまう焦り、聴き手自身の「無力さへの恐怖」から、一刻も早く相手を「問題解決のカテゴリー」に放り込み、安心したくなってしまう方  ・相手の感情に巻き込まれ、自分の心の足場が崩れていくもろさ、同一化の罠やバーンアウト (燃え尽き)を防ぎ、相手の世界を歪みなく映し出すための静かで透明な窓でありたい方  【主な内容（目次）】  1. インサイト・サマリー 2. 1. 相手の言葉にただ同意して、伴に涙を流してしまう同調の疼き... 3. 2. 泥沼の一体化という反論: 綺麗で安全な「共感」は、ただの傍観ではないか? 4. 3. 自分の過去の記憶を重ねて、解決策を急いで提示してしまう焦り... 5. 4. 解決策という罠: Doing (やり方)を求める相手を宙吊りにする残酷さ. 6. 5. 沈黙の奥に宿る変容の科学: フェルトセンスを阻害しないための引き算 7. 6. 生命が再び前へと動き出すフェーズ: フェルトシフトと生きたナラティブの誕生. 8. 7. 日常の同意という必要悪: すべての場面で「共感」しようとすれば、こちらのエネルギーが持たないという現実 9. 8. 相手の感情に巻き込まれ、自分の心の足場が崩れていくもろさ 10. 補足コラム:内的照合枠(Internal Frame of Reference)  -------------------------------------------------- WEBページ版（音声ガイド・図解あり） https://note.com/pmc117/n/n2e6c25362086 --------------------------------------------------
published: June 26, 26
canonical: https://image.docswell.com/s/Library_at_Dawn/5R88EW-internal-frame-of-reference-and-empathy
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第２回：よかれと思った優しさの窒息：共感と同感の境界線
noteマガジン
『あなたの物語を奪わないために：共感と同感の境界線』の連載です。
https://note.com/pmc117/m/m7990fe405d25
WEBページ版（音声ガイド・図解あり）
https://note.com/pmc117/n/n2e6c25362086
夜明けの図書室
── 目 次 ──
インサイト・サマリー........................................................................................................................ 1
１．相手の言葉にただ同意して、伴に涙を流してしまう同調の疼き...................................................3
２．泥沼の一体化という反論：綺麗で安全な「共感」は、ただの傍観ではないか？............................ 5
３．自分の過去の記憶を重ねて、解決策を急いで提示してしまう焦り...............................................6
４．解決策という罠：Ｄｏｉｎｇ（やり方）を求める相手を宙吊りにする残酷さ......................................... 7
５．沈黙の奥に宿る変容の科学：フェルトセンスを阻害しないための引き算..................................... 9
６．生命が再び前へと動き出すフェーズ：フェルトシフトと生きたナラティブの誕生.............................9
７．日常の同意という必要悪：すべての場面で「共感」しようとすれば、こちらのエネルギーが持たな
いという現実................................................................................................................................. 10
８．相手の感情に巻き込まれ、自分の心の足場が崩れていくもろさ............................................... 11
One more thing.......................................................................................................... 13
補足コラム：内的照合枠（Internal Frame of Reference）................................................... 14
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インサイト・サマリー
傷つく誰かの前で、私たちが無意識に口にする「分かる」という同意。
その一見温かい善意の言葉は、相手の内的照合枠（その人固有の世界）を、聴き手側の「過去の記
憶」で上書きしてしまう危険性をはらんでいます。
本記事では、人間性心理学や感情焦点化心理療法（EFT）の視点から、「同感」が相手の心に窒息
をもたらし、対話の扉を完全に閉ざしてしまうメカニズムを解き明かします。
同時に、泥沼の一体感を求める生身の欲求や、日常的な同意の必要性といった、想定される深い反
論をもメタ視点から包摂し、二つの尊い存在を守り抜く「間合い」の智慧を提示します。
冷えかけたマグカップを両手で包み込みながら、相手の視線が、どこか床の一点に落ちていくのを
見つめている ──
そんな静かな、でも、張り詰めた時間を過ごした経験は、私たちにもあるのではないでしょうか。
外は、雨上がりの湿った土の匂いが立ち込めていて、薄暗い部屋の隅。
ぽつり、ぽつりと語られる言葉は、どれも形を成す前に消えてしまいそうなほど、頼りなくて、傷つき
やすく……
その語りを受け止めようとするとき、私たちの内側には、言葉にできないほど重たい静寂がのしか
かってきます。
「何か… 気の利いた言葉を言って、この気まずい沈黙を埋めなきゃ… 」
「目の前で、こんなに苦しんでいるのだから、私がなんとかして楽にしてあげなきゃ… 」
そう思う瞬間、私たちの胃のあたりは、キュッと硬く縮こまっているかもしれません。
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それは、臨床心理学で「ソマティック・マーカー（身体の感覚による警告）」と呼ばれる、内臓からの微
かな信号です。
相手を救いたいという「善意という名の焦り」が、自らの内側で静かに稼働し始めているサイン。その
焦りに耐えかねて、つい、お守りのようにこの言葉を口にしてしまう…
「痛いほどよく分かるよ、私も同じだったから ── 」
相手の苦しみを前にして、伴に傷つき、同じ色に染まろうとする衝動は、人間として極めて自然で、美
しい情緒に思えるかもしれません。
それなのに、うーん、どうしてでしょう……
その温かいはずの言葉を差し出した瞬間、対話の空気が、ふっと白く凍りついてしまう。
相手が、それ以上語るのをやめ、世界から切り離されたかのような、寂しい横顔に戻ってしまう。
「あ、何か、間違えてしまったのかもしれない…」
そんな微かな、しかし、引き返せない違和感に胸を衝かれた夜が、私たちにも、あったのではないで
しょうか。
なぜ、この「分かる」という優しさは、相手の心に「ちいさな窒息」をもたらしてしまうのか。
そのすれ違いの風景の奥に眠る、私たちの心の防衛と、相手の領域を侵食してしまう無意識のメカ
ニズムについて、静かに、しかし少し鋭く、メスを入れてみたい、そんな想いが湧いてくるのです。
１．相手の言葉にただ同意して、伴に涙を流してしまう同調の疼き
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「分かるよ」という同意が差し出されたとき、対話の部屋で、何が起きているのでしょうか。
ちょっと、想像してみてほしいのです。
私たちが、誰にも言えなかった深い傷つきや、恥ずかしさ、どうしようもない惨めさを、勇気を振り絞っ
て手のひらに載せ、目の前の人に差し出したとします。
そのとき、相手が「あぁ、分かる！私もね、昔、同じ経験があって……」と、私たちの言葉を遮るよう
に、自分の体験を語り始めたら、どう感じるでしょうか。
「あ、もうこれ以上、話さなくてもいいや……」
そうやって、差し出した手を、そっと引っ込めたくなるのではないでしょうか。
相手の言葉にただ同意して、伴に涙を流してしまう同調の疼き ──
それは一見、相手の物語を深く理解するアプローチのように見えます。
…しかし、本当にそうでしょうか。
実は、そこでの主語は、苦しんでいる相手よりも、完全に「私（聴き手）」にすり替わってしまっている
のかもしれません。
「私は、その痛みを、すでに経験したことがある」
「私は、相手の気持ちを分類して理解できる」
これでは相手の世界を、聴き手であるこちらの「過去のデータバンク」に照らし合わせ、勝つためにラ
ベリングして、納得している状態にすぎません。
臨床の場では、これを「同感（シンパシー）」と呼び、ほんものの「共感（エンパシー）」とは厳密に区別
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します。
どれほど似ているように見えても、相手がその瞬間に感じている痛みは、その方だけの、世界にたっ
た一つの固有の真実に他ならず、けっして「同じ」ではありません。
それなのに、私たちの勝手な「分かった」という着地点を、急いで提示してしまう。
それは、相手の言葉に、自分の過去の記憶を重ねて、解決策を急いで提示してしまう焦り。
この一見して強制的な同意の裏には、相手が自らの深淵と向き合う大切なプロセスを、無自覚に遮
断してしまう、静かな略奪が潜んでいるのではないでしょうか。
だからこそ、相手はそれ以上の語りを止め、自らの物語の扉を、静かに、閉ざしてしまうのかもしれま
せん。
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２．泥沼の一体化という反論：綺麗で安全な「共感」は、ただの傍観ではない
か？
ここで、私たちの胸の奥から、一つの激しい「反論の疼き」が立ち上がってくるかもしれません。
「境界線なんて言って、冷たく突き放すくらいなら、泥沼のなかで激しく同意し合って、伴に溺れる方
が、よほど人間味があるのではないか」
「私はただ、一緒になって怒ってほしい。」
「正しい共感とやらで綺麗に観察されるよりも、私の濁流に飛び込んで、伴に泣いてほしいのだ」
そう叫びたくなる夜があっても、決して不思議ではないかもしれません。
むしろ、そうした一体感への切実な渇望は、過酷な世界を生きる私たちが、心の底から他者とのつな
がりを求める、極めて人間らしく、愛おしい摩擦音そのもののようにも見えます。
しかし、あえて、その痛みの手触りを静かに見つめ直してみるフェーズなのかもしれません。
伴に溺れる泥沼の同調は、その瞬間だけは、毛布に包まれるような温かい錯覚を与えてくれます
が、その温もりの裏で、私たちは無意識のうちに、相手の「固有の痛みの主権」を奪い去ってはいな
いでしょうか。
「お前の痛みは、私のこの過去の痛みと、どこか同じような類だ」という、一体化じみた重圧は、一見
すると相手を孤独から救うように見えて、実は相手の痛みを、過去の記憶で植民地化する行為に近
いのかもしれません。
ひとりの人間のなまの苦しみを、私たちの「知っている物語」に勝手に引き戻してしまう関わり。
それは、相手がその人だけの荒野を踏みしめ、自分自身の足で歩き出すための、唯一無二の回復
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の機会を静かに奪う、もう一つの「優しい暴力」になり得るのではないでしょうか。
伴に溺れて、共依存になりかねないプロセスのなかに、本当の調和は宿るのか。
その問いと真摯に向き合う姿勢が、この境界線の思想を深める、極めて峻厳な倫理のいりぐちとな
るはずです。
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３．自分の過去の記憶を重ねて、解決策を急いで提示してしまう焦り
なぜ、私たちは、これほどまでに相手を「分かった」状態にし、急いで解決策を差し出そうとしてしまう
のでしょうか。
「こういう時は、こう考えたら楽になるよ」
「私もそうやって越えてきたから、大丈夫」
そんなふうに、お仕着せの正論や、解決のＨＯＷ（やり方）を急いで提示してしまう焦りは、実は、聴
き手自身の「無力さへの恐怖」が潜んでいます。
傷ついている目の前の人を前にして、何もできない自分。
かけるべき魔法の言葉を持たず、ただその重たい沈黙に伴に留まるプロセスの、圧倒的な心細さ。
私たちの脳は、その「宙吊りの不快感」に耐えかねて、一刻も早く相手を「問題解決のカテゴリー」に
放り込み、安心したくなってしまうのです。
感情焦点化心理療法（ＥＦＴ）では、相手が表面に出す涙や怒りの下に、いくつかの感情の階層が
宿っている側面をそっと見つめます。
相手がいま流している涙は、もしかしたら、周囲の同情を買うために無意識に学習された「工具的感
情（周囲をコントロールするための道具としての情動）」かもしれません。
あるいは、本当に傷ついた青い炎（一次感情）を守るための、防衛的な「二次逆転反応感情」なのか
もしれません。
それにもかかわらず、その複雑な地層を無視して、表面の涙だけに安易に同感し、同意の麻酔を注
射してしまう…
「そうやんな、あの人が悪いよな」と、相手の言い分に全面的に賛同する関わり方は、一時的な絆を
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演じる場面では都合が良いのかもしれません。
ですが、それは相手の「本当に言いたかった、胸の奥の願い」から、最も遠くへと引き離す関わりにも
なってしまう… ここでは、その奥深さに触れていきます。
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４．解決策という罠：Ｄｏｉｎｇ（やり方）を求める相手を宙吊りにする残酷さ
ここで、さらなる疑問が、私たちを射抜くかもしれません。
「そうは言っても… 相手が『今すぐ、この状況をどうにかしたい』と、具体的な解決策を求めている場
合もある。」
「それなのにアドバイスを拒み、曖昧な沈黙に留まらせる取り組みは、相手を苦しめる『生殺し』では
ないのか」
確かに、その指摘は極めて鋭く、重い事実を含んでいます。
相手が「今すぐ使える処方箋」を求めているときに、ただ沈黙を保ち、フェルトセンス（言葉になる前
の身体感覚）を待つ姿勢は、一見すると不親切で、非効率な傍観に見えるかもしれません。
そして、もっともらしい、あるいは画期的かのように思えるアドバイスを急いで差し出したところで ──
「本当にそんな試みで、私の何が変わるの？」という、ツッコミすら聞こえてきそうです。
実は、正論やアドバイスなんて、相手自身、もう頭では充分に分かっているはずなのです。
あるいは、相手がまだ知らなかったアドバイスだったとしても、それを時期尚早に提示してしまう振る
舞いは、本当に適切なのでしょうか。
それは、相手が自らの痛みをじっくりと噛み砕き、時間をかけて自分のからだへと馴染ませていく消
化のプロセスを、私たちが横から奪い去ってしまう瞬間に他なりません。
それなのに、その大切な内的探索を深める手前のフェーズで、さらに「分かりやすい解決策」の檻に
相手を閉じ込めてしまう。
それは相手の主体性を奪い、自律的な回復の芽を「善意」という名の熱量で、じりじりと焼き尽くして
しまう振る舞いになりかねないのです。
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# Page. 11

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５．沈黙の奥に宿る変容の科学：フェルトセンスを阻害しないための引き算
ここは、外側からの見立てや知的な整理が持つ意義自体を、完全に否定するアプローチではないの
ですが、それを解決の答えとして相手に直接提示する試みとは、明確に一線を画しています。
人間性心理学やフォーカシングの臨床が実証しているように、人が心から回復を遂げ、自己の物語
を再構築していくプロセスにおいて、何より重要なのは「内なるフェルトセンス（まだ言葉にならない身
体の微細な実感）に注意を向ける時間」に他なりません。
セラピストにできる大切な関わりは、相手が差し出してくれた生々しい摩擦音（症状や苦しみ）の奥に
ある微細な信号を、ただ鏡のようにありのまま映し出し、その静かな探索のプロセスに、一歩も引か
ずに留まり続ける関わりです。
この、相手の内的照合枠に完全に一致し、その身体感覚に伴に佇むアプローチこそが、相手の体験
過程（Experiencing）を安全に、豊かに動かし始めるための確固たる鍵となります。
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６．生命が再び前へと動き出すフェーズ：フェルトシフトと生きたナラティブの誕
生
適切な言葉や象徴が、内なるフェルトセンスとぴたりと重なり、身体が「ふっ」と緩んで息が深く通るよ
うになる瞬間 ──
臨床心理学で「フェルトシフト」や「キャリング・フォワード（前進）」と呼ばれる、生命が自らの力で物語
を回復させていく生きた運動。
この確かな変容の機序が働くからこそ、私たちは安易にアドバイスをして対話を終わらせるのをやめ
られて、相手の内側から「しっくり来る物語（ナラティブ）」が自然と立ち現れてくるのを、ただ静かに
ホールドし続けるのです。
お互いの信頼の根っこが地中深くで静かに結びつく。そこが、すべての始まりとなります。
私たちは、お相手が「いま、ここで」感じているなまの感触にそっと寄り添う。
そして、何が本当に自らの生命に「しっくりくる」のかを、身体の感覚と伴に一つひとつ確かめていく…
それこそが、生きたナラティブ（物語の紡ぎ出し）のあわいに佇む伴走となっていきます。
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# Page. 14

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７．日常の同意という役割：すべての場面で「共感」しようとすれば、こちらのエ
ネルギーが持たないという現実
また、私たちのなかに宿る「意地悪なユーザー」のような冷徹な視点は、さらに、こんな現実を突きつ
けてくるかもしれません。
「日常生活のすべての場面で、いちいち、こんな重たい境界線を意識して、徹底的な共感をしていた
ら、こちらの精神が磨り減って崩壊してしまう。」
「ある程度の『分かったふり』や『安易な同意』は、社会を生き抜くための必要不可欠な防衛ではない
か」
全くその通りで、私たちの日常は、せわしないタスクや、役割のなかで流れています。
八百屋の店先で、職場のエレベーターのなかで、交わされる「大変ですよね」「分かります」という表
面的な同意。
それらすべてを「なまの存在への拒絶だ」と断罪するのは、あまりにも不自然で、潔癖すぎるシステ
ムと言えます。
むしろ、そうした日常的な同感の社交辞令は、私たちの限られたエネルギーを守るための、大切な防
壁として機能している側面もまた、必要なものです。
ですが、私たちがここで引き戻したい視点は、「それ以外の、本当に大切なたった一つの関係性のあ
わい」における立ち位置です。
誰も私の本当の痛みに触れてくれない…と、相手が世界のなかで完全に孤立している、あのカフェ
のテーブル。
その「ここぞ」という神聖な入り口においてまで、私たちが日常の防衛（分かったふりの盾）を構えたま
ま座ってしまう。
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# Page. 15

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その切なさと、もろさを見つめ直すのは、とても大事な営みといえます。
すべての場面で、完璧な共感を体現する人格者になる必要など、どこにもありません。
ただ、「いま、私は日常の防衛を外し、この人のためだけに『間合い』を調える」という、そのスイッチを
自らの手で静かに選ぶ自律の思想。
それこそが、お互いの尊厳を守るための、生涯の知恵なのだと思うのです。
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# Page. 16

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８．相手の感情に巻き込まれ、自分の心の足場が崩れていくもろさ
それは、相手と同じ色に染まり、濁流に飛び込んで、伴に溺れてしまう「同一化」の罠です。
「あの人が、あんなに苦しんでいるのだから、私も同じように苦しまなければ… 冷酷だ」
「私が、しっかり受け止めて、この悲しみを一緒に背負ってあげないと… 」
そのような自己犠牲のもつれは、徐々に対話のバランスを歪ませていきます。
一方が精神的なコストを支払い続け、自らの輪郭を崩して、相手の領域と同化していく状態。
これは、セラピストの現場であっても、最も恐れるべきバーンアウト（燃え尽き）や、境界侵犯への入り
口です。
相手の濁流に足元をすくわれ、自らの足場を失ってしまった聴き手は、相手を支えるアプローチとし
ての透明な窓ではいられなくなります。
からだの感覚が麻痺し、息が苦しくなり…
最後には「もう、これ以上この人の重たい話は聴けない」と、心のシャッターをガシャリと下ろして、突
然の断絶を選んでしまうのかもしれません。
そんなもつれは、お互いにとって、あまりにも哀しい結末ではないでしょうか。
相手の隣で佇み続ける関わりにおいて、私たちは、何かをしてあげようという作為（Doing）を、すべ
て手放す瞬間に直面します。
それは、かつてロジャーズが晩年に至った、それまでの科学的で論理的な枠組みを超えた、どこか
神秘的でスピリチュアルな領域に踏み込んだ、存在（プレゼンス）という不思議な現象なのかもしれま
せん。
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# Page. 17

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私たちが「正しい反応をしよう」「上手に聴こう」とする努力をやめ、ただリラックスして、相手に伴に沈
黙のなかに留まるとき、一種の変容した意識状態のような、静かな共鳴が起こり始めます。
私自身の内なる自己が、相手の内なる自己にそっと手を伸ばし、触れているような感覚。
そこでは、私という個人の固い境界線が薄れ、もっと大きな何かの一部になっているように感じられ
るのです。
この、意図せずとも、癒やしが勝手に起こる非作為の力。
お互いの「しっくり来る感覚」を、身体の奥底から伴に探し出していく静かな時間の流れ ──
私たちは、痛みを「単に排除するだけの病」と捉えるのではなく、本来の自分を見い出そう・創出しよ
うとする「魂の摩擦音」として、そのメッセージを受け止めます。
その痛みや症状をただ取り除くのではなく、相手の世界を歪みなく映し出すための、静かで透明な窓
でありたいという倫理 ──
それは、言葉や正論で相手をコントロールしようとする取り組みよりも、相手に、そして何より私たち
自身に、もう一度「深く、息ができる余白」をひらく、もっと広く、そして最も温かい「間合い」になるので
す。
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# Page. 18

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答えを急がず、宙吊りの状態や不確実な沈黙を豊かな余白として耐え抜く、ネガティブ・ケイパビリ
ティの姿勢とともに ──
その「分からない感情」へのもやもやを抱えながら、対話の部屋に、静かな間合いを取り戻してみる
──
ゆっくりと、ご自身の呼吸と歩幅を大切にしながら、行間に漂う温もりに耳を澄ませてみる時間 ──
次回、第３回では「安易な『分かる』が、相手の物語を奪うとき」と題し、日常の人間関係で口にしがち
な同意の言葉が、相手の体験をいかに歪め、その存在を奪う「静かな略奪」に変わる推移を、具体
的な会話の風景からさらに一歩深く、静かに見つめていきます。
One more thing...
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# Page. 19

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傷つく誰かの隣で、「何もできない」と自分の無力さに胸を締め付けられている、私たちへ。
どうか、心に留めておいて ──
言葉をかけてあげられなくても、ただ、そこにある沈黙の重さに耐え、自分を見失わずに「居続ける」
あり方。
それ自体が、相手にとっての、世界で一番安全なシェルターになっているという事実を。
Ｄｏｉｎｇ（何をするか）を一度眠らせて、Ｂｅｉｎｇ（どう在るか）の等身大の私たちで、佇んで ──
補足コラム：内的照合枠（Internal Frame of Reference）
ロジャーズが提唱した、カウンセリングにおける最も核心的な概念。
相手が世界をどのように知覚し、どのように感じ、意味づけているかという、「その方自身の主観的な
内なる地図」。
共感的理解とは、聴き手側の価値観や過去のデータ（外的照合枠）を完全に「横に置き」、相手の内
的照合枠のなかにそっと入り込ませてもらい、その景色を伴に眺めるプロセスを指します。
他人の気持ちを優先してばかりで疲れていませんか？
自分の尊厳を守り、自分を失わずに生き抜く智慧を伝える
「夜明けの図書室」から ──
無料・小冊子 ──『「優しすぎて 損をしてしまう」自分へ』進呈
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